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「垂直統合モデルの恐怖」(前半)三橋貴明 AJER2020.5.25

    

 

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永田町アカデミア 中小企業を守ることこそ経済安全保障の強化だ [三橋TV第395回] 三橋貴明・安藤裕・高家望愛


https://youtu.be/r5Zi339j39s

 2020年度の実績、すなわち、

1.PB赤字が70兆円近くに達したにも関わらず、国債金利は0.1%と低迷、インフレ率に至ってはマイナス


【日本のプライマリーバランス赤字額(左軸、兆円)、インフレ率・長期金利(右軸、%)】


http://mtdata.jp/data_74.html#PB2020

2.政府の長期債務残高が、2020年度に90兆円も増えた(1970年度比で166倍になった)にも関わらず、国債金利もインフレ率も上昇しない


【日本政府(中央政府・地方自治体)の長期債務残高(左軸、兆円)、インフレ率・長期金利(右軸、%)】


http://mtdata.jp/data_74.html#choki

3.日銀の国債無制限買取で、2020年4月から21年4月にかけ、マネタリーベースを120兆円(何と、20%!)も増やしたにも関わらず、インフレ率はマイナス。


【日本のマネタリーベース(右軸)とインフレ率(左軸)】


http://mtdata.jp/data_75.html#MBInf

 これらの「実績」の影響は、大きいです。
 

 これまでの財政破綻論のテンプレート、
「国の借金を増やすと、国債金利が急騰して破綻する~っ!!!」
「日銀が国債を買い取ると、ハイパーインフレーションになる~っ!!!」
 らが、完膚なきまでに崩壊してしまったのです。


 となると、財政破綻論者あるいは緊縮論者は、どのようにレトリックを組み替えるのか。主に二パターン。
1.日銀破綻論を叫びだす(藤巻ルート)
2.確かに財政派は破綻しないかも知れないが、政府の支出には無駄な支出もある、と、ミクロ面をクローズアップし、道義心に訴え始める。
 1にしても、2にしても、主張するならば、まずは過去の自分の「財政破綻論」を総括する必要があると思うのですよ。


 藤巻にしても、
「過去、自分が「政府は債務不履行になる」「ハイパーインフレになる」と主張してていたことは間違っていた。とはいえ、日銀の国債買取により、将来的にこのような問題が生じる可能性がある」
 と、主張するならば、まだしも認めてやってもいいものを、過去の自分が「間違っていた」ことは絶対に認めようとしない。
 

 もちろん、伊藤元重先生、浜田宏一先生のように、しれ~っと、我々と同じようなことを言い出すのは、それは構わないのですよ。とはいえ、破綻論を続けるならば、過去の自分の主張に対する説明が必要でしょう
 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

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 さて、今回は、典型的な1パターン。

財政破綻を決めるのは誰か
 筆者は日本の財政は将棋に例えると既に詰んでいる、とみている。換言すれば、民主主義のシステムに基づいて、増税や歳出削減で財政バランスを取り戻すのは、もはや無理なところまで来ているのではないか。
 しかし、どのようなメカニズムで財政破綻が発生するのか、その仕組みをイメージすることは難しい。そこで財政赤字のファイナンスが困難になる時点を決める要因が何かを考えてみたい。(後略)』

 もう、冒頭部分だけで、
本当に詰んでいるなら、もう諦めて黙っていればいいんじゃない?
「財政破綻のメカニズムのイメージが難しいのは、日本の財政破綻があり得ないからだろ」
「財政赤字のファイナンスって、政府が国債を買い取れば、債務不履行にならないこと、ついに認めたんだ(笑)」
 など、突っ込みどころ満載なのですが、後略部も凄い。
 
『将来、日銀が物価の上昇を抑えるために短期市場金利を引き上げようとすると、日銀当座預金に利息を払う必要がある。』

 な、なぜ、公開市場操作や預金準備率の調整といった、「普通の金融政策」を無視して、いきなり「日銀当座預金に利息を払う」になるの?
 
『日銀は新たに借用証書を書き、利息を払い続けるという典型的な多重債務者と同じになる。こうした状況が何年か続けば、日本のお金を持ちたいと思う人は減っていく。』

 (そもそも上記が荒唐無稽ではありますが)いや、日本政府が税金を日本円で徴収し続ける限り、我々は日本円を持ちたいと思い続けます。だって、税金を支払わないと「逮捕」されるんだよ。

『日銀はどこかの時点で信用をなくし、現預金から不動産、外貨、金などへのシフトが発生するだろう。どの時点で信用をなくすかについては、誰にも分からない。それを決めるのはわれわれ国民だ。国民が日銀券や民間銀行の預金を安心して持つ限り問題は表面化しない。しかし国民が愛想を尽かす時には日銀の信用は崩壊する。』

 いや、不動産や外貨、金では、税金を支払うことはできないですから。


 どの時点で信用をなくすかについて、誰にも分からないのは、「そんなことは起きえない」からだよ。月が日本列島に落ちてくるのがいつなのか、誰にも分らないのと同じだよ。


 国民が日本政府や日銀に愛想を尽かしたところで、というか、現時点で愛想を尽かしているけど、日本円を使わざるを得ないんだよ、我々は。しつこいけど、税金は日本円で支払わなければならない。だからこそ、日本円を稼がなければならない。


 藤巻にしても、上記の大機小機にしても、もはや「日銀破綻論」はギャグと化しており、乾いた笑いしか出てきません。(「政府は無駄な支出を」の方は、より厄介です)
 

 いずれにせよ、2021年度の実績が、日本の財政破綻論を崩壊させました。彼らは、これからも足掻き続けるでしょうが、容赦なく叩き潰しましょう。

 

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