「役所は何もくれない」生活困窮者救う民間の善意

セロリは愛知県の農家が寄付した。=19日、日比谷公園 撮影:取材班=

 スガ首相の唱える自助ではどうにもならない。生活困窮者がさらに苦しくなる師走に、あらためて、それを突き付けられた。

 労働組合や農業団体などが、きょう、日比谷公園で生活困窮者に無料で食料を配布した。

 法律家や労働問題の専門家が「住まい」や「職」の問題などについてアドバイスする相談会も同時に行われた。(主催:なんでも相談会「12・19日比谷公園会場」実行委員会)

 用意された食料は—

 非常用ライス、缶詰、果物、産直の野菜(セロリ、にんじん、さといも、小松菜…)だ。

 おそらく80歳を超えているだろう。背中も曲がっていた…高齢の女性はニッコリ微笑みながら「一杯(食料を)入れたよ」と言ってリュックを見せた。

無料法律相談に乗る宇都宮健児弁護士。派遣村(2008年)の名誉村長だった。=19日、日比谷公園 撮影:取材班=

 法律や労働問題の相談コーナーにも次々と人々が訪れた。

 障がい1級の男性はアパートの更新料について相談した。男性(58歳)は新宿区在住で生活保護利用者だ。

 区役所の福祉課ではアパートの更新料を満額出してくれなかった。「あなたは福祉年金もらってるでしょう」と言われて。足りない分は泣く泣く自分で出した。

 アドバイザーは「満額出るはず、ケースワーカーに相談して下さい。もし出なかったら連絡を」と言って自分の名刺を渡した。

 男性は障がい者になる前、ガードマンをしていた。

 渋谷から足を運んだホームレス男性も、配布された食料を手にしていた。

 「きょうのことは代々木公園の炊き出しで知った。役所は何もくれない」と渋い顔で話した。

 年末、さらに押し詰まってくると、役所は閉まり、生活保護の申請すらできなくなる。「行き倒れ」が続出しても何ら不思議はない。昨今流行りのリモートなんぞ利かないのだ。
 
  民間の善意が生活困窮者を救う ― 毎年この時期になると痛切に思う。

    ~終わり~

   ◇
『田中龍作ジャーナル』は生活者目線でニュースを伝えます。ご支援何とぞ宜しくお願い申し上げます。↓

田中龍作の取材活動支援基金

■郵便局から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
記号/10180 番号/62056751

■郵便振替口座

口座記号番号/00170‐0‐306911

■銀行から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
店名/ゼロイチハチ・0一八(「ゆうちょ銀行」→「支店名」を読み出して『セ』を打って下さい)
店番/018 預金種目/普通預金 口座番号/6205675 口座名/『田中龍作の取材活動支援基金』

■ご足労をおかけしない為に

ゆうちょ銀行間で口座引き落としができます。一度窓口でお手続きして頂ければ、ATMに並んで頂く手間が省けます。印鑑と通帳をお持ち下さい。
記号/10180 番号/62056751 口座名/タナカリュウサクノシュザイカツドウシエンキキン

連絡先
tanakaryusaku@gmail.com
twitter.com/tanakaryusaku

貧困