SSブログ

9月9日(木) 自民党政治を終わらせ、青年の声が届く新しい政権を(その2) [論攷]

〔以下の論攷は、民主青年同盟の機関紙『民主青年新聞』第3095号、2021年9月6日付、に掲載されたものです。2回に分けてアップさせていただきます、〕

 立憲主義・民主主義の破壊と政治・行政の私物化

 立憲主義・民主主義の破壊と政治の腐敗、私物化も深刻です。これは政・財・官の構造的癒着によるもので、自公の長期政権が背景にあります。国会を軽視し、憲法53条に基づく臨時国会の召集要求を拒み、内閣人事局などで官邸支配を強めて忖度をはびこらせてきました。
 「森友・加計」学園疑惑や「桜を見る会」、河井夫妻の選挙違反事件や1憶5000万円の資金供与などの問題では嘘やごまかし、言い逃れが相次ぎ、公文書の隠ぺいや偽造まで行われました。「森友疑惑」での公文書改ざんについてはその経過を記した「赤木ファイル」が公表され、「桜を見る会」前夜祭をめぐって検察審査会が「不起訴不当」と議決し、東京地検特捜部は改めて起訴するかどうかを判断することになっています。
 菅首相にも息子の「接待疑惑」が発覚しました。総務省官僚の接待事件、菅原一秀前経済産業相の略式起訴、秋元司衆院議員のIR汚職事件での裁判、菅首相の地元に本社がある太陽光発電会社のテクノシステムによる詐欺事件などのスキャンダルも続発しています。
 菅首相の異論排除の姿勢も前政権と変わっていません。典型は日本学術会議の会員任命拒否です。一刻も早く排除した理由を説明し、任命し直すよう求めていく必要があります。学術や科学技術、専門家に対する菅政権の軽視はコロナ対策でも大きな問題を生んでいます。

 改憲の野望と軍事大国化

 安倍前首相は改憲を最大の課題とし、「96条改憲論」や9条への自衛隊明記など、手を変え、品を変えて改憲発議をめざしました。それでも支持が広がらず、挫折させたのは運動の力です。菅首相も改憲手続き法案を成立させて安倍改憲路線を引き継ぎました。その背景には支持率低下への焦りや改憲の野望に燃える極右層へのすり寄りがあるように見えます。
 外交・安全保障面で、安倍前政権は従米政策を続けて軍事大国化を目指しました。特定秘密保護法や集団的自衛権の一部容認を定めた戦争法の制定、国家安全保障会議(NSC)の新設、武器輸出三原則の撤廃に米国製兵器の爆買いなどを強行し、アメリカとともに海外で戦争する国づくりを進めてきました。
 なかでも際立つのが、沖縄県民の民意を無視した名護市辺野古での米軍新基地建設です。県知事選挙や県民投票などで何度も示された「ノー」の声を無視し、歴代政権ではじめて土砂投入を強行したのが安倍前政権でした。
 ロシアとの北方領土問題を解決できなかっただけでなく事実上の「2島返還論」に後退し、中国にたいしては覇権主義的な行動や人権弾圧などに毅然とした批判をできずにいます。韓国とは徴用工問題と貿易制限をめぐって戦後最悪の状態となり、北朝鮮の核開発とミサイル実験を「国難」宣伝に利用するばかりで、日本人拉致問題について新たな進展はありませんでした。
 菅政権でも軍事費を増やし続けるなど、このような軍事大国化をめざす外交・安全保障政策は継続されています。高まる米中対立で独自の役割をはたせず、日米共同声明で「台湾」に言及することで米国追随の姿勢を示し、戦争法によって自動的に自衛隊が巻き込まれる危険性を高めました。台湾周辺海域で米中両国が軍事衝突した場合、「台湾有事」が「日本有事」に直結するリスクが増しているからです。

 政権交代で「新しい政治」の実現を

 以上のような「安倍・菅政権」による「古い政治」を一掃し、「新しい政治」を実現する絶好のチャンスが、来るべき総選挙にほかなりません。総選挙で自公両党に厳しい審判を下し、野党連合政権を樹立することが必要です。そのための準備はすでにできています。
 市民と立憲野党の共闘が実現し、多くの経験を積み重ねてきました。戦争法成立直後に日本共産党が提唱した「国民連合政権」の樹立は、今では相当の現実性を帯びてきています。妨害と分断の動きが激しくなっているのは「夢物語」ではなくなってきたからです。
 あきらめずに声を上げれば社会は変わるし変えられます。今年に入っても、東京五輪組織委員会の森会長が女性蔑視発言で辞任に追い込まれ、その後の不明朗な後継者選びもやり直しになりました。このような実例が次々に生まれています。
 4月の北海道と長野、広島での補選や再選挙、7月の東京都議選などで自民党は敗北し、立憲野党が勝利しました。次の総選挙でも野党共闘で勝利し、新しい政府を樹立すること――それが夢ではなく、現実となる可能性が生まれています。そのためにも、市民と野党の共闘を選挙だけでなく政権をともに担うものへと高めていかなければなりません。
 政権交代のチャンスは間もなくやってきます。総選挙こそ、国民無視の「古い政治」を続けてきた安倍・菅政権に厳しい審判を下す機会となるにちがいありません。
 若者の力で新しい時代の幕を開こうではありませんか。未来は青年のものですから。

nice!(0) 

nice! 0