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令和の政策ピボット呼びかけ人に、高橋あさみ様(私立Z学園高等学校 1年4組 16歳)が加わって下さいました。

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三橋TV第218回【中国とウォール街の欲望 なぜWHOはパンデミック宣言を遅らせた?】
 
 疫病は、歴史を大きく変えます。恐慌もまた、歴史を大きく変えます。

 そして、今、人類は疫病と恐慌という二つのリスクに襲われた状況にあります。

 ここで、改めて強調しておきたいというか、今後の日本国の運命に関わる「原則」を掲げておきましょう。厳密には、これらを国民や政治家が理解するかどうかで、繁栄なのか、亡国なのかが決まるのです。
 
【国民経済の五原則】
一.国民経済において、最も重要なのは「需要を満たす供給能力」である。
二.国民経済において、貨幣は使っても消えない。誰かの支出は、誰かの所得である。
三.国民経済において、誰かの金融資産は必ず誰かの金融負債である。
四.国民経済において、誰かの黒字は必ず誰かの赤字である。
五.現代において、国家が発行する貨幣の裏づけは「供給能力」である。
 
 まあ、原則とはいっても、GDP三面等価と同じで、単なる「事実」の説明なのですが、これを日本国民のほとんどが理解していない。結果が、現在の惨状ですわ。

 社会保障について聞かれるたびに、わたくしは繰り返し、
日本の社会保障はカネの問題ではない。カネが問題だというならば、中央政府なり中央銀行なりが発行すれば、それで済んでしまう。そうではなく、高齢者などが財を買おう、医療サービスを受けようとした際に、供給能力が足りず、提供されなくなることが社会保障の問題なのだ。つまりは、社会保障とは供給能力が総需要に対して大きく不足する、インフレリスクの問題なのだ」
 と、十年前くらいから言い続けてきましたが、誰も理解してくれませんでした。というか、賛同の声を聞いたことが一度もないのです。
 
参考【インフレギャップとデフレギャップ】

 
 とはいえ、もう分かりましたよね。
 カネなんざ、政府や中銀の「意思」だけで発行できる(これをやろうとしない日本の政治家は問題ですが)。

 それに対し、財やサービスの生産能力、供給能力は、これは長期の投資(公共投資、設備投資、技術投資、人材投資)なしでは蓄積されない。

 そして、各種の資本の投入(投資)が足りず(資本蓄積が足りない、と表現します)、供給能力が総需要に対して大きく不足し、恒常的に高インフレにならざるを得ない国が発展途上国です。

 それに対し、国民の需要を「国内の供給能力」で満たせれば満たせるほど、経済力が大きい、あるいは「先進国」と表現するのですよ。

 日本国は97年のデフレ化以降、誰もが(政府までもが!)
「カネ、カネ、カネ」
 となり、肝心かなめの供給能力を毀損することを続けてきた。特に、医療や食料など、人間が生きていく上で必須の生産まで、
「んなものは、外国の安い国から勝ってくればいいんだよ」
 といったノリで安全保障をぶち壊してきた。

 さあ、もう分かったでしょ。カネ、カネ、カネと、非常時に我々を救う余裕までをも「ムダ」とレッテル貼りし、削減してきた結果、どうなった?
 
『「医療危機的状況宣言」日本医師会が発表
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本医師会は、医療現場が危機的な状況に陥りつつあるとして、「医療危機的状況宣言」を出しました。
 医療現場としては、現在の状況、医療危機的状況宣言としていいのではないか。医療従事者が全力で取り組む中、国民の皆様にも適切な受診、行動をお願いしたい」(日本医師会 横倉義武会長)
 宣言では、「医療従事者が新型コロナウイルスに感染すれば医療現場から離脱せざるを得なくなり、国民に適切な医療を提供できなくなる」との懸念を示した上で、一部地域では病床が不足しつつあるとして「感染爆発が起こってからでは遅く、今のうちに対策を講じなくてはならない」と呼びかけました。』
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※ノンフィクション作家「河添恵子」先生との対談「歴史から学ぶ中国と中国人の本質」が視聴可能となりました。

 

 日本集中治療医学会の、【新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する理事長声明】によると、日本は緊縮財政でICUのベッド数を減らし続けてきた結果、イタリア以下になってしまっています。

 

『イタリアでは3月31日の時点で感染者105,792人に対して死者約12,428人であり死亡率は実に11.7%と急増しております。一方でドイツでは、感染者約71.808人に対して死者は775人に留まり、死亡率は1.1%です。この違いの主なものは、集中治療の体制の違いであると考えます。ICUのベッド数は、ドイツでは人口10万人あたり29~30床であるのに対し、イタリアは12床程度です。ドイツでは新型コロナウイルス感染症による死亡者のほとんどはICUで亡くなるのに対し、イタリアでは集中治療を受けることなく多くの人々が亡くなっているのが現状です。イタリアは高齢者が多いことも死亡者が多いことの原因と考えられますが、日本ではイタリアよりも高齢化が進んでいるにもかかわらず、人口10万人あたりのICUのベッド数は5床程度です。これはイタリアの半分以下であり、死者数から見たオーバーシュートは非常に早く訪れることが予想されます。』
 
 さらに、
 
新型コロナ拡大で食料生産国 自国優先し輸出制限
 新型コロナウイルスの感染が世界規模で広がる中、世界の食料貿易に影響が出始めた。大規模な移動規制や物流混乱の広がりを受け、一部の国が小麦や米などで輸出制限措置を導入した。穀類の国際相場は上昇基調になっており、緊急時に自国の食料をどう確保するかが問われそうだ。(後略)』
 
 食料自給率の低下について、
「外国の安い国から買えばいいよ」
 などと、安全保障の「あ」の字も知らないで主張していた人々
は、どうするのでしょうか。

 恐慌とは、もちろん「超デフレーション」ですが、疫病はインフレリスクです。そりゃまあ、人口の減少以上に供給能力が毀損するため、必然、そうなります。
 
 つまりは、我が国は超デフレーションと、財・サービスの不足という二つのリスクに同時に直面していることになります。
 
 こんなもの、民間で解決できますか?!
 
 というよりも、こういう非常事態があるからこそ、政府が「パワー」を発揮しなければならないのです。具体的には、昨日のエントリーにも書きましたが、最低限、
● 日本国に住所を持つ全「住民」に、一律10万円以上の給付金を「手続きなし」で配布する 
● 消費税率0%を直ちに決断し、準備にかかる(6月1日スタート) 
● 無条件の粗利補償
  を即断し、継続的な給付で所得面の安心感を与え、中長期的に医療サービスを強化しつつ、
「国民は家に閉じこもって移動するな! 所得は、政府が何とかするから」
 をやるしかないのです(法律的に外出禁止にするのは、もはや間に合わないでしょう。手厚い所得補償と外出自粛の「要請」しかありません)。

 そして、上記が日本にとって「普通にできる」政策であることは、冒頭の【国民経済の五原則】を理解すれば誰にでも分かるのです。
 
 その上で、懸命に働き、財やサービスを生産する「国民」こそが日本国にとっての国富であるという、当たり前のことを思い出すのです。別に、抽象的な話をしているわけではなく、国富統計のメインである生産資産は、国民が働かないことには生産されない「国の富」なのです。
 
 真の意味における国富の中核、日本国民を守るために、今、政府の政治的なパワーが必要なのです。
 
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