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「地方自治体も貨幣の発行者になれる」(前半)三橋貴明 AJER2020.9.13
    

 

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「政治家は裏切る」現実を前に、我々が理解しなければならないこと [三橋TV第446回] 三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/RZOJGkS7Fvo

 デービッド・アトキンソン氏が、例により「長~い寄稿」を書いていたので、ご紹介。

次期総理に伝えたい「世界標準の財政政策」の正解 ケチにも浪費にもならない「賢い投資」が常識
今回の記事のポイントを先にまとめておくと、以下のとおりです。
(1)財政出動は必要だが、何に使うかが最大の焦点
(2)日本のデフレ圧力は主に高齢化と生産年齢人口の減少が根本原因
(3)よって、単純に需要を増やすだけの量的な財政出動は効果が薄い可能性が高い
(4)事実、1990年以降の財政出動は持続的な経済成長につながっていない
(5)究極的には、賃金が上がらないかぎり、デフレ圧力は緩和されない
(6)よって、財政出動は主に賃上げにつながる乗数効果の高い使途に積極的に使うべき(後略)』

 アトキンソン氏は、本寄稿で「日本は莫大な無駄な財政支出をしている」と印象操作を行っていますが、財政支出自体は否定していません。

『(引用)しかし、企業に生産性向上と賃金の引き上げを促すためには、絶対に需要の創出が必要です。ですので、そのための財政出動は不可欠です。
 ここで大切になってくるのが、本記事の冒頭で紹介した「生産的政府支出=PGS」です。この経済政策の新しい指針が示唆しているように、政府の財政出動は、GDPの成長に直結する投資を促すことを最優先にするべきだと思います。』

 そして、日本の「特殊要因」として、人口の減少を上げています。

『(引用)要するに、日本では人口が大きく減少することによって、需要の構造が変化しているのです。このままでは慢性的に需要は減少します。その結果、供給が過剰になり、適正レベルまで調整される間はデフレ圧力がかかり続けるのです。』

 実際の日本は、総人口の減少というよりは「生産年齢人口比率の低下」という状況になっています。総需要が減ったところで、それ以上に供給能力が減るので、アトキンソン氏の単純な「人口が減るから供給過剰論」は成り立ちません。

【日本の総人口(左軸)と生産年齢人口比率(右軸)】


http://mtdata.jp/data_76.html#hiritsu

 と言いますか、すでにアトキンソン氏の人口減少デフレ論は現実に否定されているでしょ。何しろ、人手不足が始まっている。
 

 日本がデフレという総需要不足でなければ、経営者はとっくに人手不足解消のための投資拡大に動いている局面なのです。
 

 日本のGDP(総需要)は、相変わらず横ばいですが、これは総人口も、生産年齢人口も関係ありません。デフレが継続しているためです。

 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/

※要望多数につき、評論家・中野剛志先生 【通貨論争史:イギリス編】【通貨論争史:日本編】が再掲となりました。

 

【日本・ジョージア・ラトビア・リトアニアの人口・GDP・投資の推移(2019年 対 2000年比、倍)】


http://mtdata.jp/data_76.html#4

 例の四カ国の比較をアップデートしました(今回は総人口も加えた)。
 ラトビアやリトアニアは、総人口も生産年齢人口も、2019年の数字が対2000年比で二割以上も減っています。それにも関わらず、GDPは四倍。
 なぜ? もちろん、投資が拡大しているためです。


 それに対し、日本は人口の減少ペースは両国程ではないにも関わらず、全く成長していない。なぜ? もちろん、投資が増えていないためです。


 それでは、なぜ日本は投資が減っている。それは、政府の緊縮財政とデフレが原因です。


 それでは、なぜ日本はデフレになった? バブル崩壊後の緊縮財政(橋本政権以降)により、総需要の不足が続いているためです。
 

 アトキンソン氏は、懸命に「財政支出の「質」」の話に持っていこうとするのですが、それ以前に「規模」が不足しているのです。何しろ、デフレギャップが埋まらない。


 というわけで、アトキンソン氏に伝えたい「日本の財政政策」の正解 。「デフレギャップ(総需要の不足)を埋め、インフレ率が適正な水準で推移するに十分な「規模」の財政支出」です。


 ちなみに、アトキンソン氏は社会保障系の支出がお嫌いでしょうが、医療、介護分野に政府がおカネを使い、需要が膨らめば、企業は普通に投資をします。理由は、儲かるから


 逆に、例えば年金支出を削ると、年金受給者が消費を減らす。つまりは、需要縮小というわけで、企業は投資を減らします。理由は、儲からないから。


 日本の企業が投資を拡大しないのは、単に需要(=市場=客)が不足しているためです。というか、アトキンソン氏は社長として、「客がいない」状況で投資するのでしょうか。


 まあ、アトキンソン氏は↑こんなことは百も承知で、「可能な限り、財政支出を絞り込む」「グローバリズムのビジネスにつながる財政支出を拡大する(PGSとか何とか言って)」ことが目的なのでしょう。
 

 それにしても、今更、デフレと人口を結びつけるのは、恥ずかしいからやめた方がいいですよ。
 

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