会見する岸田文雄首相=15日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)

「寅年」の参院選は〝荒れる〟ことが多く、前回2010年は与党だった民主党が敗北して与党側が過半数割れする衆参ねじれ状態に陥った。今回は、昨年10月に就任した岸田文雄首相の政権運営の是非が問われる。内閣支持率は一環して高く安定していたものの、ウクライナ情勢などを背景として物価高が忍び寄る。

さらに、18歳の女子学生に飲酒させたと週刊誌に報じられた吉川赳衆院議員(40)の〝パパ活〟疑惑が急浮上。10日に自民党を離党したものの、会見などは開かず議員辞職にも応じない姿勢に非難が殺到している。15日に退会したが岸田派議員だったこともあり、参院選に影響を及ぼす可能性が指摘されている。

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衆院本会議に臨む吉川赳議員=9日

通常国会閉会を受けて会見した岸田首相は、吉川氏について「一刻も早く国民への説明責任を果たすべきだ。果たせないなら議員としての進退に直結する問題になる」と言及。事実上、辞職を促す異例の発言をした。

「寅年」の参院選では他に、1998年に自民党が大敗して橋本龍太郎首相が辞任。74年は自民が過半数割れとなり、同年内に田中角栄首相(いずれも当時)が辞任する遠因となった。