大前研一「ニュースの視点」Blog

KON856「新型コロナ感染者数/フランス情勢/新型コロナワクチン/デンマーク情勢/世界経済~各国の新型コロナ対応の状況」

2020年11月23日 デンマーク情勢 フランス情勢 世界経済 新型コロナワクチン 新型コロナ感染者数

本文の内容
  • 新型コロナ感染者数 世界の感染者数5366万人
  • フランス情勢 外出禁止期間を延長へ
  • 新型コロナワクチン 感染、発症防ぐ有効性が90%以上
  • デンマーク情勢 国内ミンク農場に殺処分命令
  • 世界経済 経済正常化へ期待膨らむ

新型コロナ感染者数、特に欧州で激増。各国がロックダウンなど対応


米ジョンズ・ホプキンス大学の統計によると、世界の新型コロナウイルスの感染者数が、15日に5366万1954人となったことがわかりました。

また、1日の新規感染者数は50万人を超えるなど、直近の2ヶ月間で倍増しており増加のペースが加速している現状です。

やや落ち着いていた死亡者数も、感染者数の急増に引きずられるように増加傾向になっています。

国別の傾向を見ると、米国、インド、ブラジルのトップ3は変わりませんが、欧州でも再び感染拡大が起こっています。

オーストリアは昼間のロックダウンも視野に入れた対策に乗り出すようです。

オーストリアでは今月から夜8時から朝6時までの夜間外出禁止措置を実施していましたが、感染拡大を止めることはできず、外出禁止を全日に拡大し、買い物や運動などの例外を除いて外出を禁止する見通しとのことです。

またフランス、スペイン、イギリス、イタリアでも爆発的に感染者数が増加していて、再度ロックダウンするのではないかと言われています。

フランスのカステックス首相は12日、新型コロナウイルスの第2波が収束する見通しが立たないとして、12月1日までとしていた外出禁止期間を延長する考えを示しています。

カステックス首相の発表によると、1日の新規感染者数が連日3~5万人で推移していて、先日は最大6万人に達したとのことです。

今年、フランス国内で亡くなった人の死因は「4人に1人が新型コロナによるもの」ということですから、かなり大きな影響です。




ファイザーのワクチン有効性90%以上は、一定の説得力がある


米製薬大手・ファイザーは9日、開発を進めている新型コロナウイルスのワクチンについて「臨床実験で感染、発症を防ぐ有効性が90%以上になった」とする暫定結果を公表しました。

安全性の深刻な懸念も見られないとし、11月中にも米FDA(食品医薬品局)に緊急使用許可を申請するとのことです。

今回のファイザーの発表には、なかなか説得力があったと私は思います。

副作用も出なかったそうですから、これは大きな前進だと思います。

症例数として十分な数とは言えませんが、FDAに申請するのも良いことだと思います。




デンマークのミンク感染に見る動物の怖さ


デンマークの毛皮農場で飼育されているミンクから変異した新型コロナウイルスが人に感染したことを受け、先月1日にデンマーク政府は、国内約1200箇所で飼育されている1500万匹のミンクをすべて殺処分する計画を明らかにしました。

しかし、感染していない農場にまで殺処分を命じる法的権限がないことが問題視され、政府はこの計画を撤回し、あらためて命令を可能にする法案を議会に提出する考えです。

ウイルスの媒体として、コウモリをはじめ様々な動物が介在していると言われています。

デンマークでは、「ミンクから人間に」「人間からミンクに」「ミンク同士が」感染する事態が一部の地域で観察されました。

全てのミンクを殺処分することについては、感染していないミンクを殺処分する法的権利がないということで保留となりましたが、難しい問題です。

今、日本でも香川県で鳥インフルエンザが流行して大変なことになっていますが、ほとんどが殺処分となっています。

ミンクについて研究が進まないと分からない部分は多いですが、中国から新型コロナウイルスが入ってきた原因は、おそらくミンクではなかったと思います。

動物は様々なウイルスを持っているので、今回のように大きな災いにつながることがあるので要注意です。




株式市場は先取りしているが、経済正常化まで1年は必要


日経新聞は11日、「経済正常化へ期待膨らむ」と題する記事を掲載しました。

10日の日経平均株価が6日続伸したほか、米ダウ工業株30種平均は史上最高値に迫る、と紹介。

新型コロナウイルスのワクチン開発が実用化に近づき、経済活動が正常化に向かう期待が高まっているもので、株価が大きく下落していた航空株や銀行株など、景気関連株にも資金が戻っているとしています。

確かにワクチンが普及して新型コロナウイルスの感染拡大が収まることになれば、航空業界、旅行業界など、あらゆるものが変化していくことになるでしょう。

株式市場は先取りが得意ですから、航空株がすでに戻りつつあります。

しかし、私は「まだ早い」と思います。

少なくとも約6割の日本企業は、業績が横ばいもしくは悪化しています。

新型コロナウイルス感染拡大の影響は、「少なくとも今後1年は続く」と判断しておいた方が良い、と私は見ています。




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※この記事は11月15日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています




今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?


今週は世界経済のニュースを大前が解説しました。

大前は、「ワクチン開発の進捗によって株式市場は経済正常化への期待を見せているが、まだ早い」「少なくとも約6割の日本企業は、業績が横ばいもしくは悪化しており、新型コロナウィルス感染拡大の影響は少なくとも今後1年は続くと判断した方が良い」と述べています。

新しい情報に飛びついてしまうことにより、正しい判断が出来なくなってしまう恐れがあります。

多様な情報やデータソースにあたることで、より精緻な予測が可能になります。

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