■“21人のガッツポーズ”旧統一教会と自民党の関係

1枚の写真から浮かび上がるのは、旧統一教会と自民党議員の浅からぬ関係です。2021年、衆議院議員会館で開かれた「日本・世界平和議員連合懇談会第一回総会」という会合。笑顔でガッツポーズを決める21人の男性は、どんなメンバーなのでしょうか。

▼神山佐市元議員▼伊東良孝議員

▼奥野信亮議員▼御法川信英議員

▼逢沢一郎議員▼原田義昭元議員
▼細田博之議員▼三原朝彦元議員
▼柳本卓治元議員▼宮島喜文元議員
▼中村裕之議員▼工藤彰三議員
▼斎藤洋明議員▼藤原崇議員
▼関芳弘議員▼八木哲也議員
▼上野賢一郎議員▼金子万寿夫元議員
▼松本文明元議員▼田畑裕明議員

前列の中心にいるのは現在の衆院議長で、自民党の重鎮、細田博之氏です。
細田氏の右隣の人物は、梶栗正義氏。旧統一教会系の政治団体、「国際勝共連合」の会長で、教団の関連団体のトップも務める人物です。

もともと、この写真は、原田義昭元衆院議員が、Facebookにあげたものです。
原田氏は、第4次安倍改造内閣で、環境大臣を務めましたが、この会合の4か月後に行われた衆院選で落選。現在、写真は掲載されていませんが、こんな投稿をしていました。

原田義昭氏のFacebook


安倍派に衣替えする前の細田派の会長だった細田氏が、この議員連合の名誉会長を務めていたというのです。細田氏と旧統一教会はどのような関係なのか。2019年に名古屋市で行われたイベントにも、その姿がありました。

■「安倍総理に早速、ご報告したい」

イベント司会者


旧統一教会の関連団体が主催したイベントで笑顔で登壇すると・・・

 

自民党 細田博之氏


当時、総理大臣だった安倍氏の名前も出した細田氏。この場には、教団の総裁、韓鶴子氏本人も出席していました。

 

旧統一教会 韓鶴子総裁
「政治と宗教は一つにならなければなりません。今日の政治家たちは謙遜な姿勢で天の声を聞くことのできるようにならなければなりません。私と一つとなって、天の父母様を中心とした人類一家族、地上天国、天上天国をつくっていきましょう」

狙いは「その国の宗教を統一教会にする」

そもそも、この「世界平和議員連合とは、どのような組織なのでしょうか。ジャーナリストの鈴木エイト氏によると、旧統一教会の関連団体が、政治家を巻き込んで展開してきた組織だといいます。その目的は・・・

 

「これはズバリ、国家復帰ですね。その国の宗教を統一教会にするという意味合いなんですが、そのためにその国の政治家を取り込んでいく、その取り組みの一環で、こういった議員連合があるのではないかと思います」

当時、議連の会長だった原田氏が、25日夜、私たちの取材に応じました。

 

 

「しっかりやろうと、結束を固めた会だったことは間違いないですね」

旧統一教会と関係がある議連だという認識はなかったとしています。一方で、原田氏自身も過去の選挙で教団側から応援を受けたことを認めました。

 


ーーいろいろな宗教団体からの選挙応援の一つに旧統一教会も?

「そう、まあそういう意味ではあったと思いますね。そこは、否定しない。(2021年)10月30日に(衆院)選挙ありましたから、6月というと精神的には大詰めになってきているから、プラスになる、マイナスにならないとはみんな思っていると思いますよ」

 

写真に映る国会議員および元国会議員は20人。うち19人に会合に出席したか問い合わせたところ、9人は会合に「出席した」と認めました。


中には、旧統一教会の関係者から、直接事務所に連絡があり「会合に出てほしい」と言われたという議員もいました。

会合に出席した議員A
「選挙では、旧統一教会の関連団体から支援してもらった。熱心に電話かけとかをしてくれていた。団体側からなにか要求されたことはない」

会合に出席した議員B
「細田議員をはじめとして他の国会議員も出席するようだということで出席しただけ」

この会合について、旧統一教会の関連団体に問い合わせたところ、「有志の国会議員の方々が世界平和のために設立されたと聞いています」として、教団側の関与については明言を避けました。

 

■月500万円使ってPR こども庁の名称変更に影響?

旧統一教会を取材してきた有田芳生氏は教団と政治の繋がりについて・・・

「いろんな統一教会の教えを自民党の国会議員たちに広報をやってとお願いして、PRチームが日常的に国会を回っている。月500万円使って飲食費、交通費ですよ」

 

政治団体「国際勝共連合」が発行した2022年1月号の機関誌。“家庭再建を軸にした子供政策を”という言葉と共に、こう紹介されていました。

「心有る議員・有識者の尽力によって、子ども政策を一元化するために新しく作る組織の名称が『こども庁』から『こども家庭庁』になりました」

有田氏は、こうした政策の背景にPRチームなどからの働きかけがあったのではないかと考えています。

有田芳生氏
「政治と宗教の問題をどこまでメスを入れることができるのか。全体像を歴史的に見ていかなければ統一教会の問題は見えないんではないか」

 

 

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