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「落選させるべき自民党議員(前半)」三橋貴明 AJER2020.8.4

    

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※当日、参加できない場合、アーカイブ視聴が可能です。

 

 
 時局 2020年9月号 に、連載「三橋貴明の経世論 第41回 全ての日本企業を救う」が掲載されました。
http://www.jikyokusya.com/jikyoku.html

 日本のマネーストックが急増しています。

『7月のマネーストック、「M3」は前年比6.5%増 「M2」は7.9%増
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL11HQT_R10C20A8000000/
 日銀が12日発表した7月のマネーストック(通貨供給量)速報によると、代表的な指数のひとつである「M3(現金、銀行などの預金)」の月中平均残高は前年同月比6.5%増の1452兆7000億円だった。
 M3からゆうちょ銀行などを除いた「M2」は同7.9%増、M3に国債や投資信託を加えた「広義流動性」は同4.8%増だった。』

 というわけで、例により、グラフ。

【日本のマネタリーベース、マネーストック(左軸、兆円)、貨幣乗数(右軸、倍)】
http://mtdata.jp/data_71.html#MBMS

 マネーストックとは、金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量と定義されます。
 具体的には、一般法人、個人、地方公共団体などが保有する現金紙幣、そして預金です。金融機関や中央政府が保有する金融資産は除きます。

 ポイントは、
「日本銀行が金融機関に発行する日銀当座預金」
 は含まれていないという点です。

 つまりは、銀行が日銀当座預金を「引き出す」形で発行され、社会に流通する現金紙幣。及び「銀行が貸し出すことで発行した預金貨幣」の総額になります。わたくしは、マネーストックを習慣的にM2で見ますが、別にM3でも趨勢は変わりません。
 
 ちなみに、マネタリーベースとは、現金紙幣+日銀当座預金+硬貨です。現在、日本銀行はマネタリーベースを拡大(国債買入等)していますが、マネーストックが十分に増えないため、「=マネーストック÷マネタリーベース」で計算される貨幣乗数が、2倍を切っています。そもそも、マネタリーベースとマネーストックに直接的な関係はないため、あくまで「目安」ですが。

 現金紙幣は、額的に113兆円と小さい(相対的に)ため、マネーストックのメインは銀行預金になります。
 
 すでにご理解されているでしょうが、銀行は「どこかから貨幣を調達し、貸している」わけではないため、M2(やM3)を見ると、「銀行の負債」である預金貨幣の発行ペースを見ることができます。

 グラフを見れば分かりますが、日本のマネーストックは今年の6月以降に急伸しています。

 ここで質問です。

 マネーストックのメインである銀行預金は、誰かが「借入」しない限り、絶対に増えません。それでは、6月以降に銀行からの借入を増やした経済主体は、誰でしょうか。

 もちろん、日本政府です。

 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

※特別コンテンツ、近現代史研究家・林千勝先生【大東亜戦争の真実~近衛文麿の野望~】が視聴可能となりました。

 

【政府が国民に10万円を現金給付する際のプロセス】


http://mtdata.jp/data_70.html#100000

 日本政府が国債を発行し、銀行から日銀当座預金を借りる。
 日本政府は、借り入れた日銀当座預金を担保に、銀行に「振込指示」をする。
 持続化給付金や特別定額給付金などで、銀行は皆さんがお持ちの預金口座の残高を増やす。この時点で、マネーストックが拡大。
 銀行は政府指示により「負債」である銀行預金を発行させられた(増やさせられた)ため、政府に決済を依頼。日銀が、政府保有の日銀当座預金を銀行に移し(実際には、政府側の預金の数字を減らし、銀行側を増やす)決済。


 というわけで、政府が国債を発行して支出すると、国民の銀行預金の口座残高が増え、マネーストックは拡大します
 

 どや~っ!!!という感じですが、重要なのはマネーストックが増えたからといって、「GDP」が増えるとは限らないという点です。


 例えば、今回の特別定額給付金を皆さんが受け取り、一円も消費に回さない場合、GDPにはなりません。(わたくしは10万円で翡翠の印鑑を買ったので、GDPを増やした。どや~っ!)
 あるいは、誰かが銀行から貨幣を借りたとして(=マネーストック増加)、それを株式や土地、為替(外貨)の購入に回した場合も、GDPにはなりません。土地や株式、外貨は「財・サービス」ではないためです。
 

 GDPとは、あくまで、
「誰かが働き、生産した財やサービスに対し、誰かが貨幣を支出した」
 という、所得創出のプロセスが回らない限り、増えないのです。


 ともあれ、昨日の内閣府の試算が示した、
「政府がPB(基礎的財政収支)の赤字を削減すると、民間(家計、企業)の黒字が減る」
 同様に、
「政府が国債を発行すると、国民の預金が増える」
 もまた、コロナ禍を受けた日本政府が「証明」してくれたわけでございます。


 個人的には、本エントリーの、
「銀行預金は、誰かが貨幣を借りない限り、絶対に増えない」
 という真実が、「正しい貨幣観」を理解するための「鍵」になるのではないかと考えています。(だからこそ、三橋TVでしつこく取り上げています)


 正しい貨幣観を国民が共有し、正しい財政政策で祖国を亡国から救いましょう。
 

 最低でも、
「政府の赤字は、国民の黒字」
「銀行預金は、誰か(※政府でも可)が借り入れない限り、増えない」
 この二つでも理解してもらえれば(単なる事実ですし)、道は開けます。
 

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