株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッターはこちら
人気ブログランキングに参加しています。

チャンネルAJER更新しました。

「潜在成長率の誤解に殺される(前半)」三橋貴明 AJER2020.10.26

    

 

令和の政策ピボット呼びかけ人に、林千勝先生(近現代史研究家)が加わって下さいました。
また、メルマガ「令和ピボットニュース」が始まりました。皆様、是非とも、メルマガ登録を!

 

 

三橋貴明と高家望愛の消失 尖閣への「王手」をかけられている! [三橋TV第319回] 中野剛志・saya
https://youtu.be/VKIiVZMCe5Y

 

 日本銀行は、貨幣(日銀当座預金)を発行する場合、市中銀行などに国債(等)を差し入れさせ、市中銀行の日銀当座預金口座の数字を増やします。実際には「紙」は動いておらず、情報が交換され、キーボードで数字が打ち込まれるだけでしょうけれども。


 我々が「日銀の借用証書」である現金紙幣を市中銀行に持ち込むと、銀行預金口座の数字を増やしてもらえるのと同じです。(現金紙幣ではなく、銀行融資の借用証書でも、小切手・約束手形でも可)


 ちなみに、国債はもちろん政府の借用証書ですが、
「政府は国債を発行し、日銀当座預金を借りた」
 という表現と同時に、
「政府は日銀当座預金という日銀の負債を差し入れさせ、国債という貨幣を発行する」
 という言いかたもできるのです。


「国債は金利が付くから、貨幣じゃない!」
 という人には、
「じゃあ、貴方の銀行預金は貨幣じゃないね。何しろ(微々たるものですが)金利が付いている」
 と言ってあげましょう。国債は、ほぼ定期預金と同じ貨幣です。


 それはともかく、2013年以降、「デフレ脱却」を目指した日本銀行は、国債を買い入れ、市中銀行の日銀当座預金の残高「量」を増やす量的緩和を継続してきました。


 ところが、いつまで経ってもデフレから脱却できず(政府が緊縮財政である以上、当たり前ですが)、預金取扱機関の日銀当座預金は、何と400兆円を越えてしまいましたとさ。

【預金取扱機関の日銀預け金の推移(兆円)】


http://mtdata.jp/data_72.html#yokin

 ところで、日銀当座預金や現金紙幣は日銀にとっての負債ですが、
「国債を差し入れさせ、日銀当座預金の残高を増やす」
 以上、日銀のバランスシートの借方と貸方は同時に増えます。すなわち、資産だけが一方的に増えることはありません。
 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

特別コンテンツ「歴史に魅せられて、myが聞いてみた~第一回 歴史時事編~」公開中!

http://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/

 

日銀 総資産額 過去最高690兆円 GDPの1.2倍に 国債やETFが増加
 日銀の資産が一段と膨張しています。新型コロナウイルスの感染拡大で追加の金融緩和に踏み切り、国債やETF=上場投資信託などの買い入れを増やしたことなどから、ことし9月末時点の総資産の額は690兆円と、過去最高を更新しました。
 日銀が26日に発表した、ことし4月から9月までの中間決算によりますと、9月末時点の総資産の額は、合わせて690兆269億円で、去年の同じ時期より120兆円余り、率にして21%増えました。
 昨年度の日本のGDP=国内総生産のおよそ1.2倍に上り、上半期としては13期連続で過去最高を更新しました。
 資産のうち、最も多いのが国債で、大規模な金融緩和策を背景に、去年の同じ時期より10%増えて529兆9563億円でした。(後略)』

 所詮は国内マスコミですから仕方がないのですが、日銀の「資産」の増加は、同時に「負債」としての貨幣も増えたことを意味します。というか、グラフの通り、増えています。


 2013年以降、350兆円もの日銀当座預金を預金取扱機関に発行したにも関わらず、インフレ率はマイナス。なぜ?
 

 それはもちろん、政府が緊縮財政を続け、挙句の果てにコロナ禍で需要が激減したためです。インフレ率は貨幣発行量では決まりません。あくまで、総需要と供給能力のバランスで決まります。


 あるいは、日銀が国債を買い「貨幣」に変えてしまったということは、つまりは「国債のマネタイゼーション(貨幣化)」が行われたことになります。我が国の頭が悪い政治家連中に言わせれば、「財政ファイナンス」です。

 

「そんなことをしたら、財政ファイナンスじゃないか!」

 と、言葉の意味も分からずにわたくしに反論した某政治家さん、実際に数百兆円規模の財政ファイナンス(正しくは国債の貨幣化)が行われていますが、感想を聞かせてね。


 数百兆円規模の「財政ファイナンス」とやらが行われたわけですが、何か問題がありましたか?


 さらには、日銀が国債を貨幣化してしまったということは、政府の「実質的なくにのしゃっき~んっ!」が減少したと、理解できますか?


 NHKの記事は、実は日本に「くにのしゃっき~んっ!」問題とやらが存在しないことを意味しているのですが、表面的な報道しかしてこない。しかも、肝心の「日銀のバランスシートの負債側」(=貨幣)については、語らない。


 というわけで、わたくしが解説してみました。


 日銀が国債の買い入れを続けている=国債の貨幣化が行われている。それにも関わらず、インフレ率はマイナスに落ち込んでいる。
 すなわち、不足しているのは「国債の発行=財政政策による需要創出」なのですよ。いい加減に理解してください、日本の国会議員の皆さん。
 

「不足しているのは国債の発行だ」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!

本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。

◆関連ブログ
日本経済復活の会のホームページはこちらです。

㈱日本富民安全研究所のブログ絶望の先にはこちらです。
◆三橋貴明関連情報
新世紀のビッグブラザーへ ホームページはこちらです。
メルマガ「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」はこちらです。