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「変わる世界の経済学変わらない日本の経済学」(前半)三橋貴明 AJER2020.3.23

    

 

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たかだか「主流派経済学の間違い」により国を滅ぼされてたまるか![三橋TV第378回] 三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/hYgp14Tdm1I

 さて、昨日、MMTと固定為替相場制の話をしました。MMTは、あくまで変動為替相場制の主権通貨国の「現代の貨幣」の理論になります。


 逆に言えば、固定為替相場制の国は通貨の主権を持っていません
 

 それはそうでしょう。


 昨日も例に出しましたが、日本が対ドル固定為替相場制を採っていた場合、金融政策はアメリカに引きずられることになります。アメリカが利上げをしたにも関わらず、日本の金利が低いままでは、円からドルへの両替が激増し、固定為替相場制は成り立ちません。
 

 多くの人が勘違いしているように思えますが、固定為替相場制は、
「本日から日本円とドルのレートを、1ドル=100円とする!」
 と、政府が宣言すれば成立するわけではありません。為替市場で、日本政府が常に「為替介入」を継続し、1ドル=100円を維持するのです。


 というわけで、日米金利差により「日本円⇒ドル」の両替が増えると、日本政府は外貨準備(ドル)で日本円を買い戻し、1ドル=100円を維持しなければならなくなります。


 貿易黒字国(厳密には経常収支黒字国)の場合、為替介入のための外貨は増えていきますが、貿易赤字国はそうはいきません。
 

 貿易赤字国の多くは、極端に供給能力が不足している。国内経済はインフレ率が高く、変動為替相場制を採用すると、為替レートが下がり、輸入物価がひたすら上がっていく。(益々インフレ率が上昇する)


 となると、固定為替相場制を採るしかないわけですが、そのためには外貨が必要。とはいえ、貿易赤字なわけで、実体経済から外貨を得ることはできない。


 だからこそ、政府が「外貨建て国債」を発行することになるわけです。


 外貨建て国債は、デフォルト(債務不履行)の可能性がある。


 MMTが「変動為替相場制の独自通貨国」を主権通貨国と定めているのは、そのためです。固定為替相場制の国や、外貨建て国債を発行せざるを得ない国は、通貨主権がないのです。
 そして、先進国が集まり、わざわざ通貨主権を放棄した国々が、ユーロ加盟国なのです。

『[FT]IMFがユーロ圏に提言「政府支出の増額を」
 ユーロ圏諸国は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の経済的影響を軽減するために、向こう1年間で国内総生産(GDP)比3%の政府支出を積み増すべきだ――。国際通貨基金(IMF)が14日、提言した。
 ユーロ圏19カ国は、ワクチン接種の遅れや長引くコロナ対策のロックダウン(都市封鎖)、米国より規模が小さい財政刺激策に足を引っ張られ、主要貿易相手国より鈍いペースで回復すると予想されるとIMFは警告した。
 また、欧州の先進国は追加の財政支援の規模を2020年のGDP比7.5%から今年の約6.5%に縮小する見込みだとIMFは語った。(後略)』
 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

お待たせいたしました。【三橋貴明×関良基】歪められた「開国」の歴史 後編〜日本が清・インドのように植民地にならなかった本当の理由 が公開になりました!

https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

 

 最近、日経のWEBに、日経や財務省が嫌がるFTの記事が載って面白いのですが、まあ、日経傘下企業なのだから、仕方がないですね。


 ユーロ圏は、加盟国が互いに固定為替相場制を維持することで、共通通貨ユーロを成立させています。
 

 というわけで、加盟国は金利を合わせなければならず、
「ドイツの経済を救うために、低金利政策を取ったら、不況でも何でもない南欧諸国やアイルランドが異様な低金利になり、バブルが膨張した」
 といった問題が発生します(2000年代)。


 さらには、コロナ恐慌といった非常事態に、対応が難しい。
 

 IMFは、ユーロ経済について、
「複数の経済国で金利が下限に近い水準にあるなか、金融政策がGDPを押し上げる効果が薄れている。それだけに、財政政策が次第に大きな役割を担う必要がある」
投資を刺激し、雇用創出と再配置を円滑化する財政措置は回復をスピードアップさせる」
 と、指摘しています。

 

 さらに、前の専務理事、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、ユーロ圏経済を集中治療室から出てきたが、まだ二本の松葉づえをついている患者だとして、
「患者が実際にしっかり歩けるようになるまでは、財政と金融のどちらの松葉づえも外したくない。しっかり歩けるようにすることは、回復期に入っても当面支援を続けることを意味する」
 と、語っています。


 つまりは、昨日のパウエル議長と同様、あのユーロ圏ですら、中央銀行総裁が、「財政を拡大せよ」と主張しているわけです。


 我が国には、ユーロとは異なり通貨主権があります。それにも関わらず、「財政拡大」という正しい政策を取れない。国民が声を出すしかありません。当たり前のことすらできない国が、危機の時代に生き残れるはずがないのです。

 

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