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『現金給付10万円から解る貨幣の真実』(後編-1)』三橋貴明 AJER2020.6.2
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コロナ危機の最中の6月末に「消費税再増税」って、正気かよ![三橋TV252回]
国会が閉じておりますので、今月末にキャッシュレス決済のポイント還元が終了することが決定しています。すなわち、消費税再増税です。(骨太の方針は7月のようです)
これは、かなり強烈な「増税」でございます。2019年10月から2020年6月末までの九か月のポイント還元の予算が、約7千億円。
つまりは、この恐慌下で「(およそ)年1兆500億円」の消費税増税が行われることになってしまうのです。
改めて、消費税という「災厄の税制」について考えてみたいと思います。
消費税は、
「ビルトインスタビライザー(景気の安定化装置)の機能がない」
「消費性向が高い低所得者層の税率が高く、消費性向が低い高所得者層の税率が低い、逆累進課税」
「消費に対する罰金で、消費を減らすデフレ化政策」
「企業に正規社員をフリーランスや派遣労働とするインセンティブを与える」
など、おぞましい税制なのですが、そもそも日本で一般消費税導入の構想を最初に打ち出したのは、土光敏夫が会長を務めていた時代の経団連、税制特別部会です。同部会は、1978年12月19日、税率5%、年商1000万円以下は除外する一般消費税構想を明らかにしました。
今でも経団連はバリバリと消費税増税を提言してきますが、実は「そもそもの言い出しっぺ」なのでございます。
経団連が消費税を政府に提言した結果、1979年の大平内閣で、一般消費税の導入が政策課題化し、経団連の土光会長が78年8月13日の記者会見で、
「行政改革など打つべき手はあるが、増税もやむを得ない」
と、行政改革(緊縮財政と消費税導入をセットで進めるように政府の背中を押しました。
ちなみに、土光会長は同年12月6日の記者会見では、
「増税よりも行政改革の実行だ。法人税の引き上げはせっかく上向いた景気や民間の活動の芽を枯らすもので、認められない」
と、法人税増税に対しては猛烈に反対しています。
政府は緊縮財政。消費税は増税。法人税は減税という現代に至るデフレ税制の基本構造は、土光会長時代に始まったのでございます。
さらに、経団連は斎藤英四郎会長(新日本製鐵)時代の1988年6月3日、自民党の税制調査会との懇談で、
①法人税減税は歓迎するが、さらに一段の引き下げを要望する
②新型間接税は価格に転嫁しやすいタイプが望ましい
と、主張。
自民党政権は経団連の提言を受け、税制改革法案、消費税法案などの6法案を、1988年7月29日に閣議決定。そして、1988年12月14日、自民党は消費税法案について参議院を通過させ、翌年1989年4月1日に、ついに消費税が導入されるに至ります。実は、日本経済の最大の癌である消費税は、経団連の「政治力」により導入されたのです。
そこに、財政均衡主義を省是とする財務省が乗っかり、「財務省と経団連の両輪」により、我が国はひたすら消費税増税路線を突き進むことになりました。
【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
6月20日から評論家・中野剛志世先生の「通貨論争史 イギリス編」がご視聴頂けます。
『西村経済財再生政相 10万円給付「消費税5%分、国民負担軽減に」
西村康稔経済再生担当相は22日の参院決算委員会で、新型コロナウイルスの感染拡大に対応する国民1人あたり10万円の現金給付について「(歳出額は)12・9兆円、消費税で5%分に匹敵する。国民の負担軽減につながっていると思う」と述べた。
立憲民主党の野田国義氏の質問に答えた。野党だけでなく与党の一部にも新型コロナ対策として消費減税を求める声がある。』
しかも、自民党の政治家が散々に、
「消費税減税には効果がない」
と、これまた出たらめを叫んでいましたが、何、いきなり「効果がある」ことにしてんの?
まあ、「社会保障財源とは、社会保障に使うという話ではなく、社会保障安定化という意味だから、PB赤字でもいいんだ」と、屁理屈で言い訳かますんだろうけど。
声を出しましょう。恐慌下で増税を強行するという「狂気」が、問題視されないのが問題です。というか、狂気です。そして、この狂った政府を継続させているのは、我々日本国民なのです。
我々が消費税廃止を求めない限り、政治が動くことは絶対にありません。
「消費税廃止を求める!」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!
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