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「菅政権の地方経済潰しをくい止めろ(前半)」三橋貴明 AJER2020.12.15

    

 

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菅・竹中・アトキンソンのショックドクトリン 共同体破壊には団結して抗え! [三橋TV第330回]

https://youtu.be/f8vlUSH9UJw

 

 20年度補正予算では、(これでも)大幅なPB赤字拡大を強いられ、敗北感に打ちひしがれた(だそうです)財務省は、21年度予算で逆襲に転じました。


 21年度予算の歳出全体の伸びは、前年当初比で3兆9517億円と「信じがたいほど小さな伸び」に抑えられてしまいます。
 

 さらには、PB赤字を20兆円に絞る。


 20年度のPB赤字は90兆円前後であるため、対GDP比で14%強(70兆円)の政府支出削減になります。
 

 凄まじい「国民殺し」の予算になっています。


 もっとも、財務官僚にとって国民の生命や人生など「自分の出世とは関係ない」わけで、財政研究会(財務省の記者クラブ)経由で「大攻勢」に出てきています。


 各紙の社説を見てみましょう。

『(社説)来年度予算案 財政規律のたが外れた
(前略)来年度末の国債発行残高は1千兆円に迫る見通しだ。日本銀行による国債の大量購入という異例の政策に頼って、次世代に借金のツケを回し続けるのは、あまりに無責任である。(後略)』

『[社説]財政規律の緩みを隠せぬ来年度予算案
 政府が2021年度予算案を閣議決定した。一般会計の総額は当初予算で過去最高の106兆円超となり、新規国債の発行で4割を賄う。コロナ禍の克服と成長基盤の強化に焦点を当てたのはいいが、財政規律の緩みは隠せない。(後略)』

『来年度予算案 借金頼みの財政膨張は危うい
(前略)感染拡大が長引けば、再び歳出圧力が強まりかねない。査定の甘い補正で、予算の増大を招く事態には注意が要る。政府は、借金頼みの歳出増が持続可能ではないことを、肝に銘じるべきだ。』

『過去最大の予算案 コロナに乗じた野放図さ
(前略)暮らしを守る支出は惜しむべきではない。だからといって財政規律を緩めていいわけではない。歳出を野放図に増やすと、将来世代に重いつけを負わせる。(後略)』

『【主張】来年度予算案 財政悪化の現実忘れるな
(前略) 看過できないのは、コロナ禍が収束した後の財政のありようについて全く道筋を描けていないことだ。危機に際し財政の力強い後押しが必要なのは当然としても、極度に悪化した財政の現実から目をそらすことは許されない。(後略)』

 凄いですね。朝日、日経、読売、毎日、産経など、大手紙は全て「財政規律」「財政膨張」「財政悪化」といった抽象用語のオンパレード。
 

 とにかく「政府の負債(読売の言葉を借りると「借金」)を増やすのは悪」という前提で、我々の「情緒」に訴えることで印象操作を図っています。(財政破綻、国債暴落、ハイパーインフレといった用語は使われていない)
 

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 というわけで、こちらも少し「情緒」的、しかも「事実」に基づき反論したいと思います。


 昨日も書きましたが、政府の財政赤字は「政府の純負債の増加」になります。(※純負債=負債-資産) 反対側で、必ず民間(国民、企業)の純資産が増える。

【誰かの純資産=誰かの純負債】



 ここで、中世欧州の国王・領主の「金貨による支出」を考えてみましょう。例えば、フランスのルイ十四世が「1ルイドール金貨」で国民から財やサービスを買い、支払ったとします。


 その場合、国民側は「1ルイドール」分、純資産が増えますよね?
 

 誰かの純資産増加=誰かの純負債の増加である以上、実は「金貨での支払い」により、ルイ十四世は「1ルイドール」分、「純負債」が増えていることになるのです。無論、バランスシート上の話で、別にルイ十四世は「1ルイドール金貨」という自らが発行した「借用証書」について、「返済」「利払い」を求められることはありません。


 さて、政府が新規国債を発行し、財政支出をすると、「政府の純負債」が増えます。反対側で「国民の純資産」が増える。
 

 そして、政府は国債を中央銀行に買い取らせることで、「返済」「利払い」が不要になります。


 金貨による支払いと、国債発行+財政支出とでは、何が違うのでしょうか? 実は、本質的には何も変わらないのです。
 

 政府の国債発行+財政支出と、国王・領主の金貨発行・支払いは、全く同じです。共に、国民・領民の純資産を増やす「貨幣供給」そのもの。発行額そのものには、一切、制限がない。制限は「インフレ率」のみです。(当たり前ですが、国王・領主が無闇な金貨発行・支払いで需要を拡大すれば、インフレ率は上昇します)


 つまりは、政府の国債発行は「借金」ではない。ここで言う「借金」とは、「返済が必要な債務」という意味になります。


 借金ではないにも関わらず、「国の借金」キャンペーンにより、十分な貨幣供給ができず、我が国は衰退の道をひたすら進んでいる。
 

 「国債発行+財政支出」と「(中世欧州の)金貨鋳造+支払い」は全く同じ。これは、バランスシートで考える限り、誰にも否定できない事実なのでございます。


 この辺りの話は、三橋経済塾第九期第十二回で取り上げましたが、「貨幣の基本」であるため、第十期の参考資料としても掲載しておきます。十期から参加された方は、事前学習資料としてご利用ください。
 

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