国家と個人の尊厳などあったもんじゃない デジタル庁設置で最終局面に入ったグローバリゼーション


男性は携帯電話により警察に動きを把握されていて、どこに行っても私服刑事が待ち構えている。監視社会はすでに始まっているのである。=31日、議員会館前 撮影:田中龍作=

 崩れ行く国家は、我々の大事な個人情報をカネをつけてまでGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)に差し出すつもりだ。

 与党にとって今国会最大の一推し法案である「デジタル庁設置法案」。衆院内閣委員会での今日31日の強行採決は見送られたが、早期の成立はほぼ確実である。

 31日の内閣委員会で川内博史議員(立憲)が、デジタル庁設置に伴う個人情報の管理について、政府に質した。

 川内議員「国が管理する個人情報9万165ファイルで、開発や管理業務を外国に委託、再委託しているものがあるのか?あるとすれば何件か?」

 総務省「把握していない」

 川内議員「サーバーが外国にある個人情報ファイルは何件か?」

 総務省「把握していない」

 総務省は本当に把握していないのか、それとも知っているが言えないのか。真相は分からない。

 LINEのサーバーが海外にあって、現地の技術者らが日本人の個人情報を閲覧できる状態だった・・・世を騒然とさせた出来事に対する国家としての危機感のなさは目を覆うばかりである。

「デジタル庁設置法案」に反対する座り込みも始まった。=31日、議員会館前 撮影:田中龍作=

 省庁ごとに持っていた個人情報も統合されるが、省庁間をつなぐ情報のプラットフォームは、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が請け負っている。

 国家の情報管理のプラットフォームを、莫大な資金を投じてアマゾンに任せるのである。情報もすべてアマゾンに持って行かれる。泥棒に追い銭と言ってもよい。

 コロナワクチンひとつ作れないこの国が、デジタル庁の設置でさらに劣化する。国家と個人の尊厳はグローバル企業に持って行かれるのだ。

 グローバリゼーションは最終局面に入った。

    ~終わり~

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