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「アメリカの大転換と高圧経済」(前半)三橋貴明 AJER2020.7.5
    

 

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2021年8月1日 講演会(山形)のご案内

 

熱海の土石流災害はなぜ起きたのか? 「規制」の意味と意義を知ってほしい [三橋TV第419回] 三橋貴明・室伏謙一・高家望愛


https://youtu.be/SKfh34YgLZM
 

 


 ちなみに、経営合理化協会の動画のわたくしの声が枯れているのは、合理化協会での講演「後」に収録したためです。(この日は、午後に例の立憲民主党の講義もあり、大変でした)


 さて、ついに東京五輪の開会式の日がやってきました。これから、政局(臨時国会、自民党総裁選挙、総選挙)と絡みつつ、怒涛のような日々が始まることになるのでしょう。


 そんな中、内閣府がPB黒字化目標の達成時期を「前倒しにする」という、狂った試算を公表しました。そもそも、PB黒字化目標自体が頭がおかしいのですが、コロナ禍の最中に達成時期を前倒しにしてくるとは・・・。

財政収支黒字化27年度に 最高税収で前倒しも目標届かず
 政府は21日、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化が2027年度になるとの見通しを発表した。20年度の税収が過去最高となったため、前回予想より2年前倒しした。目標の25年度にはなお届かない。かねて試算の甘さが指摘され、そもそも実現性は不透明。目標自体の3度目の先送り議論も避けられない情勢だ。
 同日夕の経済財政諮問会議で中長期の財政試算を示した。PBは国債に頼らず税収などで政策の経費をどの程度まかなえているかを示す指標だ。
 日本経済が長期デフレに入る前の姿を取り戻す前提の「成長実現ケース」では、27年度の黒字化を見込む。1月の前回試算の29年度から2年の前倒しとなる。現在の目標年限である25年度には国内総生産(GDP)比で0.5%(2.9兆円)の赤字が残る。
 政府は社会保障費の抑制などを進めれば目標達成も可能とみる。菅義偉首相は「歳出改革を続けていくことにより25年度に黒字化を実現する姿が示された」と話した(後略)』

 内閣府のHPには、未だに「中長期の経済財政に関する試算」の最新版が公表されていませんので、細かい分析はデータがアップされてから。


 日経の記事にあるように、成長実現ケースとは「日本経済が長期デフレに入る前」を意味している点がポイントです。


 具体的に、内閣府は実質GDP2%前後、名目GDP3.5%前後の成長率が続くことを想定しています。インフレ率がGDPデフレータベースで1.4%、CPIベースで2%前後。


 要するに、21年度以降に何らかの奇跡が起き、日本が完全にデフレから脱却すれば、「成長実現ケース」となり、27年度にPBが黒字化するとの試算になっているわけです。


 とりあえず、突っ込んでおくと、


1.PB黒字化とは民間赤字化であり、そもそも目標として掲げている時点で「狂気」としか表現のしようがない
2.本気でPBを黒字化するとなると、民間企業が莫大な負債拡大(及び投資拡大)をしなければならない。実際、バブルの時期は民間企業の負債拡大(=赤字拡大)により、政府のPBは黒字化した。
3.総需要不足の国において、PB黒字化目標で政府の財政拡大を抑制しつつ、いかにしてデフレ脱却するのか、意味不明
4.国民貧困化である社会保障費の抑制など「歳出抑制=総需要削減」政策が続き、ますます「成長実現ケース」から乖離していくことが目に見えている。


 と、なりますが、内閣府が試算が修正したのは、20年度の税収が「消費税」を中心に増加したためです。

 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

リクエスト多数につき再掲載!

作家・古代史研究家 長浜 浩明【日本人はどこからきたのか?】【邪馬台国はどこにあったのか?】

https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/


【日本の一般会計税収の推移(兆円)】


http://mtdata.jp/data_75.html#zeisyuu

 消費税収は、18年度が17.7兆円から、19年度が18.4兆円、20年度が21兆円と激増しました。
 なぜ、二段階にかけて消費税収が増えたのか。


 理由は、まずは19年度の増税が10月だったこと。19年度の消費税増収分は、半期分だけでした。20年度から始めて通期で増税分が上乗せされたのです。


 さらに、19年度にあったポイント還元制度が20年6月に終了。当時、わたくしは「これは再度の消費税増税だ!」と、批判していたのを覚えています?


 というわけで、20年度になり、いよいよ本格的に「安定財源」たる消費税の本領が発揮されたのです。結果、20年度の消費税は19年度比でも2.7兆円も増えた。


 増税をすれば、恐慌期であっても消費税収は増えることを、日本国は証明してしまった。これは、危険極まりない事態です。


 何しろ、PB黒字化目標を掲げる日本政府にとって、経済動向がどうであろうとも「増税すれば増収になる」消費税は、実に「美味しい税制」になってしまうのです。


 社会保障費の抑制と同時に、消費税増税の動きが始まる可能性は高いと思います。絶対に、阻止しなければなりません。


 まずは、とにもかくにもPB黒字化目標の破棄を。日本の復活は、PB目標破棄からしか始まらないのです。
 

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