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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

G20首脳会談の真っ最中にロシアがウクライナに最大規模のミサイル攻撃。ウクライナの迎撃ミサイルがポーランドを誤爆し死者を出し、一時は世界大戦の危機に。双方を説得して停戦交渉をさせるべき時だ。

2022年11月17日 | ロシアによるウクライナ侵略

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 2022年11月15日から16日まで、インドネシアでG20サミット首脳会談が行われ、ロシアのラブロフ外相も初日は参加していました。

 

 

 そして、どんな議論がなされどんな宣言が出されるかが注目されている最中、その初日の15日にロシアが2月24日のウクライナ侵略開始以来最大規模のミサイル攻撃をウクライナ全土に仕掛けたのですから、

「ウクライナでの戦争についてほとんどの国が強く非難するとともに、人々に多大な苦痛をもたらし世界経済のぜい弱性を悪化させている、と強調した」

という宣言になったのは当然です。

 ロシアの攻撃によってウクライナのエネルギー施設15か所が被害を受け、700万世帯が一時停電し、計約2000万人に影響が出たということですから、これから冬に向かうウクライナ市民を苦しめるロシア軍の攻撃はどれだけ非難されても仕方ないでしょう。

国際司法裁判所がロシアに対し、ウクライナでの軍事行動を即時停止するよう命じる仮保全措置命令(法的拘束力あり)。「ロシアによる武力行使は国際法に照らして重大な問題を提起しており、深い懸念を抱く」

ロシア軍によるウクライナ侵略から半年。市民の死者は5500人以上、子どもたちの死傷者1000人、兵士の死者両軍合わせて3万人?戦争は始まったら容易に止められない。軍隊があっても戦争は止められない。

 

 

 そして、ポーランド外務省によると、ロシア製のミサイルがウクライナ国境から約6キロ離れた東部のプシェボドゥフに現地時間の11月15日午後3時40分に着弾し、2人が死亡した、という突発的な大事件が起こり、世界に緊張が走りました。

 ポーランドはNATO(北大西洋条約機構)に加盟しており、同条約5条は1国が攻撃されればNATO全体で反撃するという集団的自衛権を柱とする集団安全保障体制を取っているわけですから、これがロシア軍によるポーランド攻撃ならロシアとNATOの間で第三次世界大戦の引き金にもなりかねないからです。

 

 

 ポーランドはNATO条約4条に基づき加盟国との協議を要請し、インドネシアに集まっていたG7とNATO首脳は16日に緊急会議を開きました。

 このミサイルについてはNATOの航空機がレーダーで追跡していたそうで、バイデン米大統領は事件後数時間後の段階から、ロシアから発射されたミサイルでない可能性を示す予備的情報があると述べていました。

 そして現在のところ、ウクライナが使用しているロシア製の迎撃ミサイルが誤ってポーランドに着弾したというのがNATOの見解です。

 

 

 バイデン大統領の冷静な態度はロシア側も珍しく賞賛するほどでしたし、被害を受けたポーランドも対ロ強硬派であるアンジェイ・ドゥダ大統領はすぐに閣僚会議を開催し、ミサイルは「ロシア製の可能性が高い」としつつ、

「われわれは冷静に作業を進めている」

として国民に慎重な対応を求めており、NATO側がロシアとの戦争だけは避けようとしていることが明らかです。

 

 

 他方、ウクライナのゼレンスキー大統領と言えば、全土をまた攻撃されたばかりですから無理もないとはいえ

「今日、私たちがずっと警告してきたことが起こった」

「NATO領内へのミサイル攻撃はあり得るのだ。それは集団防衛へのロシアのミサイル攻撃である。

 それは非常に重大なエスカレーションだ。行動せねばならない」

と集団的自衛権行使を促すような発言をしました。

 

 

 そして、NATOがウクライナの迎撃ミサイルがポーランドに着弾したという見解を取った後の16日にも、謝罪するどころか、テレビ演説でまだ、

「これが私たちのミサイルでないことは疑いない」

「私たちの軍の報告から、ロシアのミサイルだったと信じている」

と言い募っています。

 

 

 もちろん、今回のポーランドの被害がたまたまウクライナの迎撃ミサイルによるものだったとしても、NATOのストルテンベルグ事務総長が

「はっきりさせたいのは、ウクライナの責任ではないということだ」

「ロシアが責任を負う。なぜならこれは進行中の戦争と、昨日のロシアからのウクライナに対する攻撃による直接的な結果だからだ」

と言っているように、責任の大半は侵略戦争を始め、今回もウクライナ市民に無差別攻撃をしたロシアにあります。

 ロシアがミサイル攻撃をしなければ、ウクライナも迎撃ミサイルを撃つことはなかったわけですから。

ウクライナ戦争「どっちもどっち」論には道理がないとする日本共産党の立場は至当。侵略しているロシアの行為の違法性こそ著しく重大。そこから議論を始めない橋下氏らがロシア擁護派とされるのは当然だ。

「NATOの東方拡大」はプーチン大統領によるウクライナ侵略の「動機」ではあり得ても、ウクライナ戦争の「原因」とは言えない。ウクライナ戦争の原因はロシア軍によるウクライナ侵略以外にあり得ない。

プーチン大統領によるウクライナ4州の併合条約調印に対して、ゼレンスキー大統領がNATO加盟手続きを加速する申請書に署名。この非は一方的にロシアにあり、プーチン大統領がまず4州併合を撤回するべきだ。

 

 

 そして、オランダのルッテ首相もツイッターに

「一つ明確な点がある。ロシアのウクライナに対する恐ろしいミサイル攻撃がなければ、これは起きていなかったということだ。我々はロシアの侵攻に対する防衛でウクライナを支援し続ける」

と投稿しています。

 それにしても、ロシアがポーランドを攻撃したからNATOに反撃しろとけしかけ、自国のミサイルだという疑いが濃くなってもロシアのミサイルだと言い募ってポーランド市民に謝罪もしないでいるゼレンスキー大統領とウクライナが、国際的信用を大いに落としたのは間違いありません。

戦争当事者のウクライナのゼレンスキー大統領に日本の国会で演説させるのは、憲法9条を持つ平和国家日本として非常に危険。「参戦」を求めてくる同大統領の「煽り」に浮足立つくらいなら今からでも断るべきだ。

 

 

 いま、ウクライナはロシアに併合宣言されていたヘレソン州を奪回するなど押し気味とされていますが、米軍の制服組トップのミリー統合参謀本部議長は、ウクライナが目指す

「軍事力によるロシア軍のウクライナ国外への物理的な駆逐は、極めて困難な任務」

であり、近いうちに達成される公算は小さいとの見方を示しています。

 他方、ミリー氏は

「ロシア軍は非常に痛手を被っている。交渉というものは自分たちが強く、相手が弱い立場にあるタイミングで行うのが望ましい。そうすれば恐らく、政治的な解決策が見つかるだろう。今言えるのは、その可能性があるということだ」

として、ウクライナ側からの停戦交渉を持ち掛ければ政治的に解決し得るという可能性に言及しました。

 

 

 もちろん、和平交渉ですから、侵略したロシアはもちろん、ウクライナも妥協は必要です。

 そして、ウクライナの戦闘継続を可能にしているのはひとえにアメリカを中心とするNATO側の軍事援助ですから、ウクライナを説得できるのはアメリカしかありえません。

 他方、G20にあわせて中国の習近平国家主席と会談したというフランスのマクロン大統領が

「中国は今後数か月、われわれと共に仲介役としてより重要な役割を果たすことができる」

と言っているように、ロシアを説得して和解の席につかせられるのは、ロシアとの貿易を急拡大してロシアを助けている中国しかありません。

 今回のポーランドへのミサイル着弾は、G7とNATO首脳がインドネシアで緊急会議を開いたように、全世界の肝を冷やしました。

 これを不幸中の幸いとして、米中が協力してロシアとウクライナの戦争を和平に導けたら、それこそが世界の緊張緩和をもたらすきっかけにさえなりうるのです。

11月16日にインドネシア・バリ島で会談したマクロン大統領と習近平国家主席。

ロシアが方針転換して再びウクライナの穀物輸出に同意!さらにウクライナが「汚い爆弾」を準備しているという説も放棄。国際社会がロシアに道理を通させる道はある。

 

問題はウクライナ戦争でアメリカの軍需産業は大儲け、中国もロシアに頼られてコロナ禍の中で経済的に一息付けているので、戦争が継続したほうが短期的・経済的にはいい面があることです。

しかし、ポーランドへのミサイル着弾事件には誰もが緊張したはず。

ピンチをチャンスにしてほしいし、望んでも虚しいかもしれませんが、今夜習近平氏と会談する岸田首相には何かそのためのアクションを起こしてほしいものです。

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インドネシアで開かれていたG20サミット=主要20か国の首脳会議は16日、首脳宣言を採択して閉幕しました。

宣言は、ウクライナ侵攻をめぐり欧米とロシアなどそれぞれの主張を盛り込み、合意を優先させた形で、各国の対立や世界の分断は今後も続くことになります。

インドネシアのバリ島で15日から2日間開かれたG20の首脳会議には、アメリカのバイデン大統領や中国の習近平国家主席など先進国と新興国の首脳やロシアのラブロフ外相などが参加しました。

会議では、軍事侵攻やロシアへの経済制裁をめぐり欧米とロシアが激しく対立しましたが、各国間の調整の末16日、首脳宣言を採択し、閉幕しました。

宣言では「ウクライナでの戦争についてほとんどの国が強く非難するとともに、人々に多大な苦痛をもたらし世界経済のぜい弱性を悪化させている、と強調した」などと明記しました。

一方、ロシアに対する経済制裁やウクライナ情勢について「ほかの見解や異なる評価があった」として、ロシアや経済制裁を行っていない一部の国の立場も踏まえました。

今回の首脳宣言は、ウクライナ情勢で立場が異なる各国それぞれの主張を盛り込み、合意を優先させた形で、ロシア大統領府も宣言の内容を評価しています。

議長国インドネシアのジョコ大統領はウクライナ侵攻後、初めての開催となった首脳会議について「ウクライナでの戦争をめぐり非常に厳しい議論が交わされた」と述べた一方、宣言を採択できたとして成果を強調しました。

しかし、ウクライナ侵攻やロシアへの経済制裁をめぐる各国の対立や世界の分断は今後も続くことになり、G20のあり方に課題を残す結果となりました。

ロシア「バランスの取れた内容になるよう力尽くした」

ロシア大統領府のペスコフ報道官は16日、G20サミットで採択された首脳宣言に、ウクライナ情勢をめぐるロシアの立場が盛り込まれたことについて、満足していると評価しました。

そのうえで「バランスの取れた内容になるようロシア外務省が力を尽くした」と述べました。
 

 

最大規模攻撃でウクライナ700万世帯一時停電…ロシアが国内の不満の沈静化狙ったか

 【リビウ(ウクライナ西部)=尾関航也】ウクライナの大統領府副長官は15日、同日のロシア軍によるウクライナ全土への大規模なミサイル攻撃で、エネルギー施設15か所が被害を受け、700万世帯が一時停電し、計約2000万人に影響が出たと明らかにした。国営電力会社ウクルエネルゴは16日、「今後数日間、困難な日々が続く」と指摘し、広範囲で計画停電を余儀なくされるとの見通しを示した。

15日、ロシア軍のミサイル攻撃を受けたウクライナの首都キーウの住宅(ロイター)
15日、ロシア軍のミサイル攻撃を受けたウクライナの首都キーウの住宅(ロイター)

 15日のロシア軍の攻撃は、2月24日に始まったウクライナ侵略で最大規模となった。ロシア国内では、一方的に併合したウクライナ南部ヘルソン州で、ロシア軍部隊をドニプロ川西岸から撤退させたことに批判が噴出しており、大規模攻撃で不満の沈静化を図る狙いもあったとみられている。

 エネルギー関連施設が被害を受けたウクライナ西部リビウでは15日夜、市内の広いエリアで停電し、市街地は暗闇に包まれた。電話やインターネットも遮断され、長距離バスターミナルでは人々が真っ暗な待合室で途方に暮れていた。信号機が点灯しなくなった幹線道路の交差点では警察官が車を誘導した。

 地元メディアによれば、リビウ一帯のエネルギー関連施設3か所が大きな打撃を受け、一時70万世帯が停電した。

 

 

[16日 ロイター] - ポーランドのウクライナ国境近くに15日着弾したミサイルについてAP通信は16日、米当局者が明らかにした初期段階の情報として、ロシアのミサイルを迎撃するためウクライナ軍が発射したミサイルの可能性があると伝えた。

バイデン米大統領はこれより先、北大西洋条約機構(NATO)が調査しているが、ロシアから発射されたミサイルでない可能性を示す予備的情報があると述べていた。

 

 

NATOと主要国首脳、ミサイル着弾受け緊急会合開催


ロイター編集

[ワルシャワ 16日 ロイター] - ポーランドのウクライナ国境付近にミサイルが着弾したことを受け、主要国首脳と北大西洋条約機構(NATO)は16日、緊急会合を開いた。


ポーランド外務省によると、ロシア製のミサイルがウクライナ国境から約6キロ離れた東部のプシェボドゥフに現地時間15日午後3時40分に着弾し、2人が死亡した。

ポーランドはNATO加盟国。同条約の5条は、一つの加盟国に対する攻撃をNATO全体への攻撃とみなし、加盟国は攻撃された国の防衛義務を負う集団的自衛権を定める。今後、ロシアとウクライナの紛争が他の地域に拡大する恐れがある。

20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するためインドネシアのバリ島に集まった主要国の首脳らは、ポーランドでの爆発を受けて緊急会合を開催。

外交筋によると、ポーランドはNATO条約4条に基づき加盟国との協議を要請。さらに、モラウィエツキ首相は一部の軍隊の準備態勢を強化していると明らかにした。

モラウィエツキ首相は国民に冷静さを保つよう呼びかけ、ドゥダ大統領は、着弾したロケット弾を誰が発射したか決定的な証拠はないと指摘。政府は冷静に対応しており、ミサイル着弾は1度限りの出来事だとした。

バイデン米大統領はドゥダ大統領と電話会談し、米国はNATOにコミットしており、ポーランド政府の調査を支援すると述べた。

ミサイル着弾については、AP通信が15日、米情報機関当局者の話として、ロシア軍によるウクライナへのミサイル攻撃が国境を越えて、隣接するポーランド東部の村に着弾して2人が死亡したと報じていた。

ドイツとカナダは状況を注視しているとし、欧州連合(EU)、オランダ、ノルウェーはより詳細な情報を収集しているとした。マクロン仏大統領はこの件を検証するよう指示した。

また、スナク英首相はツイッターに「英国はポーランドとの連帯を改めて示し、犠牲者に哀悼の意を表した」と投稿した。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアのミサイルがNATO加盟国のポーランドを攻撃したとし、紛争の「著しいエスカレーション」だと述べた。

ロシア国防省は、ロシアのミサイルがポーランド国内に着弾したという報道を否定。「状況を悪化させることを意図した挑発」とし、ウクライナとポーランドの国境近辺の目標への攻撃はロシアによるものではないとした。

 

 

米国防総省で行われた記者会見で発言するミリー統合参謀本部議長=16日、米バージニア州アーリントン/Alex Wong/Getty Images

(CNN) 米軍の制服組トップのミリー統合参謀本部議長は、ウクライナが目指す「軍事力によるロシア軍のウクライナ国外への物理的な駆逐は、極めて困難な任務」であり、「近いうちに」達成される公算は小さいとの見方を示した。

16日の記者会見で述べた。ミリー氏によれば、ロシアは現在ウクライナ全土の約20%を占領。ウクライナはヘルソンとハルキウを奪還しているが、「全体に比べれば領域として小さい」という。

その上で、ウクライナの軍事的勝利を同国全土からのロシア軍の駆逐だと定義すれば、彼らがクリミア半島として領有を主張する地域も含め、近いうちにそれが達成される可能性は高くないとした。

ただし「政治的な解決策はあるかもしれない。政治的にロシア軍が撤退する方法だ」とも指摘した。

「ロシア軍は非常に痛手を被っている。交渉というものは自分たちが強く、相手が弱い立場にあるタイミングで行うのが望ましい。そうすれば恐らく、政治的な解決策が見つかるだろう。今言えるのは、その可能性があるということだ」(ミリー氏)

CNNが以前報じたところによると、ミリー氏が外交的な成果を強く求める姿勢を見せたのを受け、バイデン政権はウクライナ政府や外部の専門家、米国の元当局者らに対し、ウクライナ側に向けてロシアとの交渉を直ちに迫ることはないとの確約を余儀なくされていた。

 

 

2022年11月17日

BBC Missile blast crater

画像提供,REUTERS

 
画像説明,

ポーランドに着弾したミサイルで地面に大きな穴ができ、車両が破壊された

 

ポーランド東部に着弾し死者2人を出したミサイルについて、北大西洋条約機構(NATO)がウクライナによって発射されたとの見方を強める中、ウクライナは16日もロシアが発射したとの主張を続けた。

NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長はBBCの取材で、ウクライナ国境に近いポーランドの村に15日に着弾したミサイルは「ウクライナの防空ミサイルの可能性がかなり高い」と述べた。

ただ、究極的に責めを負うのはウクライナ侵攻を続けているロシアだと、ストルテンベルグ氏は強調した。

NATOは集団安全保障体制をとる西側の軍事同盟で、ポーランドも加盟している。

同国のアンジェイ・ドゥダ大統領はこれまで、問題のミサイルはロシア製のS-300だった可能性が高いが、ロシア側によって発射された証拠はないと述べている。

一方、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はテレビ演説で、「これが私たちのミサイルでないことは疑いない」と主張。「私たちの軍の報告から、ロシアのミサイルだったと信じている」と述べた。

ゼレンスキー氏はまた、NATOなどによる調査にウクライナの参加が認められるのは不可欠だと訴えた。

今回のミサイルによる爆発は、ウクライナ国境から6キロのプシェヴォドフ村の農場で15日午後に発生した。この日、ロシアは2月24日の侵攻開始以降で最大規模とみられるミサイル攻撃を実施。ウクライナの防空システムが起動した。

ロシアはミサイル数十発を発射し、ウクライナはそのほとんどを撃墜したという。

Map

NATO事務総長の説明

ストルテンベルグ氏はBBCの取材で、NATOがウクライナに「より高度な防空システム」の供給を約束したと話した。ウクライナは加盟国ではないが、NATOは同国に大規模な軍事支援をしている。

ストルテンベルグ氏は、ポーランドにミサイルが着弾したことについて、「今後、今回のような事態を防ぐには、ロシアが戦争をやめることが一番だ」と述べた。

同氏はまた、「ロシアからの意図的な攻撃だと示すものはない」と説明。一方で、「もしロシアが、この戦争で何度も行ってきたように、ウクライナ各地の都市に一連のミサイル攻撃を昨日、実施していなければ、今回の事態は起こらなかったはずだ。そのため、ロシアに責任があることは疑いない」と付け加えた。

ロシアとウクライナによる和平交渉の可能性については、これまでの試みから、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領には「妥協や交渉をする意志がない」ことが明らかになっていると、ストルテンベルグ氏は述べた。

「プーチンとロシアが戦いをやめれば平和になるが、ゼレンスキーとウクライナが戦いをやめればウクライナは独立した主権国家としての存在が終わる。そのことを、私たちは理解する必要がある」

米軍トップが「政治的解決」に言及

米軍の制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長は16日、「ロシアが政治的に(ウクライナから)撤退するという政治的解決」があり得るとの見方を示した。

国防総省での記者会見でミリー氏は、ウクライナがこのところ反転攻勢に成功しているものの、同国が早期に軍事的に勝利する可能性は低いと警告。

「ウクライナ軍の勝利を、クリミアを含むウクライナ全土からロシア軍を追い出すことと定義した場合、近いうちに実現する確率は、軍事的に高くはない」と述べた。

<解説> NATOの亀裂が明らかに――ジェイムズ・ランデール外交担当編集委員

ポーランドに着弾したミサイルについて、ウクライナのゼレンスキー大統領は「(欧州・大西洋)集団安全保障に対するロシアの攻撃」と非難。ドミトロ・クレバ外相も、ウクライナが発射したとするのは「陰謀論」だと述べた。どちらの主張にも、根拠はないとみられている。

このような発言は、一部の西側外交官の忍耐力を削り始めている。ウクライナ側の時に過激な言葉や要求が、西側同盟国の間の「ウクライナ疲れ」を悪化させるのではないかと、懸念されている。

ロシアと国境を接するバルト諸国は、素早くNATOの集団防衛を呼びかけた。リトアニアのギタナス・ナウセダ大統領は、「NATO領土は1インチといえども守らなくてはならない!」とツイート。ラトヴィアのアルティス・パブリクス国防相は、NATOがポーランドと「ウクライナ領の一部」にさらなる防空を提供してはどうかと示唆した。エストニアのカヤ・カラス首相は、西側がウクライナへの軍事的、人道的、財政的支援を強化すべきだとした。

対照的に、アメリカなど西側諸国の初期の反応は、冷静さを求め、事実が明らかになるのを待つというものだった。

そこには、NATOの集団的な軍事対応を伴うようなエスカレーションは避けたいとの思いが明確だった。米政府関係者は、ミサイルはウクライナの防空システムによるものではないかといち早く指摘した。

戦争に間違いはつきものだ。今回の事態はそれを如実に示した。現在使われているミサイルシステムには古いものもある。ミサイル攻撃の規模を考えると、これまでこうしたことが起こらなかったのは驚くべきことかもしれない。

この24時間の出来事は、戦争の影響が再びNATO域内にもっと実質的なかたちで及んだ場合、NATOの対応は期待されているほど一致団結したものにはならないかもしれないと示唆している。

 

 

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1 コメント

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Unknown (まさか、と思った人)
2022-11-18 13:18:20
>しかし、ポーランドへのミサイル着弾事件には誰もが緊張したはず。

最初にポーランドへの着弾ニュースを聞いた時は、本当にビックリでしたね。
それで、いろいろなニュースを見ていると、
本当にロシアがポーランドへ打ち込んだの?
それって、核使用への西側の反応を探る、ロシア側の種まき作戦の始まりなのかなあ、
それとも、ウクライナを多方面で援助している国への警告としてなのかなあ?
それとも、ウクライナ側のアメリカNATOへのさらなる援助、あわよくば参戦を促す、誤発射作戦?などの陰謀論的な発想も思い浮かんだり・・・。

いずれにしても,
どちらかが、最高に危ない橋を渡り始めたのか!とも思ったのですが、以下の記事を見て私はハッとなりました。


元陸自幹部分析、「露空対地ミサイル迎撃に失敗か」
11/16(水) 16:16配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/df469f5218ee3da06ee566a4a891e4df72e61a6c


私は、ポーランドに着弾したミサイルは、ロシアのものなら、ロシア本国から発射されたものと思いこんでいましたが、この記事では、ベラルーシから飛来したロシア軍機から発射されたミサイルをウクライナが迎撃に失敗し、ポーランドへ落ちた可能性を想定しています。
また、他記事ではありますが、迎撃されたミサイルがポーランドへ落ちたというニュースも見ました。

また、ウクライナが使用しているS-300(これも、らしいのかな?)という迎撃ミサイルは、1990年頃製造されたロシア製のミサイルらしいという内容の他記事もあり、そんなクラシックミサイルで、ロシアの最新鋭のKh101空対地ミサイルを迎え撃っているらしいと伝えていると感じたんですね。

私がハッとしたというのは、
ミサイルは、ロシア本国から打ち込まれたと思いこんでいたこと。
そうではない例を提示され、いつも、思い込みには気を付けているつもりでも、つい、こんな思い込みを自然としてしまっている自分にハッとしたんですね。

ゼレンスキーが軍幹部に、どちら側のミサイルだと問うた時、軍幹部の返事を鵜呑みにし、そのまま、以前から考えていること、その時思いついたことを口に出したのか。

いや、もしかしたら、その記事の最後にあるように、ロシア側のNATOへの牽制、もしくは、核使用への探りを入れた可能性も、現時点では否定できないが、そうなると、本当にプーチンは核戦争を望んでいるのか、という、そら恐ろしい疑問も湧いてきます。

また思うのは、この戦争が始まる前、ロシアがウクライナ国境へ軍を集めているとウクライナへ情報提供していたアメリカの情報収集能力の高さを、侵攻後も、それらに助けられていることでしょうから、痛感しているのではないでしょうか。
そんなアメリカの目、情報収集力を誤魔化せる事はできないと思っていれば、NATO参戦への催促として、ウクライナが意図的にポーランドへミサイルを打ち込むことなどもあり得なさそうにも思えます。

また、実際、ロシアが打ち込んだとしたら、NATOは動かない訳にはいかないでしょうから、そうなると、皆が恐れる大戦突入が実現してしまうことになりましょう。
だから、今回は、思慮遠望的というか、見逃してやる的対応をバイデン?NATO?が取った可能性も考えられなくもない。
そもそも、アメリカの発言をそのまま鵜呑みにして良いものか、という疑問も湧いています。

などと妄想が尽きないのは、事実が判明していないからだからだと思うのです。
事実が判明していない時点での思い込みの危険性に自らの思い込みを知った時点でハッと気づいたということなんですね。

現時点でわかっていることは、
ポーランドへミサイルが着弾し、ポーランドの人が二人亡くなられ、その他被害が発生した。
少なくとも、疑わている側の国の一つの国、ウクライナは、その調査に参加させてほしいと願っていること。
また、ポーランドは参加を認めているが、アメリカは返事をしていない、らしいこと。

私自身のことではありますが、現時点ではそんな風に考えています。

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