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6月24日(金) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』6月24日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「与野党激論という大メディアの茶番劇 今やマトモな野党はひと握り」

 NHKで生中継された党首討論の様子は、とてもじゃないが「論戦」「激戦」と評するには程遠い内容だったからだ。

 それはそうだろう。そもそも「与野党の激しい攻防」などと報じているが、立憲が9日に提出した岸田内閣に対する不信任決議案は、自民・公明両党に加え、日本維新の会、国民も反対に回って否決されているのだ。岸田政権を“信任”し、今や永田町などで「地獄行こう連立=(自国維公)」と揶揄されている政党を、選挙の時だけ野党扱いしてどうするのか。

 まともな野党は一握りで、残りは与党の補完勢力、「ゆ党」が実態。大メディアはそんな構図を知っていながら「与野党の激しい戦い」とはよくぞ言えたもの。これぞ茶番劇、茶番報道というものではないか。

 大体、大メディアは岸田の「新しい資本主義」などという中身のサッパリ分からないゴマカシの造語を無批判で垂れ流し、年末の国家安全保障戦略改定で焦点となる「敵基地攻撃能力」の議論から逃げ続けた岸田の姿勢を追及することもしなかった。

 安倍元首相の桜を見る会前夜祭をめぐる新たな不正疑惑や、細田衆院議長のセクハラ疑惑といった与党にとってマイナスとなる材料はほとんど取り上げず、せっかく野党候補が勝利した杉並区長選はチョボチョボ。大メディアが与党に加担しているのはアリアリで、そんな大政翼賛会と化したやらせ選挙に「与野党の攻防」もヘッタクレもないだろう。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。

 「与党以上に保守的な主張をしている野党もあり、与野党の政策の違いがよく分からない。それが有権者の実感でしょう。本来はメディアが物価高や憲法問題といった課題、論点を整理した上で、各党の姿勢の違いを分かりやすく伝えるべきなのですが、それができていないのです」

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