No. 1333 ワクチン接種の推進者たち

米国では新型コロナワクチンを打たせるために接種者に1億円が当たる宝くじや無料航空券、無料奨学金などを提供していたが、それでも接種率は頭打ちとなり、未接種者の74%は今後も接種するつもりはないと回答している。https://www.washingtonpost.com/politics/2021/07/04/republicans-vaccines/

興味深いのは、人種別で最も多く新型コロナで打撃を被っているアフリカ系米国人の接種率が低いことだ。

2020年12月にワクチン接種が始まってすぐ、Pew Research Centerが行った調査でも絶対接種する、たぶんすると回答した成人のアフリカ系米国人は 32%にしかすぎなかった。その理由の一つとして米国で1930年から70年代にかけて、アフリカ系黒人男性を対象に行われた「タスキジー梅毒実験」があると言われている。

「タスキジー梅毒実験」はアラバマ州タスキジーで黒人男性600人を対象に米公衆衛生当局が行った人体実験で、目的は梅毒の症状の進行を追跡観察することだった。治療薬のペニシリンが発見された後も治療されずに放置され、1972年にマスコミが報じて世間の関心と怒りを買って実験は終わったが多くの黒人の生命が犠牲になった。この人体実験による政府への不信感が今回のコロナワクチン接種でも根強く残っているのだ。このためバイデン大統領は、接種率の低い地域に戸別訪問をしてワクチンを打ったり、新たに接種する人に100ドル(約1万1000円)を支給するなど様々な手段を講じている。

日本でも、ワクチン接種を促進するために、群馬県は2回の接種を完了した20~30代の県民に対し抽選で車や旅行券をプレゼントすると発表し、愛知県は接種を終えた20~30代を対象に抽選で2万人に1万円分の食事券を配布するという。東京都はワクチン接種促進キャンペーン事業の予算に10億円を充てている。わずか数年前には、日本政府は高齢化対策や医療費削減を理由に全国の病院のベッド数を減らしたり生活保護費を削るなど、様々な福祉制度を後退させてきたのに、同じ政府がテレビコマーシャルまでうって国民に無料でワクチン接種を進めることには違和感がある。

本来ワクチン接種は自分が感染しないために行うものだが、ワクチン接種を2回受けていても感染することはもはや周知の事実である。顕著な例がイスラエルで、50才以上のワクチン接種率は90%を超えており、イスラエルにおける高齢の非接種者は接種に耐えられない身体上の理由がある人だけだとみるべきだろう。そのイスラエルで感染が爆発し、3回目のブースター接種が始まるも、8月下旬の死者数は昨年同時期の2倍にもなっている。

人口930万人ほどの国で、未成年を除くほぼ全国民がワクチンを接種した状態で、1日20人がコロナで死亡しているということは、日本におきかえると毎日250人以上がコロナで亡くなっているに等しい。コロナ新規感染者の多くはワクチン未接種者だとか、ワクチン接種を受けると重症化しにくいとマスコミは報じるが、日本よりも先に接種が始まったイスラエルの状況をなぜ大きく報じないのだろうか。

またここにきて複数のワクチンから異物が見つかり、異物混入したモデルナワクチンでは接種後3人が亡くなっている。これまで食品に異物混入が発覚すれば、命に別状がなくても食品会社は全商品を自主回収し、生産を全面停止し、経営陣は謝罪会見をしてきた。ところが米モデルナ製のワクチンは、異物混入があった製造ロットと同時期に同じ製造ラインで作られた2つのロットを含めたワクチンの回収だけで、接種は続いている。賠償責任のない製薬会社だけでなく厚労省の言い分も「ワクチン接種と死亡の因果関係は不明で、異物混入が原因であることを示す情報もない」というものだ。

8月24日、イスラエルの研究者たちは査読前の論文を投稿するサイト「medRxiv」に、新型コロナに感染して回復した人はファイザー製ワクチンを接種した人よりもウイルスに対して優れた防御力を持っていたという研究発表を掲載した。一度コロナに感染した人と比べ、ワクチン接種者はデルタ株に感染する確率が5.96倍、症候性疾患のリスクが7.13倍であることがわかったという。ワクチン接種した人々はデルタ株に対して脆弱だということがイスラエルの250万人のデータ分析から明らかにされたのだ。https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.08.24.21262415v1

米国や日本の政府は、ワクチンは自然感染の免疫よりも優れた防御を提供するとして推進している。しかしイスラエルの研究結果は、ワクチンの効果は半年で低下し、ワクチン接種で感染を防ぐことはできず、逆にデルタ株を流行らせ、ラムダ、ミューとコロナウイルスの変異が進めば、ワクチンはいたちごっこでしかないということを明らかにしたのだ。従ってイスラエル政府が始めたワクチンパスポート(グリーンパス)は2回目の接種から6カ月で失効、3回目のブースター接種後も6カ月後には切れるという、ワクチン接種の繰り返し政策となったのである。https://www.rt.com/news/533416-israel-expanded-vaccine-children/

インフルエンザワクチンがあっても毎年インフルエンザは流行した。ワクチンでコロナウイルス感染を抑えられるというのは幻想にすぎないのに、それでもビッグファーマや世界の支配者たちは利益のためにこれからもワクチン接種を進めるのであろう。