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「公共交通インフラの建設計画が必要だ!」(前半)三橋貴明 AJER2022.8.30
  

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9月16日(金) 20:00〜 saya×杉田二郎 配信ライブ

https://in.saya-ohgi.jp/sayalive220916?cap=yt38

 

驚愕!緊縮派政治家は政府が「独立事業体」だと勘違いしている![三橋TV第599回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/B7F32d1Zud0

 


時局2022年10月号に連載「三橋貴明の経世論 第66回 財政破綻論による亡国」が掲載されました。

 ほとんど誰も気が付かなかっただろうし、気づいても気にしていないと思いますが、三橋TVのチャンネル名が「三橋TV」に変わりました。


 土曜日は三橋経済塾第十一期、第九回講義が開催されます。ゲスト講師は評論家の中野剛志先生です。こちらの動画を事前にご視聴頂くと、予習になると思いますよ。

 

 中野先生の新刊「奇跡の社会科学 現代の問題を解決しうる名著の知恵」で、フランス革命に代表される「抜本的改革」の愚かさについて解説されています。


 なぜ、抜本的改革が間違っているのか。理由は、人間の脳が「社会全体」の複雑な構成要素、関係等を全て把握できるほど、容量がないためです。


 電力サービスを例にとると、LNG採掘現場からコンセントまで、膨大な要素が繋がっている。その全てについて理解している人は、一人もいないとのことです(と、電力マンたちは口を揃えて言っていました)。


 無論、表層上のことは理解できます。とはいえ、現場の作業レベルに落とし込むと、電力サービス(だけではないですが)について「全て」を理解することは、人間にはできないのです。


 ライフライン一つとっても、そうなのです。さらに膨大な要素、情報、手法が複雑に絡み合った「人間社会」を、たかだか一人間の脳みそで「全て」把握することは不可能です。結果、「改革」の多くは「本当に必要なもの」「失ってはならない大切なもの」までをもぶち壊してしまう。


 だから、やめときなさい。過去から続いてきたものは、とりあえずは「マシ」という理由で続いている。ならば、どうにもならない部分だけメンテナンス(保守)する方が、グレートリセットよりもはるかにマシだろ。


 というのが、エドモンド・バーク以来の「保守主義」だと思うのですよ。

 

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【経世史論】三橋貴明と「歴史に魅せられて my」がお送りする、経世史論。

https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

特別コンテンツ「三橋貴明×大石久和氏 『特別対談』災害死史観の日本は生き残れるのか?(前編)」が掲載されました。

ぜひ、ご入会下さい。

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フランス革命、ポル・ポト政権...「抜本的改革」がことごとく失敗するワケ 中野剛志(評論家)
 組織に問題があるとき、「抜本的な改革」を推し進め組織をリフレッシュしようと考えるリーダーが多いだろう。しかし、そのようなラディカルなアプローチではかえって事を大きくしてしまい、取り返しのつかない結末を迎えてしまうことも…。
 保守の元祖と言われているイギリスの政治家エドマンド・バークは、18世紀の古典『フランス革命の省察』の中で、すでに「抜本的改革」の問題を見抜いていたという。
 現代にも通用する叡智のかたまりともいえる彼の保守思想の中から、「抜本的な改革」に代わるより効果的なアプローチを紹介する。
◆社会を抜本的に変えてはいけない理由
 政治勢力や政治信条の分け方に、「保守」と「革新」、あるいは「保守」と「リベラル」というのがあります。その「保守」の元祖と言われているのが、18世紀のイギリスの政治家エドマンド・バーク(1729~97)です。
 1789年にフランス革命が勃発した時、バークは『フランス革命の省察』を著して、フランス革命のあり方を激烈に批判しました。
 フランス革命は、ただ王政を打倒するというものではなく、社会を合理的なものへと抜本的に造り変えようとするラディカルな運動でした。これに対して、バークは、社会を合理的なものへとラディカルに変えようとすること自体に反対し、その理由を雄弁に語りました。
 この『フランス革命の省察』によって、バークは「保守主義の父」とみなされるようになりました。バークが「保守」の元祖となったのは、社会を抜本的に変えることに反対したからです。その理由は、簡単です。それは、社会は複雑なものであるのに対して、人間の理性には限界があるからです。
 つまり、人間は、社会というものを十分に理解していない。社会だけではなく、1人の人間についてすら、複雑で精妙なので、よく分かっているとはいえません。普通に考えて、よく分かっていないものを抜本的に改革したところで、それが成功するはずがないでしょう。
 バークが革命とか抜本的改革とかに反対したのは、人間の理性というものが不完全であるからという、その1点に尽きます。ラディカルな改革が失敗する理由は、「社会も人間も複雑微妙だから」です。
 社会の複雑さ、人間の微妙さに耐えられない人たちが、抜本的改革をやりたくなるのだと言ってもよいでしょう。(後略)』

 例えば、「農業改革」「農協改革」を推進している連中は、食料安全保障について完璧に無視していた。もしかしたら「故意」だったのかも知れませんが、2015年以降の農協改革の議論で、食料安全保障の議論は全くなかった(※我々を除き)。
 

 結果的に、日本は食料危機に陥った(過去形)。
 

 食料安全保障一つとっても、「全て」を理解している人間はいない。何しろ、ことは食べ物の問題にとどまらない。
 

 我々は、何を食べているのか。もちろん、農産物を食べているわけですが、実は「化石燃料」も食べている。肥料は、リンやカリを外国から輸入し、製造するために、膨大な化石燃料が消費されています。さらには、農地でトラクターなどを動かすためにも、化石燃料が消費される。生産された農産物が我々の手元に届くまで、加工、運送、小売り等の事業で使われる電気は、化石燃料(主にLNG)を燃やすことで発電されている。


 我々は化石燃料を食べている。異様にエネルギー効率が高い化石燃料(特に石油)なしでは、我々は現在の生活レベルを維持するエネルギーを獲得できない。
 

 といった「事実」を理解し、「農協改革」を叫んでいた人は、一人もいないと思いますよ。
 

 無論、わたくしは鳥瞰的に、マクロ的に全体の流れは理解しています。だからと言って、例えば「天然ガス採掘現場の作業」「LNG化のプロセス」「肥料の製造工程」などなど、全く知りませんよ。


 全てを理解していない以上、抜本的改革などやってはならない。というか、実際にやるとろくなことにはならない。


 90年代以降の日本国民は、「改革」の愚かさを嫌というほど味わった。それにも関わらず、思考停止的に「改革は善」と考える国民が減少していないとなると、そんな国は普通に亡びるでしょう。
 

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