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三橋TV第233回【将来の希望にベットしよう 我々こそが主権者だ】
 
 さて、実質消費です。

 2020年3月の実質消費は、対前年比▲6%の減少となりました。
 
3月の実質消費支出、前年比6.0%減 市場予想6.2%減
 総務省が8日発表した3月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は1世帯あたり29万2214円で、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比6.0%減少した(変動調整値)。減少は6カ月連続。QUICKがまとめた市場予想の中央値は6.2%減だった。季節調整して前月と比べると4.0%減だった。(後略)』
 
 2020年1-3月期の「対前月比」を見てみると、1月が▲1.6%、2月が+0.8%、3月が▲4%ということで、四半期では対前期比4.8%のマイナスとなります。

 わたくしが2020年1-3月期の「予測」で参照していた、日本経済研究センターの試算では、民間最終消費支出が対前期比▲0.5%という前提で、全体の経済成長率が対前期比▲0.74%(年率換算▲2.89%)となっています。

 無論、実質消費と民間最終消費支出は完全には同じになりませんが、
「想像以上に、2020年1-3月期の消費の落ち込みがひどい」
 というわけで、対前期比で1%以上の落ち込み(年率換算4%以上)のマイナスになってしまった可能性が高いのではないでしょうか。つまりは、日本経済研究センターの個人消費の対前期比落ち込みの予測は「甘かった」のではないかと。

 2020年1-3月期の経済成長率(速報値)の発表は、5月18日です。

 日本の場合、何しろ2019年10-12月期の経済成長率が、消費税増税の影響で対前期比▲1.8%(年率換算▲7.1%)と大きく落ち込んでいるため、20年1-3月期の落ち込みは、他の国々ほどではないと予想していましたが、覆る可能性が出てきました。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※ノンフィクション作家「河添恵子」先生との対談「歴史から学ぶ中国と中国人の本質」が視聴可能となりました。

 

 というわけで、日本の実質消費について、指数の推移(季節調整値)を見てみましょう。
 
【日本の実質消費指数(2015年=100)の推移】
 
 まずは、2014年4月の消費税増税により、日本の実質消費は大きく落ち込みました。

 政府は「V字回復する」と寝言を言っていましたが、我々は「L字型低迷に陥る」と主張。どちらが正しかったのかは、誰にでも分かりますよね。

 その後、2019年9月にわずかな駆け込み消費があり、10月には予想通り、駆け込み消費分を上回る落ち込みになり、一段下がったL字型になると考えていましたが、コロナ危機を受け、さらに一段下がった水準でL字型低迷に落ち込むことになるでしょう。

 問題は、L字型の横棒がどこまで下がることになるのか、という点です。

 2020年4月の実質消費は、指数で言えば「90」のラインにまで落ちるのではないでしょうか(あるいは、それ以上か?)。

 いずれにせよ、我が国の消費は低迷せざるを得ないわけですが、それ以上に心配なのは、実は「投資」です。

 恐慌期には、確かに消費も下がる。大恐慌期のアメリカは、消費が8割の水準にまで落ち込んでしまいました。
 
 とはいえ、人間は消費をしなければ生きていけないため、消費縮小はある程度の水準にとどまります。
 
 それに対し、投資の落ち込みは「底」がありません。
 
 恐慌で市場、需要が縮小する中、設備投資を拡大しようとする経営者は、まずいません。しかも、投資は消費とは異なり「ゼロ」にできるタイプの支出です。

 大恐慌期のアメリカでは、企業の設備投資が最悪期には16分の1になってしまったのです。ほぼ「ゼロ」でございますね。

 日本の場合、デフレ期においても民間企業は根性で投資縮小を「ある程度の水準」で食い止めていました(リーマンショック期の2010年でも、ピークの1997年比で▲22%でした)。

 それに対し、公共投資(公的固定資本形成)は、ピーク(1996年)と最悪期の2011年を比較すると、何と▲50%。安倍政権になり、多少は増やしましたが、それでも2019年の数値で▲39%。ほぼ四割減。

 実は、日本の投資縮小を牽引してきたのは、民需以上に官需なのです。

 緊縮財政を継続している以上、当たり前なのですが、すでに始まった第二次世界恐慌により、日本企業の投資が「消滅的」と表現できるほどに落ち込むのは明らかです。(それどころか、企業存続が困難になる)
 あるいは、落ち込むと予想するべきです。
 
 というわけで、とりあえずは100兆円規模の新規国債発行を決定し、現金給付(※複数回)、粗利補償、地方交付税臨時交付金拡充、消費税率0%といった「緊急の経済対策」を早期に推進し、その後は「政府の投資拡大」へと話を進めなければならないのです。
 
 さもなければ、我が国が恐慌から脱することはできず、V字回復どころか「L字型低迷できたら良い方」という有様になります。
 
 つまりは、今回のコロナ危機を切っ掛けに「財政破綻論」「緊縮財政路線」を潰すとして、最終的なゴールは消費税廃止(税率0%)のさらに向こう側、長期財政拡大計画に基づく政府投資の継続的な拡大にあると考えるべきなのです。

 かつて、我が国には長期の財政拡大計画、国土計画(第四次全総まで)があり、経済成長を牽引しました。その後、例により橋本政権から投資規模が明記された「国土計画」がなくなり、日本は長期デフレに突入しました。

 というわけで、日本は投資規模が明記された国土計画を復活させなければなりません。ちなみに、国土計画がない国など、主要国の中には一つもありません。
 

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