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「物流24年問題の実態と解決策(前半)」三橋貴明 AJER2024.3.5
 

  

令和の政策ピボット呼びかけ人に「独身研究家 荒川和久先生」が加わって頂けました。

 

上場企業が過去最高益!その裏事情とは?〜配当金が20年で7倍になったカラクリ[三橋TV第831回] 三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/OiTgkkKnjPo

 

 1月3日(日)に予定されており、能登半島地震の影響で延期になっていた「We are the 99% 国民からの果たし状~財務省から国民主権を奪還せよ~」が、いよいよ本日開催されます!

 

YouTubeライブ 
ツイキャス 
Facebookライブ 
 で同時配信となります。
※ YouTubeライブ、Facebookライブの配信不具合が続いております。安定しているツイキャスでのご視聴もご用意いただきたくお願い申し上げます。

 

 2025年プライマリーバランス(基礎的財政収支、以下PB)黒字化が不可能(やってはいけないわけですが)になったことを受け、財務省は、
「歳出に利払い費を加えた財政収支」
 を新たな緊縮目標として提示してくるでしょう。


 それに対し、自民党の積極財政派である財政政策検討本部の国会議員たちは、
「政府の「純」利払い費対GDP比率」
 を提示すると思われます。(「純」とは、日銀に支払っている利払いは(戻ってくるので)含まない、という意味)


 西田昌司財政政策検討本部長は、
「PBに代わる新たな指標を考えて提案していかなければならない」
 と発言していますが、これは当然なのです。何しろ、PB黒字化と財政破綻に直接的な因果関係はない。
 

 というか、

「PBが悪化すれば財政破綻」

 が成立するならば、日本はとっくに財政破綻していなければならない。

【日本・アルゼンチン・ギリシャ・レバノンの基礎的財政収支対GDP比率(%)】


http://mtdata.jp/data_88.html#4PB

 お分かりでしょう。


 1998年以降、常にPB赤字(しかも年平均▲5%超!)なのは日本だけです。しかも、他の三カ国は「黒字」の時期がある。


 アルゼンチンが財政破綻したのは、2001年。PBは▲1.2%と、黒字に近づいていました。ところが、財政破綻。
 ギリシャが財政破綻したのは、2012年。PBは▲1.4%と、黒字に近づいていました。ところが、財政破綻。
 レバノンが財政破綻したのは、2020年。PBは▲0.5%と、黒字に近づいていました。ところが、財政破綻。


 なぜだっ!
 

 なぜ、PBが改善している(しかも、時には黒字になる)アルゼンチン、ギリシャ、レバノンが財政破綻したにも関わらず、PBが三カ国よりも悪い日本が財政破綻しないのだっ!


 理由は簡単。


 アルゼンチンやレバノンの国債はドル建て、ギリシャの国債は共通通貨ユーロ建てだったためです。
 

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皇統論第六十一回「祇園精舎の鐘の声」、歴史時事第六十一回「三帝会戦」が配信になりました。
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 アルゼンチン、レバノンの政府は、アルゼンチンペソ、レバノンポンドは発行できますが、ドルはできません。ギリシャ政府は、そもそも自国で通貨を発行することができません。


 日本国債は、日本円建て。ただ、それだけ。だから、「絶対に」財政破綻できないのです。何しろ、日銀はキーボードを打ち、BSの貸方の数字を増やすだけで、日本国債を買い取ることができる。


 PBと財政破綻は関係ありません。関係があるのは、国債が「自国通貨建てなのか否か」のみです。


 PBが黒字だろうが、国債が自国通貨建てでなければ、財政破綻します。


 どれだけPBが赤字でも、国債が自国通貨建てならば財政破綻しません。


 となれば、そもそも「なぜ」PBを黒字化する必要があるのでしょうか。財政破綻を防ぐため、ではないのです。何しろ、上記三カ国の例を見れば分かる通り、PBが改善していたところで、「自国通貨建て国債」でないならば、財政破綻するときはします。


 日本がこのままPB目標を維持すると、デフレからの脱却は果たせません。となれば、供給能力が毀損し、サプライロス型インフレが進行していく。


 やがて、日本は需要に対し供給能力が圧倒的に足りない状況(今のレバノンのように)に至り、貿易赤字の拡大により為替レートが下落していく。となれば、輸入インフレに歯止めが効かなくなり、外貨準備を取り崩し、為替防衛を続けることになる。


 やがて(今は莫大な)外貨準備が尽きると、日本は「外貨建て国債」を発行せざるを得ない状況に至る。すると、今度こそ正真正銘の「財政破綻」の可能性が生じる。


 つまりは、PB目標を継続する理由は、日本の財政破綻を防ぐためではない。財政破綻に導くためなのですよ。
 

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