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【#平気で嘘をつく高市早苗】れいわに「デタラメを公共の電波で言うのはやめていただきたい」と罵倒した高市氏の方がデタラメ。消費税の支出は社会保障限定ではなく、法人税減税の穴埋めに使われていることは明白だ

2022年06月21日 | 所得の再分配と格差社会の是正

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 2022年6月19日に放映されたNHK『日曜討論』での、自民党・高市早苗政調会長の発言が大嘘だということで、それから延々と

♯平気で嘘をつく高市早苗

がツイッターでトレンド入りしています。

 何が起きたかというと、れいわ新選組の大石晃子政審会長が消費税について

「岸田政権は1%たりとも減税しない、とドヤ顔で言い放った。おかしい。法人税は減税。お金持ちはさんざん優遇してきた。自公政権は鬼であり、資本家の犬と言わざるを得ない」

として、消費税減税をしないのはおかしいと追及したのが発端です。

 

 

 これに対して、高市氏が

「れいわ新選組から消費税が法人税の引き下げに流用されているかのような発言がこの間から何度かあったが、まったくの事実無根」

とかなりの剣幕で反論し、さらに、消費税は法律で社会保障に使途が限定されているとしていって

「デタラメを公共の電波で言うのはやめていただきたい」

 とまで言ったんですね。

 それに対して、大石氏がさらに反論しようと手を挙げたのにNHKの司会がそれを無視して次の話題に行ってしまったので、なおさら高市氏が炎上するという皮肉な結果になりました(笑)。

さすがの鉄面皮高市氏もあわてて屋上屋を重ねる反論。

 

 

 まず、高市氏が言っているように消費税法の1条2項には、この税の趣旨として

「消費税の収入については、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)に定めるところによるほか、毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものとする。」

と書かれているのは本当です。

 しかし、消費税は別に福祉目的税ではなく、もともとの立法趣旨には福祉に使うと書いてあっても消費税法を通すために使ったお題目に過ぎず、実際消費税が社会福祉だけに使われているものではありません。

 ですから、高市氏が

「れいわ新選組の方から、消費税が法人税の引き下げに流用されているかのような発言がこの間から何度かあったが、全くの事実無根でございます。消費税の使途は社会保障に限定されている。地方分も社会保障にしか使えない。でたらめを公共の電波で言うのはやめていただきたい」

と言って、あたかも消費税が社会保障に限って使用されているかのように言ったのは完全に嘘です。

毎回、大石氏をめっちゃにらんでる高市氏(笑)。

 

 

 

 説明しますと、歳入歳出には一般会計と特別会計という区分があり、原則としては財政の健全性を確保する見地からわかりやすいということで、一般会計という「一つの財布」で処理されています。

 これに対して、事業・資金ごとの運用状況や受益と負担の関係がより明確になるということで特別会計という制度もあり、特定の歳入を以て特定の歳出に充て、一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合にもこれが認められています。

 ところが、消費税は一般会計扱いで、かたや社会保障給付費のうち73・3兆円が特別会計になっていますから、消費税が社会福祉にのみ使われているという関連性は全然ないのです。

 いわば、個人の財布の中には給与やバイト料やお小遣いからそれぞれ得たお金が入っていますが、それぞれの収入口ごとにお札に色がついていて区別がついているわけではありませんから、バイト(消費税)から入ったお金だけを寄付(社会福祉)に使うなどと言うことができないのと同じです。

法人税のみならず、所得税の累進課税率(所得が上がるにつれて所得税率が上がる割合)を下げ続けた。

 

 

 大石氏が言っているのも、ですから消費税が法人税や所得税減税の穴埋めに直接流用されたということではなくて、かたや法人税と所得税を減税して大企業や金持ちを優遇しておきながら、その減った税収を一般大衆から広く吸い上げる消費税で補う形になっているということです。

消費税を創設して税率を何度も上げてきた分が法人税減税と所得税・住民税減税で消えてしまっている、逆に言うと消費税があるから法人税などの減税ができたのは明らか。

 

 

 そして、大企業や富裕層の税負担を減らして、逆進性(低所得者ほど実質負担が高くなる性質)のある消費税を上げてきたことで、日本では格差が拡大し続け、また個人の購買力が減って内需が縮小し、延々と不景気が続いていることが問題なのです。

 さらに、2019年10月に安倍政権が二度目の消費税率アップをしてしまったために本格的に不況になり、その半年後にコロナ不況が来て日本はどうしようもなくなったわけです。

 ちなみに、NHKが大石氏の発言機会を奪ったことで、かえって高市政調会長と岸田自民党の嘘が明らかになったことはかえってよかったのかもしれません。

 物価高でだんだん不満が増してきている中、「1%たりとも消費税を減税しない」岸田政権への怒りが7月10日に爆発することを期待します。

高市氏に反論しようと手を挙げているのに当ててもらえず、ややスネている大石氏(笑)。

 

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維新ぎらい

大石 あきこ | 2022/6/15

 

せっかく「維新ぎらい」という本を書いたのに、れいわ支持の元朝日新聞記者との対談では、もっぱら立憲嫌いについて語ってがっかりさせた大石氏。

自ら噛み癖があると自認し、れいわの山本代表には「永田町の狂犬」と呼ばれていましたが(笑)、ぜひ噛みつく相手は今回のように自民党と維新とに絞り込んでもらいたいものです。

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高市早苗氏(東スポWeb)

 参院選(7月10日投開票)の公示を22日に控え、NHKの「日曜討論」で各党の政策責任者による討論会が19日行われ、自民党の高市早苗政調会長が、れいわ新選組の主張に反論した。

 参院選の争点で、消費税廃止を訴えたれいわの大石晃子政審会長は「岸田政権は1%たりとも減税しない、とドヤ顔で言い放った。おかしい。法人税は減税。お金持ちはさんざん優遇してきた。自公政権は鬼であり、資本家の犬と言わざるを得ない」と話すと、高市氏がすぐさま反撃に出た。

「れいわ新選組の方から、消費税が法人税の引き下げに流用されているかのような発言がこの間から何度かあったが、全くの事実無根でございます。消費税の使途は社会保障に限定されている。地方分も社会保障にしか使えない。でたらめを公共の電波で言うのはやめていただきたい」とバッサリ。すぐさま大石氏は挙手し、反論しようとしたが、直後の発言機会は与えられなかった。

 れいわは参院選公約で「消費税収は社会保障の一部にしか使われていません。消費税収の約73%が法人税減税の穴埋めに使われていたといえます」とうたい、山本太郎代表も同様の主張を訴え

 

 

公開日: 更新日:
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先ずは消費税減税の“否定”ありきでデメリット列挙(自民党の高市早苗政調会長)/(C)日刊ゲンダイ

 

海外では付加価値税減税が常識

 
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付加価値税減税を実施・予定する国は世界89カ国、なぜ日本だけが出来ない?(ウォルマートで買い物をする客=トロント)/(C)ロイター

 

 

 

しんぶん赤旗

消費税減税・廃止、富裕層と大企業を優遇する不公平税制をただし、格差を是正します

2021年10月

 世界でも日本でも、コロナ禍で多くの人々が苦境に陥る一方で、一部の大企業や富裕層は空前の利益をあげ、経済格差がますます広がっています。富裕層や多国籍大企業を優遇する税制が、この格差拡大に輪をかけています。格差是正のために「大企業や富裕層にもっと税負担を」という世論が、世界中で高まっています。アメリカのバイデン政権も、トランプ前政権が引き下げてしまった法人税率や、所得税の最高税率を引き上げることを提案しています。

 ところが、日本では、自公政権が9年間にわたって続けてきた「アベノミクス」のもとで、大企業には減税が繰り返され、富裕層への優遇税制も温存される一方で、低所得者ほど負担が重く格差を広げる消費税が二度も増税されるという、世界の流れからみれば、まったく「逆立ち」した税制が続いてきました。

 いまこそ、この流れを転換し、国民のための民主的税制に切り替えるときです。

消費税廃止をめざし、ただちに税率を5%に引き下げます

 日本共産党は、1989年の消費税創設以来、消費税に一貫して反対してきました。「応能負担・生計費非課税」という税の原則に反する消費税は、廃止すべきです。将来的には廃止することをめざしつつ、当面ただちに、消費税の税率を、自公政権が二度にわたって増税する前の5%に引き下げます。

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世界62か国で、消費税が減税されています

 コロナ禍で国民の所得が大幅に減っているというのに、2020年度の国と地方の税収(決算ベース)は104.9兆円で、前年度の102.5兆円に比べて2.4兆円も増えました。19年10月に消費税率が10%に増税され、20年度はその効果が満年度化した結果、消費税と地方消費税あわせて前年度比で3.2兆円も増収になったからです。

 コロナ禍で仕事を失い、預金を取り崩したり、コロナ対策の給付金や貸付金に頼ったりして、苦しい生活を続けている人も少なくありませんが、こうした人の買い物にも、消費税は重くのしかかります。コロナと消費税のダブルパンチが家計を苦しめています。

 世界では、コロナ対策のために消費税(付加価値税)の何らかの減税を実施したか、今後実施しようとしている国が62か国にものぼっています(大門実紀史参議院議員事務所調べ)。コロナ禍から暮らしと営業をまもるため、日本でも消費税減税が必要です。

コロナ禍で納税困難となっている事業者に、消費税を減免します

 コロナ禍で売上が大幅に落ち込み、赤字決算になった事業者は、所得税や法人税はゼロになりますが、消費税の納税は赤字業者でも容赦なく迫られます。国税庁が発表した20年度の新規滞納税額6,889億円のうち64%に当たる4,429億円、コロナ対策の特例納税猶予額1兆5,176億円の60%に当たる9,059億円は消費税です。このままでは、「消費税が払えなくて倒産」という事態が生じます。コロナ禍で納税困難となっている事業者に、その状況に応じて納税の減免の特例を講じます。

小規模業者やフリーランスいじめのインボイスは中止します

 2023年10月から、適格請求書の保管制度(インボイス制度)が導入されることが決まり、21年10月からインボイスを発行できる「適格請求書発行事業者」の登録が始まっています。この登録をして登録番号をもらわないとインボイスが発行できず、インボイスがないと取引先企業が仕入れ税額控除をできないため、取引に参加できなくなってしまうおそれがあります。これまでは、年間課税売上1,000万円以下の小規模事業者(個人・法人あわせて500万者程度)は消費税の納税が免除されていましたが、登録事業者になると免税は適用されず、小規模・零細な事業者まで、消費税納税の経済的・事務的な負担が新たに生じます。9割が免税業者である農業者も大きな影響を受けます。

 いわゆる「フリーランス」の人も、インボイスの対象となります。賃金・給与としてでなく、報酬・料金の形で企業などから収入を得ていれば、自営業者と同じように消費税の課税対象となるからです。フリーランスは、コロナ以前の政府の各種調査でも340~470万人もいると指摘されていましたが、コロナ後は食事の配達員などさらに急増しています。全国のシルバー人材センターの会員(約70万人)もインボイスの対象です。こうした人々の中には、年間売上1,000万円どころか、100万円前後にしかならないような人もたくさんいます。登録事業者になれば、わずかな料金・報酬から消費税を納税したうえ、残った手取り額を使って買い物すれば、消費者として再び消費税を負担することになります。まさに、「弱い者いじめ」そのものです。政府は、フリーランスの増加をうけて「働き方に中立な税制を整備」(岸田首相の所信表明演説)といいますが、それなら、フリーランスいじめのインボイス制度は撤回するのが当然です。

 政府がインボイス制度の導入を決めた口実は、「食料品などの軽減税率」を導入したことです。仕入れの税率が複数になったので、正確な控除額の計算のためにはインボイスが必要だというのです。消費税率を5%に戻せば、軽減税率もなくなるので、インボイス導入の口実もなくなります。減税とあわせて、インボイス中止を実現します。

社会保障拡充などの財源は、「消費税ではない別の道」でつくります

 自公政権は、「社会保障のため」といって消費税を増税してきましたが、その一方で大企業への減税を繰り返し、所得税では、欧米に比べてもはるかに「大株主優遇」の税制を温存するなど、税収に穴をあけてきました。

 1989年の消費税創設以来の33年間で、消費税の総額は448兆円にものぼりますが、ほぼ同じ時期に、法人三税は323兆円(89年度のピーク時に比べて)、所得税・住民税も286兆円(91年度のピーク時に比べて)も減ってしまいました。消費税は、その穴埋めに消えてしまったのです。

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 いくら消費税を増税しても、それが法人税や所得税の穴埋めに消えてしまったのでは、社会保障も財政も良くなりません。自公政権の9年間で、社会保障は充実されるどころか、年金の削減や生活保護の削減など、6兆円もの改悪が行われてきました。また、国と地方の長期債務は、コロナ禍の影響も含めて、この9年間で270兆円近くも増えてしまいました。

 「消費税頼み」では社会保障や教育の拡充も、財政健全化の展望も開けません。いまこそ、「消費税頼み」の路線と、きっぱり決別しなければなりません。

 日本共産党は、「消費税増税にたよらない別の道」として、具体的な財源提案を発表しています。

 この、「消費税ではない別の道」を進めば、大企業・富裕層優遇を改める税制改革と歳出のムダの一掃で当面19兆円の財源を確保することができます。

 (提案のリンクはこちら)→「各分野の政策(27) 財源提案」

将来的には消費税廃止をめざします

 消費税は、低所得者ほど負担の重い税金です。震災や津波で家や職を失った被災者にも、収入がなくなけなしの預貯金を取り崩しながら不安な生活を送っている人にも、多重債務に苦しんでいる人にも、生活のために消費しているかぎり、消費税の負担がのしかかります。消費税は「生計費非課税」の原則に反する税金です。

 事業者にとっては、販売する商品に消費税が転嫁できているか否かにかかわらず、消費税が課税されます。経営が赤字であっても消費税は納税しなければなりません。その一方で、輸出大企業が下請業者に消費税分の単価引下げを強要しておきながら、自らは「輸出戻し税」を受け取るという矛盾も起きています。

 このような消費税は、「能力に応じた負担」という税の原則に反する税制です。日本共産党は、このような消費税に反対し、将来的には、その廃止をめざします。消費税を廃止した段階では、ぜいたく品や環境に負荷を与える商品・サービスなど、品目を限った個別間接税を実施します。

消費税廃止にいたる以前の段階では、次のような改善をすすめます

――食料品や水光熱費、生理用品など、生活必需品の消費税を非課税(ゼロ税率)にします。生活必需品は所得の多少によって支出額があまり違わないため、所得対比でみた消費税負担率が低所得者ほど重くなる「逆進性」がとくにひどくなります。こうした品目を非課税にすれば、家計をたすけるとともに、税制のゆがみをただすことにもつながります。

 現行の「軽減税率」は、税率を10%にするときに食料品や新聞を8%に据え置いただけで、新たな「軽減」をしたわけではありません。食料品はゼロ%のイギリス、カナダ、韓国や、フランス(5.5%)、ドイツ(7%)と比べても、8%では「軽減」の名にまったく値しません。消費税全体の税率を5%に下げたうえで、食料品などは税率をゼロにするような形で、真の軽減を実施します。

――消費税の免税点が年間売上3,000万円から1,000万円に引下げられた結果、零細な業者までが消費税の納税義務を負わされ、税が払えないために廃業を余儀なくされるなど、深刻な事態が広がっています。売上3,000万円以下の業者は課税業者の半分近くにもなりますが、消費税収全体に占める割合は3.1%にすぎません。しかし、1業者あたりの税額は40万円にもなり、零細な業者にとっては大きな金額です。消費税の延納措置を認めるとともに、免税点を引き上げます。

――保険診療などの医療費は消費税非課税とされていますが、病院や診療所が仕入れる医薬品や医療機器などには消費税が課税されています。これによって、医療費の負担も増えるとともに、病院などの経営も圧迫されています。医療には「ゼロ税率」を適用し、医薬品などにかかった消費税が還付されるようにします。

大企業優遇税制をあらため、中小企業なみの負担を求めます

 2019年度の国税庁データから法人企業の利益に対する実質負担率を計算すると、中小企業は19%前後なのに、大企業は10%程度しか負担していません。「アベノミクス」で空前の利益をあげている大企業の税負担率が中小企業より低いという、この不公平・不公正こそ、ただすべきです。

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大企業優遇措置を廃止・縮小します

  法人税の基本税率は大企業でも中小企業でも同じなのに、実質負担率で差が出るのは、研究開発減税などの租税特別措置、連結納税制度、受取配当益金不算入制度など、さまざまな優遇税制があるからです。これらの制度は形式的には中小企業も対象となっていますが、実際には、ほとんどが大企業によって利用されています。巨額の研究費を使ったり、国内外の子会社から多額の配当を受けたりするのは、そもそも大企業でなければできないからです。こうした大企業優遇税制を抜本的に見直します。

――03年度に大幅拡充された研究開発減税は、研究開発費の10%程度を法人税から減額するというものです。以前は「研究費を増やした企業に減税する」というものでしたが、今では、研究費を減らしても減税になるという制度です。減税の最新実績は19年度で5,574億円、中小企業向けを除いても5286億円にもなります。トヨタ自動車1社だけで、最近の7年間に合計6400億円もの研究開発減税を受けています(13年度1201億円、14年度1,084億円、15年度940億円、16年度841億円、17年度797億円、18年度710億円、19年度854億円)。同社をはじめとして、多額の内部留保を抱え研究費の調達に何の困難もない大企業が、この制度を利用しています。中小企業向けの措置を除いて、研究開発減税は廃止します。

――13年度から実施されている「賃上げ減税」は、一定の基準を超える賃上げをした企業に、法人税の税額控除を行うもので、過去7年間の実績は1.85兆円ですが、うち44%は大企業です。中小企業のうち、この減税に対象になっているのは、企業数でわずか4.7%にすぎません。「税額控除」という仕組のため、もともと赤字で法人税を払っていない企業は対象にならないのです。「賃上げ減税」は廃止して、その財源を最低賃金引き上げのための中小企業支援策の財源に充当します。

――租税特別措置は、一定の政策目的で税額控除や特別償却、所得控除などの措置を行うものですが、政策目的が失われた後も継続するなど、「補助金」的な性格が強く、特定企業や業界に恩恵が集中するなど、その弊害が指摘され、政府も「整理する」と言ってきました。ところが安倍政権のもとでは逆に拡大し、研究開発減税や賃上げ減税を含めた租税特別措置による法人税関係の減税額が、毎年2兆円近くにもなっています。中小企業向けの措置を除いて、大幅に廃止・縮減します。

――グループ内の黒字企業と赤字企業の利益を相殺させることができる連結納税制度によって、毎年、4000~6000億円もの減税になっています。トヨタ、日産自動車、ホンダ、三菱UFJ、NTT、ソニーなど、名だたる大企業が連結納税制度を利用しています。こうした税金逃れをやめさせます。

――大企業の利益の中で、グループ企業や海外子会社からの配当が年々増加しています。国内企業から受けた配当に対する「受取配当益金不算入制度」で非課税とされた配当額は年間約11.6兆円、「外国子会社からの配当非課税制度」(2009年度創設)で非課税とされた配当も年間4.6兆円となっています(いずれも19年度)。こうした優遇税制を縮減します。政府や財界は、「増税すると企業が海外に逃げていく」などといいますが、そういいながら、「海外で稼ぐほど税金が安くなる」という税制を政府自らがつくっているのです。こうした海外進出企業優遇税制こそ改めるべきです。

――多額の為替取引に対して低率で課税する「為替取引税」を創設します。東京外為市場の取引額は年間推計94兆ドル(2019年)で、過去21年間で3倍近くに増えています。投機マネーによる取引が増加しているからです。0.01%程度の低い税率でも、いまの為替レート(1ドル=110円前後)だと、1兆円以上の税収になります。通常の貿易や金融取引には影響がない、きわめて低率の税ですが、取引を多数繰り返して行う投機マネーにとっては負担となり、投機マネーの行き過ぎた動きを抑制することができます。

自公政権がばらまいた大企業への減税をあらため、税率を元に戻します

 自公政権は、毎年のように法人税の減税を繰り返してきました。復興特別法人税の1年前倒しの打ち切り(2014年度)、法人税率の引き下げ(15・16・18年度)、研究開発減税の拡充など、実施された法人税減税は、総額で4兆円にもなります。

 この結果、安倍内閣発足前には25.5%、「復興特別法人税」を含めて約28%だった法人税率が、23.2%まで引き下げられました。地方税を含めた「法人実効税率」も、37%から34.62%(14年度)、32.11%(15年度)、29.97%(16年度)、29.74%(18年度)と、連続的に引き下げられました。これは、「法人実効税率を25%程度まで引き下げる」という経団連などの要求にこたえたものです。

 政府や財界は、大企業に減税すれば、それが賃上げにつながるかのように言ってきました。しかし、大企業の利益は大きく増えても、賃上げはわずかにとどまり、消費税増税の影響を含めた物価上昇によって、実質賃金はこの8年間で、年収ベースで22万円も減ってしまいました。

 大企業の内部留保は20年度末で467兆円にも達し、その多くは設備投資などにも生かされず、「余剰資金」となっています。空前の「カネ余り」状態にある大企業に対して、さらに何兆円もの法人税減税をしても、このカネ余りがいっそう促進されるだけです。

――安倍政権が引き下げた法人税率を、中小企業を除いて、安倍政権以前の水準である28%に戻します。これは、バイデン政権が提案している法人税率と同じ水準です。

――政府は、法人実効税率の財源の一部とするため、法人事業税の外形標準課税(付加価値割、資本割)の税率を引き上げてきました。これは、法人税が課税されない赤字法人や、利益が少ない法人にも重い税負担を求めるものです。一方、資本金1,000億円を超える巨大企業には負担軽減措置があるなど、大企業に有利な制度です。法人税減税の中止とあわせて、外形標準課税の税率も安倍政権以前に戻します。

――将来的には、OECD(経済協力開発機構)でも指摘されている「有害な法人税の引下げ競争」を見直す国際的な働きかけをすすめ、下げすぎた法人税率の適切な引上げをはかります。

富裕層優遇の不公平税制をあらためます

 米誌「フォーブス」が集計している「世界のビリオネア(10億ドル以上の資産を持つ大富豪)」のリストによれば、このリストに掲載された日本の大富豪の資産は、2012年には6.1兆円でしたが、直近では24兆円と、9年間で4倍にも膨らんでいます。「アベノミクス」のもとで株価が上昇したからです。国民の暮らしを守り、格差を是正するために、こうした富裕層に応分の税負担を求めることが必要です。

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 ほんらい所得税は、所得が高い人ほど負担率が高くなる累進税制になっているはずです。ところが、国税庁の統計では、所得が1億円を超えると逆に負担率が下がってしまいます。2019年分の統計データで計算すると、所得5,000万円~1億円の層の所得税負担率は27.9%なのに、所得100億円超の超富裕層では16.2%しかありません。こんな不公平がまかり通っていたのでは「働くのが、ばからしい」という風潮を広げてしまいます。こうした金持ち優遇税制を改めることが、消費税にかわる必要な財源を確保するためにも、格差と貧困の是正に向けて税制による所得再分配機能を再建・強化するためにも、不可欠となっています。

富裕層の株式配当や株式譲渡所得への課税を強化します

 一般の納税者の所得は、給与や事業所得、年金などが中心です。ところが、所得が1億円を超えるような富裕層の場合は、株式の配当や、土地や株式を譲渡して得た所得が多くを占めています。こうした株取引などの所得は、他の所得と分けて税金を計算する「分離課税」とされ、しかも税率が低くなっています。所得が多い人ほど分離課税の所得の割合が高いため、所得税の負担率が下がってしまうのです。

 日本の株式配当や株式譲渡所得への課税は、欧米諸国に比べても、大資産家優遇の制度になっています。株式配当への税率は、一部の大口株主を除けば所得税15%、住民税5%にすぎませんが、欧米の富裕層への最高税率は、アメリカ(ニューヨーク市の場合)32.7%、イギリス38.1%、ドイツ26.375%、フランス30%となっています。株式譲渡所得への最高税率も、アメリカやドイツ、フランスは配当と同じです(いずれも2021年1月現在)。アメリカのバイデン政権は、さらに5%の引上げを提案しており、日本との差は開く一方です。

――株式配当は少額の配当や低所得者の場合を除き、勤労所得などとあわせた総合課税を義務づけ、富裕層の高額の配当には所得税・住民税の最高税率が適用されるようにします。

――株式譲渡所得についても将来的には総合課税とすることを検討しますが、分離課税が続いている間も、欧米諸国の水準にあわせて高額所得者には30%以上の税率が適用されるようにします。

引き下げられた所得税・住民税の税率を元に戻します

――消費税が創設されたばかりの1990年代の所得税などの最高税率は、所得税50%、住民税15%で、あわせて65%でした。自民党政権のもとで99年に37%と13%に引き下げられ、地方への税源移譲後は所得税40%、住民税10%となりました。その後、所得税は2015年に45%に引き上げられましたが、これは、もともと民主党政権で提案されたもので、自公政権が自ら言い出したものではありません。対象も課税所得4000万円超(5万人程度)に限定され、税収も600億円足らずしか増えませんでした。99年の引下げ前の税率水準に戻せば、1兆円以上の増収が見込めます。

――所得税の人的控除や社会保険料控除などは、所得控除のため、同じ額の控除をした場合でも、適用税率が高い高所得者ほど、減税効果が大きくなります。将来的には、不平等が生じない税額控除に切り替えることも選択肢に入れつつ、当面、諸外国で実施されているような所得制限の導入や上限額の設定を行います。社会保険料控除は、社会保険料の標準報酬の上限引き上げとあわせ、控除額の上限を定めます。

相続税・贈与税の最高税率を引き上げます

 相続税・贈与税の最高税率は、2003年に70%から50%に引き下げられました。2015年から55%に戻されましたが、対象も増税額もわずかにすぎません。逆に、基礎控除を引き下げ、少額の遺産への課税を強化しています。その一方、孫などに1人1,500万円までの「教育資金一括贈与の非課税枠」を創設するなど、富裕層向けの減税措置は強化されています。中間層の負担増にならないように、基礎控除額を引き上げるなどの措置をとりつつ、最高税率を元の70%に戻し、富裕層の資産への課税を強化します。

富裕税を創設します

 富裕層の資産に対して、低率で毎年課税する新たな税として、「富裕税」を創設します。純資産が5億円を超える場合に、その超過部分に対して、0.5~3%程度の範囲で累進的な税率で課税します。課税対象資産額の算定にあたっては、相続税の課税評価額に準じた方式で、自宅用不動産の評価の軽減、自営業者などの事業資産への特例措置、営農中の農地については宅地並み基準を適用しないなどの措置を講じ、中間層に負担がかからないように配慮します。これにより、富裕税の対象は1,000人に1人程度の富裕層に限定されます。これは、相続税(被相続人の5%前後が対象)にくらべ、50分の1程度です。しかし、「アベノミクス」のもとで富裕層の金融資産が急増しているもとで、1兆円程度の税収が見込めます。

 大株主が株式を資産管理会社に移すような場合には、その会社を保有していること自体を「資産」とみなして富裕税を課税し、税逃れを許さないようにします。相続税は数十年に一度しか課税されないため、さまざまな「資産隠し」「課税逃れ」が生じる可能性がありますが、富裕税は毎年申告するため、資産隠しを防ぐためにも有効です。

(以下略)

 

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2 コメント

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導入時からずっとですよ!。 (DANGER MELON)
2022-06-22 01:01:08
私が高校生の時に、消費税が導入されました。
自民党は、当時、『消費税は、社会保障費に使う。』・・・と、言って導入しました。
当時から、1%あたり2兆円だったか?の税収と言われていましたが、次の年の予算で厚生労働省の予算は、9000万円だったかな?増えただけでした。
高校生になったばかりの私は、「これが、嘘つき政党自民党のいつもの公約の嘘だ。」と、同級生に言っていた記憶があります。
最後の1兵まで戦わせると公言してる、軍国主義者の高市早苗は、どこまでも最低です!。
安倍&高市が国難 (肱雲)
2022-06-23 08:40:57
この二人がペアーで
防衛費倍増計画を着々と進めている
それは米帝の指令を受けての話だろう
こ奴らが真に国防を考えての事では
決して無い筈だ

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