草野隆彦『雇用システムの生成と変貌』

 (独)労働政策研究・研修機構様から、草野隆彦『雇用システムの生成と変貌ー政策との関連で』をお送りいただきました。ありがとうございます。
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/koyosystem.html

 元厚生労働省の著者がJILPT在籍時に担当して2018年3月にとりまとめた「資料シリーズ」No.199-1,2(https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2018/199.html)をもとに書籍化された本です。草野氏は残念ながら書籍化作業中に逝去され(ご冥福をお祈りします)ましたが、残された遺稿を菅野和夫先生が引き継がれて出版の運びとなったものとのことです。
 江戸期からバブル期までのわが国雇用システムの生成と変貌を膨大な文献をもとに整理した大著で、「資料シリーズ」をお送りいただいた際には199-1(戦前・戦中期までがまとめられた薄い方)を興味深く読んだことを記憶しています。本書には記載がないようですが、資料シリーズのほうには研究参加者としてhamachan先生こと濱口桂一郎JILPT研究所長をはじめ、浅尾裕、金崎幸子、尾形強嗣、藤枝茂、村松達也、亀島哲、田原孝明、永田有、千葉登志雄、石水喜夫といったJILPTに在籍した錚々たる労働キャリア各氏が名を連ねており、大げさかもしれませんが草野氏を中心としたオール労働省によるプロジェクトだったと思われることは特筆したいと思います。通読するのは骨が折れそうですが、座右に置かせていただき、有益に活用させていただきたいと思います。