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三橋TV第230回【ショック・ドクトリン コロナ危機に乗じた竹中平蔵のワクワクビジネス】
 
 我が国に財政破綻論というウイルスを蔓延させた主犯の一人、土居丈郎が、先日、
 という、くだらない記事を書き、財務省の飼い犬として、忠誠の「ワンッワンッ!」をやっていましたが、ワニの口は土居の発明ではなく、財務省のホームページに載っています。
 
 財務省のデータおよび2020年度見込み(5月時点)の数字を使い、「ワニの口」をグラフ化してみます。
 
【日本の一般会計税収、歳出総額及び公債発行額(左軸)と政府貨幣発行額(右軸)の推移(兆円)】
http://mtdata.jp/data_69.html#waninokuti
 
 2020年度までのグラフを見て、何か気が付きません?

 一応、財務省の「解釈」通り、「歳出総額」と「一般会計税収」をグラフ化すると、ワニの口が開いていっているように見えますが、例えば、2019年度の安倍政権下であっても、「=歳出総額-一般会計税収」は40兆円近いのです。ということは、2019年度の「政府貨幣発行額」は40兆円ということになるでしょうか
 対GDP比で8%近い「政府貨幣発行」がなされたならば、日本の景気はもっと良くなってもよさそうなものです。

 勘が良い方は気が付かれたかも知れませんが、実は財務省の「ワニの口」には重大な欺瞞(というか、例により統計詐欺)があるのです。
 
● 一般会計税収:文字通り、一般会計税収のみで、「国債(及びその他収入)」が含まれていない
● 歳出総額:一般会計歳出に、国債償還分、地方交付税交付金等を含んでいる
 
 お分かりですね。何と、財務省は歳入には国債発行を含まず、歳出には国債償還費を含め
「ワニの口が開いている~っっ!!!」
 と、プロパガンダを展開しているのです。だからこそ、歳入の方は「歳入総額」ではなく「一般会計税収」となっているわけですね。

 財務省は、歳出は国債返済分の支出を加え、歳入(一般会計税収)からは国債を排除している。つまりは、財務省は、
「国債の返済も、一般会計税収からするべきだ」
 と、解釈していることになります。普通に、国民を殺しにかかっていますね。

 ワニの口など、単に「政府貨幣発行額」に過ぎませんが、公平を期すためには歳入からも、歳出からも「国債」は省くべきでしょう。何しろ、国債発行こそが、政府貨幣発行そのものなのです。

 というわけで、歳出から国債償還分を除いた数字が「2019年度実質」と「2020年度実質」になります。

 実質(国債関連除く)で見ると、2019年度の「政府貨幣発行額」は、わずか15.5兆円。GDPを550兆円と置くと、対GDP比で3%にすら届きません。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※ノンフィクション作家「河添恵子」先生との対談「歴史から学ぶ中国と中国人の本質」が視聴可能となりました。

 

 デフレが継続し、民間企業が資金過剰(負債削減もしくは資産拡大)状況が続いているにも関わらず、政府が対GDP比3%弱の貨幣しか発行しないわけですから、デフレが継続して当たり前です。そして、デフレが継続すると、民間企業の資金過剰状態も続きます

 2020年度は、今回の25.7兆円の新規国債発行を加えても、実質的な政府貨幣発行額が41.5兆円で、対GDP比7.55%。民間需要の激烈な縮小には、全く追いつかない額です。(もっとも、2020年度の税収が予定通り63.5兆円、徴収できるとは思えませんが
 
『コロナ不況で自殺者が累計27万人増 京大研究グループの衝撃試算
 コロナ不況によって、自殺者が累計14万~27万人増加する――。
 京大の研究グループ「レジリエンス研究ユニット」(ユニット長・藤井聡教授)が4月30日、衝撃的な試算を発表した。試算によると、過去のデータから、実質GDP成長率が下落すると、失業者が増え、自殺者が増えるという相関関係が実証されている。そこで、コロナが1年後に終息する「楽観シナリオ」と2年後に終息する「悲観シナリオ」を検討した。
 民間の試算を参考に、コロナ禍による経済不況で、2020年度の実質GDPがマイナス14.2%になると想定。失業率が6.0~8.4%に達するピーク時には、年間自殺者は3万4449~3万9870人(2019年度比1万4280~1万9701人増)に上る。
 ピーク後は、景気が回復し、失業率も低下していくが、年間自殺者数が19年度の水準に戻るまで、19~27年間かかり、自殺者の増加数は累計14万~27万人になるというのだ。
 もっと大胆な支援策をしなければ、えらいことになる。 』
 
 2020年度14.2%の実質GDPの減少。とはいえ、それ以前に2019年度も消費税増税とコロナ危機で日本のGDPは減少しています

 2019年10-12月期は、ご存じの通り対前期比▲1.8%(年率換算▲7.1%)。2020年1-3月期は日本経済研究センターの試算によると、対前期比▲0.74%(年率換算▲2.89%)。

 そこに、2020年度▲14.2%を加えると、2021年3月末時点で、日本のGDPは2019年7-9月期と比較し、およそ17%減少している計算になります。最近のエコノミストの試算は悪い方に期待を裏切られるケースが多いので、
「日本のGDPが二割減る」
 と、想定するべきでしょう。つまりは、2020年度の政府貨幣発行額、対GDP比7.55%では、全く足りない。三倍は必要という話になります。

 100兆円以上の新規国債発行をして、ようやく2019年7-9月期の水準に戻せる「かもしれない」。これが、現在の日本経済が直面している「現実」なのです。

 もっとも、土居ら財政破綻論者は、「ワニの口」に代表される統計マジック(あるいは統計詐欺)を駆使し、日本の財政拡大を妨害し、コロナ増税路線の実現を図ろうとするでしょう。
 
 彼ら、財政破綻論者こそが、日本を亡国に導くウイルスなのです。

 新型コロナウイルス感染症のワクチンの開発は、専門家に任せるしかありません。
 とはいえ、財政破綻論というウイルスを撲滅するワクチンは、国民一人一人が保持している、あるいは「開発する」ことが可能なのです。言葉という、武器を用いて。

 正しい財政、貨幣、国債に関する知識を持つ、皆さんこそがワクチンです。財政破綻論、財政破綻論者という日本を蝕むウイルスの撲滅に、お力をお貸しください。
 
「財政破綻論というウイルスを撲滅せよ!」に、ご賛同下さる方は、
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