第533号の目次です。

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●週刊金融日記 重要バックナンバー(note)
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52021876.html

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// 週刊金融日記
// 2022年8月2日 第533号
// 勉強やる気スイッチを押す方法と寮のある学校特集の補足
// 米長期金利低下で株価大幅上昇と急激な円の切り返し
// 香港の都心で美味しいシーフード中華
// いつまでもあると思うな親と男の性欲
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 先週は為替相場に大きな動きがありました。1ドル=140円近くまで円安が進んでいたのですが、米国のGDPが2四半期続けてマイナスになりリセッションになりそうで、FRBのパウエル議長がガンガンと利上げすることに関してちょっと弱腰になました。結果、米国の長期金利が低下し、日米金利差が縮小し、現在1ドル=131円台まで円高になっています。

★金利差と為替の関係はとても基本的なことなんですが、意外とみんな理解していません。
https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/1553942948513193984

 この為替の動きというのは、教科書の通りです。為替理論はいろいろありますが、金利平価説(Theory of Interest Parity)というのは最も強力で、これに反することはよほどのことがない限り起きません。というのも、これはとても単純な裁定だからです。ドルと円の期待リターンを比べて、どちらかが高ければそっちを買えば期待値では儲かることになります。しかし、市場は効率的なので、どちらの期待リターンもだいたい同じぐらいになっているはずです。通貨のリターンは金利と変動で、金利の部分は見えているので必ず儲かる分ですから、ドルと円の金利差が広がれば、ドルが金利で得する分は変動のほうで損しやすくならないといけませんから、瞬間的にひょいと上がって、高いところに行って、下向きに落ちやすくなるわけです。今回は、この金利差が縮まったので、逆に動いたわけです。
 よく、金利が上がったので通貨の魅力が増して、みんなが買うから上がる、とごまかして説明されますが、この説明は本来はおかしいのです。金利が上がって、金利で得する上に、さらにみんなが買って上がりやすくなるなら、変動幅でも得しやすくなり、金利が高い通貨が一方的に上がっていくことになりますが、そんなことはありません。金利が動く時に瞬間的に価格も上がって、その後はゆっくりと下がりやすくなるわけですね。まあ、こうやって言葉で説明するのは難しいので、金利が上がって通貨の魅力が増したため……、と大昔から嘘の説明が繰り返されています。
 ところで、金利差と為替の動きが教科書に書いてある理論通りだからといって、儲けられるわけではありません。為替の動きは金利差の動きで決まるんですけど、じゃあ、今度は金利差がどっちに動くかを当てるゲームになるだけで、それは簡単にはわからないからです。
 以上のような為替の理論は、だいぶ昔に書いた経済学の本に、数式を使って、わかりやすく書いてあります。

『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』 http://amzn.to/2wdYno3

 WHOが緊急事態宣言を出しているサル痘ですが、ニューヨークではすでに感染が急拡大していて、ニューヨーク州が非常事態を宣言しました。まだ、男性同性愛者間での感染がほとんどですが、これからどんどん広がっていくでしょう。天然痘のワクチンが効くみたいなので、早いところ、コロナワクチン同様に、簡単にワクチン打てるようにしてもらいたいですね。

●サル痘 感染広がる 米 ニューヨーク州が非常事態宣言
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220731/k10013744311000.html

 Google、Amazon、Apple、Facebook、Microsoftなどの米国の巨大IT企業の決算が発表されました。今週のマーケットコーナーにも書きましたが、まあまあ悪いですね。Amazonは赤字で、GoogleとAppleは減益です。Microsoftは増収・増益。Facebookは初の減収となり想定通り悪かったです。しかし、思ったほどめちゃくちゃ悪くなかった、ということで、Google、Amazon、Appleなんかは決算が終わってから株価が上がっています。Microsoftももちろん上がりました。
 イーロン・マスク氏が率いる宇宙ベンチャーのSpaceXが提供するStarlinkという衛星インターネットアクセスを戦争がはじまるとすぐにウクライナに提供するなど、米国の企業はウクライナ軍を間接的に支援しているのですが、Microsoftもいろいろ協力しているようですね。現代のハイブリッド戦争です。

●ウクライナ侵攻のもうひとつの戦場「サイバー空間」その実態に迫る
「IT企業がウクライナの抵抗を支えている。これは新しい現象です。この協力なくして、いまは(戦争を)遂行できなくなっている現実が出てきている。アメリカの民間企業の協力がなければ戦況が変わっていた可能性もある」
https://www3.nhk.or.jp/news/special/sci_cul/2022/07/special/cyber-ukraine-0728/

 この原稿を書き終わるころに、米国のナンシー・ペロシ下院議長が台湾を訪問しそうである、ということで僕のTwitterの英語圏の金融クラスタがザワザワしており、それから、日本の軍事クラスタとかもザワザワしはじめて、これは中国がドンパチはじめるんか!?みたいなことまで言いはじめて、僕は正直、ナンシー・ペロシという82歳のばあちゃんのことをよく知らなかったので???となりました。
 調べたら、この80過ぎのばあちゃんは、1991年に天安門事件が起こると、速攻で天安門広場を電撃訪中して、垂れ幕かかげて全世界に放送させるわ、反中国の代表的な政治家で、もちろん米国でも偉いポジションに就いています。ウクライナで戦争がはじまると、すぐさま戦時中のキーウまで飛んでゼレンスキー大統領と会談したりしているんですよね。いまアジア歴訪中でシンガポールにいるんですけど、ついでに電撃的にまた台湾に行くみたいです。それで、中国がめちゃくちゃ怒っていて、必ず対抗措置を取る!と言っております。
 せっかくサプライチェーンとかの問題も落ち着いてきたのに、ここでまた米中対立で制裁合戦ということになると、世界経済に暗雲が立ち込めますね。
 ナンシー・ペロシさんは子供が5人もいて、すでに孫もたくさんいるそうです。82歳でも元気で、こうやって世界を揺るがしちゃうって、とんでもなくパワフルなばあちゃんですね。

★Twitterを見ていたら、ペロシ米下院議長が台湾に行くということで、ザワザワしはじめました。
https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/1554091832992464897

●米ペロシ下院議長 シンガポール到着 台湾訪れるかどうかに関心
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220801/k10013747111000.html

●中国外務省「ペロシ議長が台湾訪問すれば強力な対抗措置」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220801/k10013746791000.html

 7月は株式市場は大変な上昇となったのですが、僕はいいところでいくつかの銘柄を拾えました。市場参加者はとにかくインフレとそれに対抗するFRBの利上げペースばかり気にしていたので、パウエル議長の会見後には、それが思ったほどではない、というだけでこんだけ爆上げしたんですが、何といってもリセッションですし、企業業績も順調に悪化しておりますし、こうやってナンシー・ペロシさんがまた米中関係を引っ掻き回したりしています。株式市場はだいぶ過熱感があったんで、メルマガの原稿書きながら、いくつか利食って、短期トレード用のアカウントはちょっとショート気味にしました。別の長期保有用の口座に世界株インデックスETFが置いてありますから、全体ではだいぶロングですけどね。

●世界株1年8カ月ぶり上昇率 期待先行、買い戻しが主導
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB010SV0R00C22A8000000/

 BLOGOSに引き続き、Cakesもサービスが終了することとなりました。Cakesに8年前に掲載されたインタビュー記事をメルマガに再掲載しました。他にもまだ対談記事がありますので、順次再掲載します。

週刊金融日記 第520号 モテるかどうかは"ひとこと"が言えるかどうか
週刊金融日記 第527号 IT革命と恋愛市場の変相 その1 インターネットは現代社会にバラ撒かれたアヘン
週刊金融日記 第528号 IT革命と恋愛市場の変相 その2 ふつうの彼氏はどこにもいない
週刊金融日記 第529号 IT革命と恋愛市場の変相 その3 三低なんて大嘘、仁義なき女の見栄の張り合い戦争
週刊金融日記 第530号 IT革命と恋愛市場の変相 その4 ミクロ恋愛工学と男女別モテ曲線
週刊金融日記 第531号 IT革命と恋愛市場の変相 その5 美人であるということは賭け金の高いゲーム
週刊金融日記 第532号 IT革命と恋愛市場の変相 その6 女の人の男の選び方は常に間違っている

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

- 数十年前に難関中学に合格した時のやる気スイッチを思い出してみました
- 仕事部屋のレイアウトに風水を考慮すべきでしょうか
- ホリエモンがワクチンを打たないビジネスパートナーと絶縁していた件について
- 中高生の時代にされた嫌だったことを思い出し怒りが湧いてきます
- 性欲という燃料がなくなり3年同棲していた彼女と別れました

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.勉強やる気スイッチを押す方法と寮のある学校特集の補足

 今週は読者の方から洞察に富む勉強のやる気スイッチに関する投稿が送られてきたので、まず、これに関して議論したいと思います。また、以前、寮のある学校についての特集をしました。これはたくさん売れたバックナンバーなのですが、追加情報があるので、補足記事を書きたいと思います。

週刊金融日記 第504号 子供を寮のある学校に入れれば中学受験は割に合います
週刊金融日記 第531号 子供の勉強のやる気スイッチはどこにあるのか

 まずは、読者の方からの投稿です。

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- 数十年前に難関中学に合格した時のやる気スイッチを思い出してみました

毎週メルマガを楽しみにしております。
最近話題になることの多い教育工学の「やる気スイッチ」ですが、所長は「やる気スイッチを無理矢理押すのは困難」という立場でした。
以下のメルマガなどに、そのようなことが書いてあります。

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2.今週のマーケット

●米国経済はリセッション入りだが長期金利低下で株価大幅上昇と急激な円の切り返しが起こった(金融日記 Weekly 2022/7/22-2022/7/29)
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52206934.html

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3.ブログではいえないお店

- 香港の都心で美味しいシーフード中華

 香港やアジアのシーフード中華って、お店に大きい水槽があって、そこにたくさん魚とか海老が泳いでいて、テンション上がりますよね。アジアの都市はこのスタイルなんですけど、あれほどシーフードが豊富な日本では、どうしてこういうのないんでしょうか。せいぜい生け簀のある居酒屋ですよね。
 と、書いていて、自分ですぐなんとなく結論が出ました。魚って、生きているやつが美味しいわけじゃなくて、牛肉といっしょで適切な処理をして数日間寝かさないと本当に美味しくならないんですよね。日本人はシーフードにこだわりがあるんで、高級店ほど生きた魚を飼っている必要はないんかな、と。

 さて、香港ですが、西貢(サイクン)とか海の近くに行けば美味しいシーフード中華がたくさんあるのですが、都心だとあんまりないというか、僕が知らないだけかもしれませんが。コーズウェイベイという日本でいう銀座みたいなところがあるんですが、そこにある・・・


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4.藤沢数希の身もフタもない人生相談

- 仕事部屋のレイアウトに風水を考慮すべきでしょうか

藤沢所長、いつも大変お世話になっております。太郎です。
レベルの低い質問で恐れ入りますが、仕事部屋(自宅)のレイアウトを検討する際、風水的な要素を考慮するのは、やはりアホでしょうか?
たとえば、集中力を高めたいなら机は北向きがいい、発想力を形にしたいなら東向きがいい、などです。
科学的根拠は無いと思うのですが、東西南北の向きなどは多少仕事のパフォーマンスに影響あるかもしれないとも思ったりもしております。
こういったことは一般的な占い同様ガン無視か、あるいは考慮の価値ありか、所長はどのように思われますでしょうか。
合理性のないダメな考え方をしていたら改めたいので、お考え教えて頂けますと幸いです。
何卒よろしくお願い致します。

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