【ザポリージャ発】原発周辺住民、ロシア軍制圧下を丸一日かけて大挙脱出

屋根に一杯の荷物、キャビンも人で一杯。避難ならではの光景があった。=4日、ザポリージャ市 撮影:田中龍作=

 ロシア軍制圧下、恐怖にさらされながら暮らしてきた人々の集団脱出が本格化している。外部電源の喪失が繰り返され危険な状態にあるザポリージャ原発から50キロ圏内の住民が半分近くを占める。

 4日午後1時、州都ザポリージャ市の避難所に自家用車50台以上、約200人が到着した。

 住民たちはロシア軍から荷物を徹底的に調べられ、非戦闘員であることが確認されて、やっとこさ脱出が認められた、という。

 ロシア軍による厳しいチェックのため、ほとんどの住民は、州都にたどり着くまで24時間かかった。

取るものも取りあえず逃れてきたのだろう。畑のスイカを荷車に積んだ避難民も。=4日、ザポリージャ市 撮影:田中龍作=

 ザポリージャ原発が立地するエネルゴホダル市の惨状は想像以上だった。
 
 「9月1日はとても恐ろしかった。ヘリコプターが低空から機銃掃射し、戦車や野戦砲が砲撃してきた。ミサイルも飛んできた」・・・エネルゴホダル市からの3組の脱出者が異口同音に語った。

 この日は、IAEAの査察団がザポリージャ原発に到着し構内に入った日である。

 IAEAの一行が到着する直前までロシア軍の激しい攻撃は続いたのだろう。どうしても原発に立ち入らせたくなかったロシア軍の思惑が手に取るように分かる。

 エネルゴホダルから到着した避難民は「ロシア軍はバスでの脱出を認めなかった」と首を横に振った。

とりあえず安全な場所に到着したことを喜び合う人々。=4日、ザポリージャ市 撮影:田中龍作=

   ~終わり~

  ◇
読者の皆様。

危険な状態が続くザポリージャ原発からは住民の脱出が本格化しました。

原発を盾に取るという、歴史が経験したことのない事態を見届けるために田中は現地に留まっています。

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