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チャンネルAJER更新しました。

「貨幣論信用創造学をびたい人は」(前半)三橋貴明 AJER2020.12.28
    

 

令和の政策ピボット呼びかけ人に「株式会社マネネCEO・経済アナリスト 森永康平様」が加わって下さいました。

また、メルマガ「令和ピボットニュース」が始まりました。皆様、是非とも、メルマガ登録を!

 

 

【一般参加可能な講演会のお知らせ】

三橋貴明先生×藤井聡先生 オンライン記念対談 「コロナ禍でいかに中小企業は生き残るべきか」
【有料】記念対談+グループ討論

【無料】記念対談のみ

 

2021年のMVP、矢野康治・財務事務次官を財政政策検討本部に呼ぶべきだ![三橋TV第490回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/gsWYbvakoBU

 

 

【Front Japan 桜】新春キャスター討論「激変した世界と漂流日本」[桜R4/1/4]


 本年の三橋経済塾のゲスト講師が全て決定しました。

1月 岡三証券 投資調査部 チーフエコノミスト 会田卓司先生
2月 自民党財政政策検討本部長 西田昌司・参議院議員
3月 東京大学大学院農学生命科学研究科教授 鈴木宣弘先生
4月 京都大学大学院教授 元・内閣官房参与 藤井聡先生
5月 非公開
6月 九州大学大学院教授 施光恒先生
7月 作家、アルファブロガー 鈴木傾城先生
8月 関西学院大法学部教授 冨田宏治先生
9月 評論家 中野剛志先生
10月 室伏政策研究室代表、政策コンサルタント 室伏謙一先生
11月 ノンフィクション作家・世界史講師 茂木誠先生
12月 評論家 佐藤健志先生

 いよいよ、今月15日に会田卓司先生をお招きし、第一回講義となります。

 

(せっかく和装をしたので)

【2022年1月4日 日本文化チャンネル桜にて】

 ちなみに、この五名の共通点は、全員が「令和の政策ピボットの呼びかけ人」でございました。


 さて、2021年は、日本人の所得(賃金)が伸びていない、それどころか下がっていることが「(ようやく)問題視」される年になりました。
 前経団連会長の中西宏明氏が、
「気付いたら、日本の賃金はOECD(経済協力開発機構)で相当下位になってしまった
 と、1月の連合会長との会談時に発言。もちろん、SNSでは「お前が言うな」で溢れましたが、その後、経団連会長となった十倉雅和氏は、賃上げに積極的な姿勢を見せています。 


 やはり、OECDのデータが公開され、日本が過去三十年間、賃金がまったく上がらなかった「異常な国」である事実が知れ渡った影響が大きいのでしょう。


 実質賃金は、生産性と労働分配率で決まります。
 97年の橋本政権以降の日本は、デフレという総需要不足の中で、規制緩和等の構造改革を繰り返し、競争を激化させ、同時に株主資本主義を強化した。


 総需要、つまりは仕事、市場が拡大しない中で、生産性向上の投資に積極的になる経営者はいません。
 さらには、株主資本主義の強化は、上場企業の所得(付加価値)から株主への分配を増やした。上場企業の労働分配率は、ひたすら下がっていきます。
 

 結果的に、日本国は多くの国民が、
「高品質のサービスを低価格(=低い生産性)で提供する労働者」
 となり、一部の勝ち組はひたすら所得を増やし、勝ち組が負け組に、
「負けたのは本人の自己責任」
 と言ってのけ、共同体が壊れていくという国家に落ちぶれたのでした。

 

【歴史に魅せられて、myが聞いてみた〜皇統論編〜(後編)】

現在、三橋貴明とmyによる特別コンテンツ「歴史に魅せられて、myが聞いてみる 皇統論編 (後編)」がご視聴頂けます。https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/

 

 桜の討論で「貧困」を巡り、熱い議論になりましたが、わたくしの年代より上の方々は、
「自分が子供だった頃は、みんなもっと貧しかった」
 と、すぐに「現在の貧困」を相対化しようとします。


 取りあえず、実質賃金が毎年7%も伸びていく時代の貧困と、実質賃金が下がり続けている時代の貧困を同一視するな、という話ですが、それ以上に重要なのは、恐らくは「共同体」なのです。


 討論で発言しましたが、高度成長期は、例えば香山健一のようにブント(共産主義者同盟)を結成した過激な人物であっても、その後は普通に学習院大学の教授になっている。実質GDPで平均10%も成長を続ける経済の共同体は、何しろ所得全体のパイが大きくなっていくわけで、過激な政治活動に身を投じた若者が「戻れる」だけの余裕があったわけです。


 「家族」という共同体も同様で、現時点で貧しかったとしても、「自分が根差す場所」は健在だった。根差す場所があり、さらに社会全体の所得のパイが増えていっているわけですから、別に当時の貧困が「大した問題ではなかった」という気はないのですが、今と種類が違ったのは確かなのです。

【日本の単身世帯数(左軸、数)と全体に占める割合(右軸、%)】

http://mtdata.jp/data_78.html#tansin


 現在の日本の「貧困」は、根無し草の貧困なのです。都会で一人暮らし。仕事は派遣社員、パート・アルバイト。どこにも「根差している」という実感を持てず、将来に対する不安しかない。


 高度成長期(あるいはそれ以前)と異なるのは、
将来的に所得がより下がっていく(=貧困化していく)
どこにも属さず、孤独な根無し草として毎日を生きている
 いわゆる「デラシネ」の貧困なのでございます。


 デラシネとは、フランス語で根無し草から転じ、故郷や祖国から離れたもしくは切り離された人を意味しています。


 このデラシネの貧困に陥った人々に、「日本」「文化」「伝統」といった共同体の概念を訴えたところで、果たして響くのだろうか。それよりも、政府の積極財政により、とりあえずは「所得」を増やし、彼らが政治について考えることができるだけの「余裕」をもたらすべきではないか。
 というのが、わたくしの意見で、昨日は熱く議論されたわけでございます。


 コメント欄で、皆さんの意見をお聞かせ下さい。 

 

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