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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

岸田政権の試金石は「日本学術会議の会員任命拒否を覆せるか」。森友・加計・桜を見る会再調査とともに、安倍・菅政権の専制支配政治や反知性主義を断ち切れるかが問われている。

2021年10月03日 | ダメよダメダメ岸ダメ政権

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 これまで9年間政権を担当してきた安倍晋三氏と菅義偉氏に比べると、確かに岸田文雄氏の方が人柄は良さそうで、私の権力批判の矛先もやや鈍りそうなんです、これでも(笑)。

 また、2016年以来続いてきた安倍・麻生・菅・二階の4者がスクラムを組んで悪事の限りを尽くす態勢よりは、今回の自民党総選挙で二階氏と菅氏は影響力を減じたのはややマシになったといえます。

 菅氏が推した彼と同じくらい性格の悪い河野太郎氏は落選しましたし(笑)、二階氏の息のかかった人物が党の役職にいないというのは画期的でしょう。

 

 

 その分、安倍・麻生・甘利氏らの3A支配が突出したのですが、二階・菅勢力とは分裂してしまったので、長老支配の力は実は確実に落ちています。

 あの嫌味な麻生氏も副総理・財務大臣から単なる自民党副総裁に格下げになりましたから、歪んだ顔を見る機会が大幅に減るのでホッとしますww

 

 

 そうなんですけれども、岸田派が自民党内の第5派閥で岸田氏の党内基盤は弱いし、総裁選挙でも安倍が推した高市氏の票を流してもらって勝ったので、岸田氏がその温厚(優柔不断)な性格も相まって、安倍・麻生支配からどれだけ脱却できるかが一番の課題です。

 その焦点となるのが実は学術会議の会員任命問題だと思っています。

 菅総理が日本学術会議の会員候補のうち6人を除外して任命してから1年となる2021年10月1日、「安全保障関連法に反対する学者の会」呼びかけ人の大学教授ら5人が東京都内で記者会見しました。

 菅総理に対して

「任命拒否という違法な措置による6人の欠員を放置し、責任を果たさぬまま職を去ることになった」

と批判し、岸田新政権がこの6人の方々をただちに任命するよう求めたのです。

 

 

 この声明では

「菅首相は一貫して説明責任を果たさず、科学を軽視して新型コロナウイルス感染症に対応したことが、被害をことさらに大きくした」

と批判し、学術会議元会長の広渡清吾・東大名誉教授は

「任命拒否問題のひどさをきっかけに、学術会議に関心をもって支持する人が社会に広がり、1千以上の学会や市民団体などが首相の措置を批判する声明を発表した」

と話しました。

 

菅総理が日本学術会議の人事に介入。学術会議への入会を推薦されたのに安保法案や共謀罪などに反対した学者の任命を拒否。学問の自由、思想良心の自由の侵害で憲法違反だ。

 

 

 2020年に菅総理が任命拒否をした先生方には、私も親しくしていただいている方もおられるのですが、皆さん安倍政権の安保法案に反対するなど、安倍元首相にとって厄介な人ばかり。

 当然、菅氏も官房長官として煮え湯を飲まされてきたので、安倍政権からの引継ぎ事項としてこの6人の任命を拒否しました。

日本学術会議任命問題で菅総理迷走。研究内容によって不利益を与えるのが学問の自由侵害。さらに思想に基づいて任命拒否をすることは一般の公務員であっても許されない思想良心の自由侵害。

 

 

 実は、この任命拒否という違法行為を裏で取り仕切ったのは杉田和博官房副長官です。

 警察官僚で菅氏の信頼が厚く、内閣人事局長も兼務して、安倍・菅官邸による官僚支配を取り仕切ってきた杉田氏も、齢80歳の上に体調不安があるので、今回の岸政権の発足で辞任します。

 任命拒絶を直接した菅総理と,取り仕切ったの杉田氏が去るのですから、菅総理が下した誤った決断をひっくり返すのに岸田氏には何の障害もありません。

菅総理に学術会議推薦者の排除を提言した杉田副官房長官の経歴。警視庁→神奈川県警本部長→警察庁→内閣情報調査室長→第二次安倍政権発足から内閣官房副長官←今ココ

 

日本学術会議の会員推薦名簿。菅総理「推薦名簿は見ていない」→加藤官房長官「推薦者が全員添付されてたが詳しく見ていない」→菅総理が事前に全員の名前を見て判断←今ココ。やはりアホだった(笑)。

 

 

 また、この6人は安倍政権の政治を批判しただけで、岸田氏に対してとやかく言ったわけではありません。

 なので、岸田氏が内閣総理大臣になったら、学術会議の推薦通り任命し直すことはフリーハンドでできるのです。

 逆にこれだけ条件がそろってもまだ、岸田氏が学問の自由や思想良心の自由に反する任命拒否をまだ続けるなら、これは安倍元首相への忖度以外の何物でもありませんし、ソフトな表向きの顔とは裏腹に、実は人権や知性を軽んじる傾向は安倍・菅両首相と同じということになります。

 この学術会議推薦の6人の学者を任命するかしないか、それが岸田内閣の試金石だというのはそういう意味なのです。

 

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日本学術会議会員推薦者の任命拒否問題で、拒否された学者が記者会見。実質的な任命権が総理にあるのなら罷免する権限も法律上規定されているはずだがそれがない以上、菅総理に任命権はないのだ。

菅総理「学術会議推薦の名簿を見ないで任命したら6人外れちゃった~」の大嘘。学者を研究内容で差別するのは学問の自由侵害。ネトウヨ・阿呆コメンテーターの論点ずらしに誤魔化されるな。

黒川検事長問題の時の検察庁法と同じ。また菅首相が日本学術会議法の解釈を変更して、学術会議の推薦を拒否しても適法だとしようとしている。#日本学術会議への人事介入に抗議する

【素人か!】橋下徹氏「学術会議のメンバーに入らなくても学問はできるのだから学問の自由の侵害になるわけがない。むしろ学術会議は軍事研究の禁止と全国の学者に圧力をかけているがこちらの方が学問の自由侵害」

 

 

学者がどんな思想を持ちどんな研究をしているか、どういう意見を発表しているかによって、利益不利益を権力が与えたら、それは思想良心の自由や学問の自由(研究発表の自由を含む)を完全に侵害する、憲法違反の行為であることは明らかです。

ですから、日本学術会議法は内閣総理大臣に学術会議からの推薦通りに形式的に任命する権限しか与えておらず、拒否するのはこの法律にも反するのです。

岸田政権が安倍・菅両政権の人権蹂躙を正し、知性を尊重する立場に立てるのか、早くも剣が峰と言えるでしょう。

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声明を読み上げる「安全保障関連法に反対する学者の会」のメンバー=東京都千代田区で

声明を読み上げる「安全保障関連法に反対する学者の会」のメンバー=東京都千代田区で

 菅義偉首相が日本学術会議の会員候補6人の任命を拒否した問題の発覚から1年となる1日、「安全保障関連法に反対する学者の会」(発起人代表・佐藤学東京大名誉教授)は東京都内で記者会見し「任命拒否は民主主義の基本に背く」として6人の任命を改めて求める声明を発表した。
 
 声明では任命拒否を「日本学術会議法が定め、従来の政府が確認してきた会員選考手続きに反する違法な措置」と批判した上で「科学の政治からの自律性の保障は民主主義社会の基本」と訴えている。
 
 任命拒否された6人は同会の呼び掛け人や賛同者。会見で日本学術会議の広渡清吾・元会長は「任命拒否の理由を述べないまま菅首相が職を去るのは無責任」と厳しく指摘した。新首相選出見通しの岸田文雄・自民党新総裁が「任命拒否の撤回はしない」とした点について佐藤名誉教授は「1年放置という異常事態に気付かない人が首相になることに憤っている」とした。
 
 また、大学教授や作家らでつくる「学問と表現の自由を守る会」は2日午後6時、任命拒否された加藤陽子東京大教授(歴史学)らを招き、座談会「あれから1年、私たちの自由は? そして社会は?」を開き、無料でライブ配信する。
 
 視聴は動画投稿サイト「ユーチューブ」の「Choose Life Project」チャンネルで。(加藤益丈)

◆最後まで理由説明せず退陣 官房長官「手続きは終わっている」

 加藤勝信官房長官は1日の記者会見で、日本学術会議が推薦した会員候補6人の任命を菅義偉首相が拒否した問題を巡り「任命権者の首相が最終判断したもので、一連の手続きは既に終了している」との認識を重ねて示した。任命拒否の理由についても「個々の人事で具体的に説明しえるところと、しえないところがある」と、これまでの発言を繰り返した。
 
 任命拒否問題が発覚して1日で1年となったのに先立ち、学術会議の梶田隆章会長が先月30日に記者会見し、次の首相にも6人の任命を求めていく考えを示したのを受け、記者団が質問した。菅内閣は4日に総辞職するが、最後まで任命拒否の理由を明らかにしないままの退陣となる。
 
 加藤氏は会見で、今後の日本学術会議の在り方について「政府と梶田氏との間でコミュニケーションを図りながら検討が進められている」と説明した。
 
 首相は9月28日の記者会見で指名されなかった記者から文書で寄せられた質問に対する書面回答で、「必ず推薦のとおりに任命しなければならないわけではない。今後の任命も日本学術会議法に沿って行われるべきものと考える」と答えた。(村上一樹)
 
 
 
 
ズームで記者会見をし、菅首相による学術会議の推薦候補者の任命拒否から1年で所感をのべる梶田隆章会長=30日、ズームより

ズームで記者会見をし、菅首相による学術会議の推薦候補者の任命拒否から1年で所感をのべる梶田隆章会長=30日、ズームより

 日本学術会議の梶田隆章会長は30日、同会議幹事会後の記者会見で、昨年10月に発覚した菅義偉首相が会員候補の6人を任命拒否した問題について「1年を経過した現時点でも、問題の解決も、説明もされない状況が続いている。このような状態の長期化はとうてい受け入れられない」と述べ、4日に新首相に選出される見通しの岸田文雄・自民党総裁に、任命拒否の撤回を求める意向を示した。
 同会議は6人の任命を求めて昨年10月以降、菅首相に要望書を提出し、井上信治・科学技術担当相との面談で複数回にわたり要望。今年4月にも6人の即時任命を求める声明を発表し、併せて任命を拒否した理由の説明も求めてきた。
 梶田会長は「学術会議の存在意義を厳しく問い返すことを求められた試練の1年になった」と振り返りつつ、「会議が推薦した候補者が任命されず、理由も説明されない状態では、科学と政治の信頼醸成と対話を困難にする」と指摘した。
 任命拒否問題について岸田氏は、総裁選中の9月13日の記者会見で「任命拒否の撤回はしない」と明言している。これに対し梶田会長は「次の首相にも、6人が任命されるよう、きちんと努力していく」と引き続き任命拒否の撤回を求めるとした。
 また、首相の管轄下にありながら独立した位置づけとなっている同会議について昨年10月以降、組織の在り方を見直す議論も続いている。梶田会長は「この1年、改革のために頑張った。現在の困難な状況を乗り越え、希望にあふれた未来の創出のために努力したい」と話した。
 同会議によると、昨年10月以降、定年などで会員2人が欠員になった。今後、任命拒否された6人とともに、この2人についても補充候補者を選び、任命を求めるという。(望月衣塑子)
 
 
 

加藤長官、学術会議会員任命拒否「既に終了」

今後の日本学術会議の在り方については「政府と梶田氏との間でコミュニケーションを図りながら検討が進められている」と語った。

 

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1 コメント

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香港の民主派のよう (ゴメンテイター)
2021-10-03 16:29:50
冒頭の画像を見たとき、香港当局による民主派の指名手配のように感じました。
都合の悪い者たちを排除する姿勢は同じ。
何かというと「中國は・・・」と言う人たち。自国の無法ぶりにしっかり目を向けなきゃ。

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