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「PB黒字化目標は民間赤字化目標 でしょ?!(前半)」三橋貴明 AJER2020.2.9

    

 

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補償ではなく恐怖!? これでは中国共産党以下だぞ、菅義偉! [三橋TV第349回] 三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/aH8ZLVOW4jE
 

 本日はチャンネル桜「Front Japan 桜」に出演します。11時からLive配信です。

【Front Japan 桜-令和3年2月10日】
https://youtu.be/808vFlvhNtI

 中谷厳氏といえば、新自由主義から「転向」した経済学者として有名ではございますが、その中谷氏でさえ、
「モノ・マネー論」
 に冒されているという残念な話。

 

 モノ・マネー論は、貨幣について一種類しかないと思い込み、あらゆる経済主体が等しく貨幣を使えると考えてしまう「間違い」です。
 

 モノ・マネー論の間違いは、少し考えれば誰でも分かります。


「銀行預金口座を持っていない人は、預金貨幣を使えない」
 ただ、それだけの話です。


 貨幣は一種類ではなく、種類によって使える貨幣と使えない貨幣がある。モノ・マネー論は間違いです。
 

 モノ・マネー論の「間違い」において最も重要なのは、
「日銀当座預金は、日銀に口座を持っている経済主体(政府、金融機関)以外は使えない」
 という真実です。

資本主義にいかに倫理を導入するか――中谷 巌(「不識塾」塾長)【佐藤優の頂上対決】
 お互い独立を保つべき政府と中央銀行が一体化し、デフレ脱却のため金融政策や国債、株式購入などで大量に市場にお金を供給してきた日本。そこにコロナ禍の経済対策も加わり、国の借金は雪だるま式に膨らんでいる。はたしてこのまま突き進んで大丈夫なのか。新自由主義と決別した経済学者の警告。(中略)
佐藤 ただ、それでも思うように経済は成長しません。お金が実体経済に向かわず、金融市場をグルグル回っているということでしょうか。
中谷 金融にすべてが回っているわけでもないのです。例えば日銀が国債を買ってお金を支払いますね。それは市中銀行に預金しますが、銀行はそれをさらに日銀の当座預金に預け直します。いまその額が500兆円くらいある。結局、国債や株式を日銀が買っても、回り回って日銀当座預金の増加ということになる。
佐藤 銀行が企業に投資していない。
中谷 そうですね。資金需要がない。投資機会がないから、お金はいらないということですね。つまり、資本主義経済が成長のポテンシャルを失っているのです。さらにグローバル化によって、賃金の安いところを探してモノを作りますから、値段が上がらない。だからインフレになりません。
佐藤 では、もし日銀の当座預金が引き出されることになれば――
中谷 インフレになります。何かの事情で大量に引き出されたら間違いなくハイパーインフレになる。だから私は「湿った床に油を撒いている状態」だと言っています。(後略)』

 

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「例えば日銀が国債を買ってお金を支払いますね。それは市中銀行に預金しますが、銀行はそれをさらに日銀の当座預金に預け直します。」

 ????
 

 何を言っているのでしょうか、中谷氏は。
 

 日銀が市中銀行から国債を買う場合は、単に、
「日銀のBSの借方に国債が、貸方に日銀当座預金が計上される」
「市中銀行のBSの借方の国債が、日銀当座預金に変わる」
 だけの話です。

 どうも、中谷氏は貨幣が「商業用品」であるという商品貨幣論から脱却できず、貨幣のプール、モノ・マネー前提で考えているようです。

 そもそも、今や国債すらデジタルデータで、日銀の国債買取に際して「モノ」は全く動きません。帳簿の数字が変わるだけです。

 貨幣とは、単なるデータなのです。


 「銀行は当座預金に預け直す」という表現から、中谷氏が貨幣のプール論、モノ・マネー論から脱却できていないことが分かります。
 
『佐藤 では、もし日銀の当座預金が引き出されることになれば――。
中谷 インフレになります。何かの事情で大量に引き出されたら間違いなくハイパーインフレになる』

 日銀当座預金は銀行などの金融機関と、政府しか使えません。何しろ、一般企業や国民は日銀に口座を持っていないのです。
 我々が「日銀当座預金を引き出す」ことは、不可能です。(日銀当座預金から我々の預金口座への振り込みもできない)

 

 もちろん、中谷氏も佐藤氏も、日銀当座預金を使うことはできません。何しろ、日銀に口座を持っていない。


 物理的にあり得ない話を前提に、いい大人が真面目な顔で「間違いなくハイパーインフレになる」と議論しているわけです。
 

 情けない・・・・。
 

 中谷氏と佐藤氏は、まずは、
「貨幣とは貸借関係であり、それを記す媒体は何でも構わない(表券主義)」
「貨幣とは貸し借りの関係が生じた瞬間に発行され、返済したときに消滅する」
「貨幣によっては、利用できるものと、できないものがある」
 という「単なる事実」を勉強してから、財政問題等について発言するべきでしょう。


 貨幣を理解しないで経済を語るなど、中野剛志先生の表現を借りると、
「ウイルスが何か分かっていない医者が、感染症について語るようなもの」
 でございますよ。
 

「貨幣を理解しない者は、経済について語るべきではない」に、ご賛同下さる方は、

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