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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

国連特別報告者たちが新型コロナ感染症に関して2つの声明を発表!「国家は緊急対策を人権抑圧のために濫用してはならない」「例外はあってはならない: “すべての人は人命救助を受ける権利がある”」

2020年04月03日 | 自公政権の拙劣なコロナ対策

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 国連特別報告者とは、国連人権理事会が選んだ、独立した専門家です。43人のテーマ別特別報告者がいます。それとは別に、13人の国別独立専門家がいます。

 特別報告者は国を代表するわけでも、国連の職員でもありません。一切給料もらっていないボランティアで、普段は大学で教えていて国際的に活動しています。各国に公式訪問に行く際は、特別報告者には調査日当と経費は出ます。

 特別報告者は各国に書簡を出すほか、「公式訪問」を行い、その結果を「調査報告書」としてまとめて人権理事会に提出します。

 国連特別報告者が国を代表するものではなく、国連の職員でもない客観的な専門家だからこそ、その報告・意見は国際的に重要視されています。

国連特別報告者たちから、日本政府も数々の人権問題の指摘を受けてきた。

 

 

 この国連特別報告者の有志たちが、世界中でまん延している新型コロナに関して、人権擁護の観点から2つの声明を発表しました。

 たとえば、日本の厚労省は、新型コロナウイルス対策の一斉休校の影響で休職した保護者の支援策として、一定の休業補償を行う厚生労働省の制度は、接待を伴うナイトクラブなどの飲食店や、風俗業の関係者を支給対象外としています。

 

 厚労省はその趣旨を

「公金を投じるのにふさわしくない業種との判断だ」

としていますが、これらの仕事をしている方は30万人とも言われており、中にはシングルマザーとして子育てをしている方も多いわけです。

 親の職業によって救済の対象から外すのはまさに、

「新型コロナウィルス感染症に関して例外はあってはならない:“すべての人は人命救助を受ける権利がある”」

の声明に真っ向から反することになります。

 

 日本に暮らす外国人についても、右翼の一部が感染症対策から外すべきだというような議論をしていますが、上の声明からはもってのほかということになります。

 また、一つ目の「国家は緊急対策を人権抑圧のために濫用してはならない」という声明は、日本がこれから出すかもしれない緊急事態宣言とその後の措置について、非常に重要な内容を持っています。

 では、さっそくお読みください。

 

「日本の表現の自由を考える会」ホームページより

新型コロナ感染症:国家は緊急対策を人権抑圧のために濫用してはならないー国連専門家

ジュネーブ(2020年3月16日):国連の人権専門家*は今日、コロナウイルスの流行への対応で各国が安全保障のための手段を濫用しないように要請し、また緊急事態における権力行使は、反対意見を抑えるためになされてはいけないことを国家に想起させた。

人権専門家は

「我々は現在の健康に対する危機は深刻であると認め、大きな脅威に対する非常権限の行使は国際法上許容されていることを認めつつ、国家に対しては、コロナウイルに対するいかなる緊急の手段も、均衡のとれたものであり、必要かつ非差別的なものでなければならないことに強く留意することを要請する」

と述べた。このような要請は、コロナウイルス大流行への対応においては、人権がその中心に位置づけられなければならない、とする最近の国連人権高等弁務官による要請を反映している。


健康や安全に対しての如何に関わらず、緊急事態の宣言については国際法に了然たる手引きが明記されている、と国連の専門家は述べた。

「非常権限の行使は公的に宣言されるべきであり、また移動や、家族生活、集会に関する基本的人権が著しく制限される場合において、関連のある条約機関への通告を要請する」。

「さらに、コロナウイルスの流行に基づく緊急事態宣言は、特定の集団やマイノリティー、個人を標的にするために行使されるべきではない。またそれは、医療という名目で弾圧的な措置を隠蔽したり、あるいは人権擁護者を沈黙させたりするために使われてはならない」。

「ウイルスに対する制約は、合法的な公の医療目的であるべきであり、また少数意見を鎮圧するために行使されてはならない」。


国家や安全保障機関のなかには、非常権限の行使は手っ取り早い方法を提供するため、魅力的なものだとみなすところもあるだろう、と専門家は言う。

「過度の権力が法律や政治システムに組み込まれるのを阻止するために、規制は狭く規定され公共衛生を守るため干渉が最小限の手段であるべきだ。」

最後に、ウイルスが終息に向かっている国において、当局は生活を日常に戻すために努力すべきであり、無期限に日常生活を抑制する目的での非常権限の過剰な行使は避けなければならない、と彼らは言う。

国連の専門家曰く、

「法の支配と人権の保護とともにある健全な社会の出現を促進するために、我々は各国に対し人権に基づいたパンデミック抑制の手段を断固として維持することを勧める。」


反テロに関する特別報告者Ms Fionnuala D. Ní Aoláin
略式裁判による刑の執行Ms Agnes Callamard
表現の自由に関する特別報告者Mr David Kaye
人権擁護者の状況に関する特別報告者Mr Michel Forst
集会結社の自由に関する特別報告者Mr Clément Nyaletsossi Voule
健康への権利に関する特別報告者Mr. Dainius Pūras
教育への権利に関する特別報告者Ms Koumbou Boly Barry
プライバシーの権利に関する特別報告者Mr Joe Cannataci
思想信条の自由に関する特別報告者Mr. Ahmed Shaheed
発展の権利に関する特別報告者Mr Saad Alfarargi
居住の権利に関する特別報告者Ms Leilani Farha
水と公衆衛生への人権に関する特別報告者Mr Léo Heller
人権と国際連帯に関する独立専門家Mr Obiora C. Okafor
民主的かつ公平な国際秩序の促進に関する独立専門家Mr Livingstone Sewanyana
司法の独立に関する特別報告者Mr Diego García-Sayán
恣意的拘禁に関するワーキンググループMr. José Antonio Guevara Bermúdez , Ms. Leigh Toomey , Ms. Elina Steinerte , Mr. Seong-Phil Hong and Mr. Sètondji Adjovi;
失踪に関するワーキンググループMr Luciano Hazan , Mr Tae-Ung Baik  Ms Houria Es-Slami,  Mr Bernard Duhaime and Mr Henrikas Mickevicius


英語原文 https://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=25722&LangID=E
和訳文責: 藤田早苗、翻訳チーム

 

 

 

新型コロナウィルス感染症に関して例外はあってはならない: “すべての人は人命救助を受ける権利がある”-国連専門家

ジュネーブ(2020年3月26日):国連の人権問題の専門家は、コロナウイルスの危機は、公の医療や緊急措置だけでは解決することが難しく、その他の人権問題についても積極的に議論されるべきであると述べた。

専門家は、

「すべての人は、例外なく人命救助を受ける権利をもち、そしてそれは政府の責任として義務付けられている。資源や公的または民間の保険が不足していることは、特定の患者集団に対する差別を正当化する理由にしてはいけない。」

と述べる。

「すべての人は健康への権利をもつ。それは、障害を持つ人々、高齢者、マイノリティーの集団、先住民族、国内避難民、極度の貧困状態にある人々、人口密度の高いところに住んでいる人々、居住型施設に住んでいる人々、留置所にいる人々、ホームレスの人々、移民や難民の人々、薬物依存の人々、LGBTやジェンダーの多様な人々、全てを含み、これらの人々や集団は政府からの支援を受ける必要がある。」


「生物医化学の進歩は、健康への権利を実現するためには非常に重要である。しかし、同様に重要なものは、すべての人権である。差別の禁止、参加、エンパワメント、説明責任の原則など、これらは健康に関するすべての政策に適用されなければならない。」

国連の専門家は、パンデミックを阻止するためWHOによって推奨されている対策を支持した。彼らは、国家に対して、公衆衛生システムに関わるすべてのセクター(予防と発見、治療と回復の全過程に関わるもの)に対し、強い決意を持って必要なリソースを配分するための行動を呼びかけた。

「しかし、この危機に対応するためには、それ以上のことが必要である。国家は、危機によって不相応に影響を受け、最もリスクにさらされている人々に支援が行き届くように、追加の社会的保護措置を講じなければならない。」

と専門家は強調した。


「その中には、すでに社会的・経済的に不利な立場にあったり、さらなる介護の負担に耐えたり、性別による暴力のリスクが増大した中に暮らしている女性を含む」

専門家集団はアウトブレイクに対し勇敢に戦う世界中の医療従事者に感謝と賞賛を表明した。

「彼らは膨大な仕事量に直面し、自分の命をリスクにしながら、リソースが不十分な場合は、耐え難い倫理的なジレンマに直面することを強いられている。医療従事者は政府やビジネス界、メディア、大衆全体から可能な限りのサポートが必要である。」

専門家は

「COVID-19は深刻な世界規模の課題である」

と言う。

「しかしながら、これは普遍的な人権の原則を再び活性化するための警鐘でもある。これらの原則と科学的な知識への信頼は、フェイクニュースの流布や偏見、差別、不平等そして暴力に勝るべきである。我々は前代未聞の課題に直面している。

この危機に際し、特にビジネスセクターは人権義務を負う。協調的な多国間努力、連帯と相互信頼があって初めて、我々はパンデミックを打ち負かし、より回復力をもち、成熟し、団結する。COCID-19のワクチンが発明されたら、差別なく提供されなければならない。

それまでの間、人権に基づくアプローチは健康への大規模な危機に対するもう一つの効果的な進路であることは既知のことである、と専門家は締めくくった。


健康への権利に関する特別報告者 Dainius Pūras
女性への暴力に関する特別報告者Dubravka Šimonović,
思想信条の自由に関する特別報告者Ahmed Shaheed
性的指向とジェンダー・アイデンティティーに関する独立専門家Victor Madrigal-Borloz
イランに関する特別報告者Javaid Rehman
高齢者によるすべての人権の享受に関する独立専門家Rosa Kornfeld-Matte
水と公衆衛生への人権に関する特別報告者Léo Heller
真実・正義・賠償・再発防止保証の促進に関する特別報告者Fabian Salvioli,
マリに関する特別報告者Alioune Tine
少数者問題に関する特別報告者Fernand de Varennes
人権と国際連帯に関する独立専門家Obiora Okafor
スーダンに関する特別報告者Aristide Nononsi
人権と環境に関する特別報告者David R. Boyd
現代奴隷制に関する特別報告者Urmila Bhoola
アフリカ系の人々に関するワーキンググループAhmed Reid (Chair), Dominique Day, Michal  Balcerzak, Ricardo A. Sunga III, and Sabelo Gumedze,
発展の権利に関する特別報告者Saad Alfarargi,
先住民族の権利に関する特別報告者Victoria Tauli Corpuz,
民主的かつ公平な国際秩序の促進に関する独立専門家Livingstone Sewanyanan,
障害者の権利に関する特別報告者Catalina Devandas Aguilar
ミャンマーに関する特別報告者Yanghee Lee
女性差別に関するワーキンググループElizabeth Broderick (Vice Chair), Alda Facio, Ms. Ivana Radačić, Meskerem Geset Techane (Chair), Melissa Upreti,
中央アフリカ共和国の人権状況に関する独立専門家Yao Agbetse
1967年以降占領下のパレスチナの人権状況に関する特別報告者S. Michael Lynkthe
ハンセン病患者とその家族への差別撤廃に関する特別報告者Alice Cruz
拷問と非人道な扱いに関する特別報告者Nils Melzer
人権と環境に関する特別報告者 David R. Boyd
カンボジアの人権状況に関する特別報告者Rhona Smith
アルビニズムの人たちの人権の享受に関する独立専門家Ikponwosa Ero
エリトリアの人権状況に関する特別報告者Daniela Kravetz
表現の自由に関する特別報告者David Kaye
べラルースの人権状況に関する特別報告者Anais Marin,
多国籍企業と人権に関するワーキンググループGithu Muigai (Chair), Anita Ramasastry (Vice-chair), Dante Pesce, Elzbieta Karska, and Surya Deva
集会結社の自由に関する特別報告者Clément Voule,
反テロに関する特別報告者Fionnuala D. Ní Aoláin
人権擁護者の状況に関する特別報告者Michel Forst
国内避難民に関する特別報告者Cecilia Jimenez-Damary
恣意的拘禁に関するワーキンググループJosé Antonio Guevara Bermúdez (Chair), Leigh Toomey (Vice-Chair on Communications), Elina Steinerte (Vice-Chair on Follow-up), Seong-Phil Hong and Sètondji Adjovi
失踪に関するワーキンググループ Luciano A. Hazan (Chair), Tae-Ung Baik (Vice-chair), Houria Es-Slami, Henrikas Mickevičius, Bernard Duhaime,
人種主義と人種差別に関する特別報告者E. Tendayi Achiume
文化的権利に関する特別報告者Karima Bennoune
ソマリアの人権状況に関する独立専門家Bahame Nyanduga,
こどもの性的搾取に関する特別報告者Maud de Boer-Buquicchio

 

英語原文https://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=25746&LangID=E
和訳文責:藤田早苗と翻訳チーム

 

私の友人の医師が働いている診療所の関連病院からたった一人新型コロナに感染した従業員が見つかっただけで、この病院に入院している別の病気の患者さんが買い物に行けなかったり、別の職員の子供が保育園で預けるのを断られたり、すさまじい差別が起こっているそうです。

皆さん、いま誰が感染しているかしていないか、誰にも分りません。明日は我が身です。大切にしあいましょう。

また、不安に駆られて政府により強力な措置を断行してほしいと願う人が増えているようですが、そこには人権侵害の可能性もまたあることを銘記しましょう。

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ナイトクラブや風俗業、休業補償の対象外 厚労省「公金助成ふさわしくない」に批判

毎日新聞2020年4月3日 07時00分(最終更新 4月3日 07時00分)

厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関で、竹内紀臣撮影


 新型コロナウイルス対策の一斉休校の影響で休職した保護者の支援策として、一定の休業補償を行う厚生労働省の制度は、接待を伴うナイトクラブなどの飲食店や、風俗業の関係者を支給対象外としている。厚労省は「公金を投じるのにふさわしくない業種との判断だ」と説明するが、ツイッター上などでは「命に関わる問題なのに、特定の業種の人にだけ支給しないのは差別ではないか」と批判の声が上がっている。

 この制度は、一斉休校に伴って保育園や小学校、特別支援学校などに通う子どもの世話のために休業した保護者に対し、有給休暇を与えた事業者に1日分8330円を上限に賃金相当額を助成金として支給。また、業務委託を受けて個人で仕事をするフリーランスの保護者に対しても一定の基準を満たせば、休校に伴う休業について1日4100円を支給する。

 厚労省によると、制度では「暴力団員」や「暴力主義的破壊活動を行った、または行う恐れがある団体」の所属者などと並び、「接待を伴う飲食業」や「性風俗業」の関係者を支給の対象外としている。

 これについて、ツイッター上などでは「完全な差別ではないか」「シングルマザーで、接客や風俗の仕事で生計を立てる人も多い。支援が必要だ」という指摘が上がっている。風俗業で働く人々を支援する当事者団体「SWASH」は2日、「全ての親子の生存権を守るべきだ。(この不支給要件で)風俗で働く人への差別を助長する」として、要件を見直すよう求める要望書を厚労省に提出した。

 厚労省の担当者は「この制度に限らず、雇用に関する助成制度では、全般的にこうした業種は対象外とされている。風営法上の許可を得ている事業者であっても、公金を使って助成するのはふさわしくないと判断した」と説明している。

 感染が拡大している東京都では、小池百合子都知事が「夜間の飲食業の場で感染したと疑われる事例が多発している」として、出入りを自粛するよう要請。一方で「影響を受ける飲食店など事業者や従業員への支援を国に求めるとともに都独自の対策も考える」としている。「フリーター全般労働組合・キャバクラユニオン」も「サービス業や夜の仕事を中心に、不況もいっそう深刻化する。補償も給付も一切行われなければ、生活の破綻を待つしかない」と、政府に補償を求める声明を発表している。【中川聡子】

 

 

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