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6月6日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』6月6日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「小池都知事にはウンザリ 世にもバカバカしい東京アラート」

 東京都知事選(来月5日投開票)の18日告示まで2週間を切る中、都内では「東京アラート」が発動中だ。新型コロナウイルスの感染再拡大の兆候があるとして、都独自の警戒情報が2日に初めて出され、東京湾のレインボーブリッジや新宿の都庁が真っ赤にライトアップされている。

 それで、都民の暮らしが新たな制約を受けるのかといえば、何も変わらない。緊急事態宣言下のような「人との接触機会8割削減」を求められることもなければ、休校もない。休業要請解除に向けて都が策定したロードマップの段階も、1日に移行した「ステップ2」をキープ。アラート発動による変化といえば、「夜の街に繰り出すのは控えて」「3密は避けて」といった注意喚起が強まっただけ。小池知事は「仕事を続けていただくためにも、『新しい日常』やガイドラインに沿った事業を進めていただきたいという強い思いの表れだ」と言っていたが、かえって混乱している都民は少なくないんじゃないか。

■繰り広げられる「惨事便乗型選挙運動」

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)は言う。

 「東京アラートの発動は小池知事の“やってる感”の演出以外にほとんど意味がない印象です。再選をうかがう都知事選の告示が迫る中、コロナ対策に精いっぱい取り組んでいる姿勢をアピールしたいのでしょう。少なくない国民、都民が感染や生活不安を抱える中、不幸を利用した『惨事便乗型選挙運動』と言っていい」

 夜の街クラスターを諸悪の根源のようにあげつらうのだったら、「接待店」に補償を出せば済む話だろう。都は4月16日から5月25日まで休業要請に応じた店舗に感染拡大防止協力金を支給するため、「貯金」に当たる財政調整基金の95%近くを取り崩した。残金は500億円ほどで、ない袖は振れないと突っぱねているが、果たしてそうなのか。

 「実施延期で追加負担の懸念が高まっている東京五輪をめぐり、小池知事は簡素化に言及しましたが、なぜ当初から切り込まなかったのか。都の予算規模は北欧スウェーデンの国家予算に匹敵するほど。五輪費用をはじめとする不要不急の事業を削減し、予算を組み替えればコロナ関連の支援金は十分に捻出できるでしょう。本来は国がやるべきことではありますが、首都のトップとして感染リスクと倒産リスクの究極の選択を迫るのではなく、キチンとバックアップすべきです」(五十嵐仁氏=前出)

 一方、安倍政権は第2波に備えるとの名目で第2次補正予算案に予備費10兆円を計上。総額の3分の1を国会の承認を得ずに裁量支出できるようにしたのは、会期末の17日に国会を閉じるため。あまたの疑惑を抱える安倍首相が野党の追及から逃れるためだ。首都のトップも国のトップも頭にあるのは保身だけ。コロナを弄んでいるとしか思えない卑しい政治家ばかりじゃないか。

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