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「PB黒字化目標は民間赤字化目標 でしょ?!(前半)」三橋貴明 AJER2020.2.9

    

 

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大暴露!菅内閣の中小企業・地域経済潰しスキームの全容 [三橋TV第355回] 三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/nzKfpsmnEoI

 さて、土居丈郎がまたもや新たな財政破綻論を思いついたらしく、披露しています。


 PB赤字がリーマンショック期の二倍以上に膨らんでいるにも関わらず、金利は上がらず、インフレ率はマイナスというわけで、財政破綻論者たちは懸命にない頭を絞り、新たな破綻のレトリックを考え続けているのです。


 今回の破綻論は、
「短期国債が増えたので、財政は火の車!」
 というやつです。

2021年度予算、「短期国債が4割」の異常事態 短期債借り換えに奔走、コロナ対策の高い代償
土居 丈朗 : 慶應義塾大学 経済学部教授
 日本の財政は自転車操業状態に入りつつある。
 通常国会で審議中の2021年度当初予算案は、一般会計の歳出総額が106.6兆円にのぼる。税収等で63兆円を賄うが、43.6兆円もの国債を新規に発行し、財源を工面しなければならない。
 国債の大量発行は今に始まったことではないが、2021年度の予算案がこれまでと異なるのは、国債発行計画である。(後略)』

 内容的には、財務省がコロナ対策の国債発行で短期債の割合を増やしたことを受け、
「自転車操業だ」
 という、どうでも良い話です。


 例により「日銀が国債を買えば、終わりじゃん」で話が終わるのですが、今回の土居は、それに対しても反論してきています。しかも、「嘘のレトリック」で。

『(前略)民間金融機関が買わないなら日本銀行が買えばよいという主張もある。だが、財政法で日銀による国債の直接引き受けは禁止されている。まずは民間金融機関が国債を市中消化する必要があり、民間金融機関のニーズがなければ、国債は発行できない。
◆日銀は超長期国債に借り換えられるか
 日銀は買い入れている国債が満期を迎えたときに、超長期国債で借り換えてはどうか。それは、将来に大きな禍根を残す。
 日銀がなぜ国債を大量に買い入れているかという政策目的を忘れてはならない。それは、デフレ脱却のためである。デフレから首尾よく脱却できれば、日本経済はインフレ圧力にさらされる。そのインフレ圧力を日銀の金融政策で適切に調節して、物価上昇率が2%程度の緩やかなインフレになるようにすることを期待される。 
 市中に流通する通貨が過剰であれば、インフレ圧力が強まる。それを日銀が適時適切に吸収するには、日銀が保有する国債を市場で売って、民間が保有する通貨を吸収することになる。そのとき、日銀が売却する国債の大半が長い満期の国債だとどうなるか。(後略)』
 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】


現在、特別コンテンツ 【信じがたい歴史的真実!フランス革命とMMT(現代貨幣理論)】の一部をYoutubeで公開中!

https://youtu.be/j-lLu2feXfU

 

『市中に流通する通貨が過剰であれば、インフレ圧力が強まる。それを日銀が適時適切に吸収するには、日銀が保有する国債を市場で売って、民間が保有する通貨を吸収することになる』

 堂々と嘘をつくなよ!
 

 市中に流通する通貨とは、マネーストックを意味しているのでしょうが、日銀は現金紙幣(100兆円程度)を除き、1000兆円を超す銀行預金を「吸収」することなどできません。
 何しろ、手段がない。


 しかも、日銀が保有する国債を売ったところで、吸収できるのは日銀当座預金であり、銀行預金ではありません。
 日本銀行は、市中銀行の銀行預金口座を持っていないのですよ。

「銀行口座を持っていない人は、銀行預金を使えない」

 と、「貨幣の種類」について説明したりしますが、実は日銀も同じなのです。

 

 ちなみに、「市中に流通する通貨とは、日銀当座預金のことだ」といった言い訳はできません。何しろ、「インフレ圧力」という言葉を使っている。財やサービスを買えない日銀当座預金を増やしたところで、市中の需要が高まらない限り、インフレにはならない。


 というか、2013年以降、すでに日銀は日銀当座預金を400兆円以上も増やしています。それにも関わらず、インフレ率はマイナス。


 つまりは、土居は「市中に流通する通貨」という表現で、マネーストックの話をしているのです。


 繰り返しますが、日銀が銀行預金という(主たる)マネーストックを「吸収」することは不可能です。
 

 もちろん、預金準備率を変えることで、銀行の貸出を抑止することはできますが、「国債を売って吸収すること」はできません。


 要するに、土居の頭の中は完全に「貨幣のプール論」「モノ・マネー論」になっているのです。
(モノ・マネー論:実際には多くの種類がある貨幣について、一種類しかないと思い込み、持論を展開すること)
 

 あのね、とりあえず土居はマネタリーベース(日銀当座預金、現金紙幣、硬貨)とマネーストック(主に銀行預金と現金紙幣)の違いを勉強することから始めなよ


 今まで、
「土居は理解していて、嘘を言っているのか?」
 と、疑問に思っていたのですが、今回で分かりました。
 

 土居は貨幣について基本すら理解していない。
 

 土居は嘘つきというよりは貨幣に関して「無知」なのです。


 まあ、無知であったところで罪が減じられるわけではありません。嘘つきの、あるいは無知の財政破綻論者たちは、ことごとくご退場頂かなければ、我が国の亡国は回避できません。
 

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