坂爪洋美・高村静『シリーズダイバーシティ経営 管理職の役割』

 坂爪洋美先生、高村静先生から、ご共著『シリーズダイバーシティ経営 管理職の役割』をご恵投いただきました。ありがとうございます。

 佐藤博樹・武石恵美子両先生の監修になる「シリーズダイバーシティ経営」の最初の一冊ということのようです。書名のとおり、ダイバーシティ経営における管理職の役割についてさまざまな調査をもとに解説されています。
 以前、「イクボス」が提唱されはじめた当時、このブログでも若干の違和感を表明したいたのですが、なにかというとイクボスのキャリアというのがいまひとつ見えてこないわけですね。これがダイバーシティ全般に広がってくるとますますそうで、この本でも繰り返し書かれているように管理職の役割は大きく、仕事は難しくなるわけですが、それがキャリアにどのように反映されていくのか。たぶんプレイングマネジャーではやっていけないはずなので育成も含めたそのキャリアはどうするのか、「ダイバーシティが組織を活性化してイノベーションに結び付く」というのは可能性としてはもちろんあるわけですが、とはいえ現実の業務においてはやはり有能な部下を集めてバリバリ働かせる管理職が多くの成果を上げるという場面も多いはずで、このあたりをどう評価していくのかとか、もちろん「かくあるべし」はあるにしても現場がそれで納得するかという問題もあるわけで、けっこう難しい問題だろうなと思っていて、まあ授業の中でも「ダイバーシティ・マネジメントとキャリア管理」は1回使ってやっているわけですが、正直なところこのあたりはまだうまく説明できていません。
 まだパラパラと目を通しただけなのですが、こうした問題を考えるのに有意義な内容がたくさん含まれているように感じましたので、ぜひしっかりと勉強させていただきたいと思います。また、このシリーズの続刊にもおおいに期待したいと思います。