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令和の政策ピボット呼びかけ人に、高橋あさみ様(私立Z学園高等学校 1年4組 16歳)が加わって下さいました。

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三橋TV第196回【扇の要(緊縮財政)を破壊しない限り日本叩き売りは続く】
 
【Front Japan 桜】「日本再生」を前提にするな / 法人税を減税したら企業が外国に逃げた[桜R2/2/12]
 の冒頭ニュース解説で取り上げましたが、いわゆる氷河期世代への「支援」が始まろうとしています。
 
『2020年2月12日 産経新聞「氷河期世代 就労支援では解決遠く」
(前略)総務省の労働力調査によると、氷河期に入った5年に若年層(15-24歳)の非正規雇用比率は23.1%だったが、16年には45.2%と倍増。30年になっても、氷河期世代に入る35-44歳のうち27.9%の371マン人が非正規で、うち50万人が不本意ながら非正規の職に就いているという。
 30年の同調査では、35-44歳の男性の未婚率は非正規で64.1%に上り、正規の23.0%と比べて顕著に高い。年収を比較すると、正規と非正規では300万円程度の開きがあるともいわれる。
 こうした就労の不安定さが、実際に非婚化・晩婚化につながった。統計上そんな相関関係がみてとれる。(後略)』
 
 日本の大手紙にしては、珍しく、
「現在の日本では、雇用形態によって結婚適齢期の男性が「結婚できる階級、できない階級」に分かれている」
 という真実を書いてくれています。

 未婚率の逆の「婚姻率」で見ると、正規が八割近く、非正規が36%。これは「階級」ですよ、間違いなく。

 というわけで、別に氷河期世代に限らず、日本政府は非正規雇用の正規化、所得と雇用の安定につながる政策を推進しなければなりません。

 これは、「苦しんでいる国民を救う」という国家として当たり前の「考え方」以上に、日本人存続のためでもあります。このまま非正規雇用が増え続け、実質賃金が低迷し、結婚が増えない場合、我々は普通に「日本人消滅」の路線をひた走ることになるのです。(プラス、出生率が最も低い東京への人口流入も止めなければなりません)

 具体的な政策としては、
1.財政拡大によりデフレ脱却を果たし、企業が「雇用環境を改善せざるを得ない環境」を作る
2.労働規制の強化(不本意な非正規雇用を撲滅する)
3.特に非正規の母数が大きい就職氷河期世代を中心に、公務員の雇用を増やす

 3で特に重要なのは、国家公務員というよりは、地方公務員(地方公共団体の職員)です。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※※竹村公太郎先生の「日本文明の誕生-神話から歴史へ-」の視聴が2月15日に終了となります。ご留意くださいませ。

 

【日本の地方公共団体総職員数(人)】
 
 橋本政権以降の緊縮財政により、我が国の地方公務員は減りに減り、ピーク(1994年)と比較し、何と54万人も減少。しかも、60万人以上が非正規(臨時・非常勤職員)。

 結果的に、地方公共サービスの質が下がり、特に非常事態(台風災害など)に対処が不可能となり、さらに安定的な雇用が消滅したことで、東京一極集中を加速。

 無論、地方自治体側にしても、好きで職員数を減らしたり、非正規に切り替えているわけではありません。

 日本政府が緊縮財政路線を継続し、地方交付税を削減していっているため「予算がない」というわけで、仕方なく、地元の良質な雇用を削減し、サービス品質を落としていっているのです。

 つまりは、
● 地方自治体側には、人材に対する需要が大きい
● 就職氷河期世代を中心に、良質な雇用を求める需要が大きい
 というわけで、本来であれば人材の需要側と供給側のニーズがマッチし、問題は解決に向かうのです。緊縮財政でないならば。
 
 ところが、財務省の緊縮財政とい「扇の要」が微動だにせず、短期の予算拡大はともかく、中長期的な予算拡大(要するに、地方交付税交付金の継続的な拡大)は望めない。 

 結果、出てきた就職氷河期対策が、
【第二百一回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説】
『雇用環境が好転している今、就職氷河期世代の皆さんの就業を、三年間集中で一気に拡大します。この世代に対象を絞った求人を解禁するなど、あらゆる施策を講じ、意欲、経験、能力を活かせるチャンスを広げていきます。』
 
 というわけで、3年間の「就職氷河期世代支援プログラム」が始まるのですが、今後3年間で650億円の予算を確保し、氷河期世代の正社員30万人増を目指すとのことです。

 ちなみに、プログラムの中には、
『★民間ノウハウの活用 ・就職相談、教育訓練・職場実習、採用・定着の全段階について、専門ノウハ ウを有する民間事業者に対し、成果連動型の業務委託を行い、ハローワー ク等による取組と車の両輪で、必要な財源を確保し、取組を加速』
 と、ばっちり「パソナ・ビジネス」が含まれています。

 デフレが続く中、パソナをはじめとする人材派遣業が跋扈し、非正規雇用が増え、今度は非正規雇用を正規化することで「チャリーン」と銭を稼ぐわけでございますね、分かりやすい、分かりやすい。ザ・マッチポンプ!

 ちなみに、3年間で650億円の予算など、誤差みたいなものです。デフレが続く以上、30万人正規社員化は実現しないでしょう。

 そうではなく、例えば30万人を年収500万円で「地方公務員」として雇用したらいかがですか。30万人が公務員になっても、1994年のピークにははるかに足りませんが。

 その場合、予算は「年」1兆5千億円で、しかも長期的に継続します。当たり前ですが、雇用された人々の所得や処遇を改善していく必要もあります。
 
 この種の「長期的な予算拡大」を、財務省は絶対に認めないのです。逆に、「3年で650億円」といった、短期の小さい額は、
「まあ、いいか」
 と、認める。

 昨年10月の消費税増税の際のキャッシュレス決済のポイント還元が認められたのは、今年の6月30日まで限定だったためです。それと同じです。

 結局のところ、緊縮財政という「扇の要」を壊せない限り、就職氷河期世代を中心とした非正規、低所得に苦しむ「同じ国民」は救われず、結婚も増えず、少子化が続き、東京一極集中も止まらず、日本人消滅路線は終わらないでしょう。

 扇の要である緊縮財政を叩き潰さなければなりません。我々の国家を繁栄路線に戻すには、他に方法はないのです。
 
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