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「地方自治体も貨幣の発行者になれる」(前半)三橋貴明 AJER2020.9.13
    

 

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国民民主党の重点政策を絶賛する 日銀保有国債の永久国債化! [三橋TV第450回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/QKX2GNLz3n8
 

 

 

 わたくしは、今回の自民党総裁選挙において、
「新自由主義であり、国家(共同体)を壊すことが「素晴らしい」と考えている」
 としか思えない、菅義偉の「後継者」である、「ある人物(分かるだろうけど)」が自民党総裁、日本国内閣総理大臣にならなかった、というだけで、心の底から安堵しております。


 もっとも、いくら、
「新自由主義からの脱却を」
 と、訴えた岸田文雄・前政調会長が総裁に就任し、10月4日の臨時国会で内閣総理大臣に選ばられるとはいえ、全く安心はしておりません。(ちなみに、高市早苗・新政調会長が総裁になったとしても、同じ感想を持ったと思います)。


 理由は、今後、岸田・新総理大臣が「三つの敵」に直面することが、ほぼ「確定」しているためです。


 一つ目の敵。これは分かりやすい。
 岸田総理(面倒なので、今後は「岸田総理」とします)は、総裁選において、
「皇位継承は例外なく男系天皇が継承してきた」
 と指摘し、安定的な皇位継承のために、GHQにより戦後、皇籍を離れた旧宮家の男系男子が復帰する案を含め、女系天皇以外の方法を検討すべきと表明している。


 さらには、岸田総理は原発について「維持」と発言。河野氏の「脱原発」とは明らかに一線を画している。


 上記二つは、高市・新政調会長の主張と同じですが、いずれにしても「皇統」や「日本のエネルギー安全保障」を重視しない左派系マスコミから攻撃される可能性が高い。(ちなみに、わたくしは別に原発推進派というわけではなく、エネルギー安全保障が「今」確立されるのであれば、原発はどうでも良いです。現実に無理だからこそ、原発再稼働、使用済み核燃料の処理技術や、廃炉技術、新エネルギーへの投資等に賛同しているに過ぎません。まあ、ここまで書いても「三橋は原発推進派だ」といったレッテルを貼られるんだろうけど


 二つ目。一応、岸田総理は、
「小泉内閣以降の新自由主義を転換する」
 と、断言しているわけです。


 結果的に、小さな政府主義者の「新自由主義者」「グローバリスト」から攻撃される。
 

 昨日もご紹介しましたが、明確な新自由主義者である大阪府の吉村洋文知事(日本維新の会 副代表)は、
「岸田さんのやり方で日本が成長するとは思いません」
「国、中央がすべてやればいいというような発想は違う」」
 と、ストローマンプロパガンダまで行使し、岸田攻撃を始めました。(首尾一貫して素晴らしい。むしろ、好き! 消滅しろ、とも思うけど)


 さらに、このニュース。

都民ファーストの会、国政新党を設立へ 衆院選に候補者擁立へ
 小池百合子東京都知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」は1日、国政新党の設立について今月3日に都内で記者会見を開くと発表した。荒木千陽代表(東京都議)が会見する。党関係者によると、次期衆院選に候補者を擁立する見通し。(後略)』

 いや、別に新党を立ち上げずとも、そもそも政策や信条が同じなのだから、普通に日本維新の会に合流すればいいんじゃない?
 と、思ってしまいました。今後、「新自由主義の転換を」と主張する岸田総理に対する、新自由主義者、グローバリストの攻撃が始まるでしょう。

 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/

※要望多数につき、評論家・中野剛志先生 【通貨論争史:イギリス編】【通貨論争史:日本編】が再掲となりました。

 

 そして、三つ目。
 そもそも、新自由主義=グローバリズムとは、政策的には「緊縮財政」「規制緩和」「自由貿易」のパッケージです。つまりは、グローバリズムのトリニティ(三位一体)。

【図 グローバリズムのトリニティ】

※「自由貿易」は、モノ、ヒト、カネの国境を越えた移動の自由化を意味する。

 上記三つは不可分であり、方向性としては「政府を小さくする」ことであり、同じです。


 緊縮財政を続け、「財政赤字」を問題視し、公共サービスを民営化。様々な規制緩和を進め、「安全保障」を担う産業であっても、政府の保護を外す。挙句の果てに、国境という「日本国民を守るための規制」も緩和、撤廃していく。

 

 カネ、カネ、カネ!


 わたくしは、日本国のナショナリズム(国民意識)は三本の柱によって支えられていると考えています。すなわち、皇統、日本国民、そして日本語。
 

 現在、すでに上記三つの柱がグローバリズムにより攻撃を受け、揺らいできています。
 

 皇統は、「(いわゆる)女系天皇」「女性宮家」、日本国民は「移民受入」、日本語は「英語教育」です。
 

 日本国のナショナリズムを支える三つの柱を破壊し、「特定の誰かのビジネスにおける利益を拡大する」ことこそが、新自由主義者、グローバリストの目的です。(そう考えると、河野太郎氏、の言動について納得がいくでしょ?)
 

 そして、日本国という共同体を破壊する新自由主義の根幹的な思想が「緊縮財政」なのです。
 

 つまりは、プライマリーバランス黒字化目標は、むしろ新自由主義の中核なのです。その何よりの証拠に、日本にプライマリーバランス黒字化目標という毒針を打ち込んだのは、竹中平蔵氏です。


 というわけで、岸田総理が本気で「新自由主義の転換を」と願っているのであれば、PB目標は破棄(せめて凍結)しなければならない。
 

 ところが、今のところ岸田総理はPB黒字化目標の凍結には後ろ向き(この点が、高市政調会長とは違う)。


 となると、どうなるのか新自由主義の転換などと、大きなことを言っておきながら、「何もできない」というオチにならざるを得ないのです。 
 

 何しろ、昨日、ご紹介した、岸田総理が掲げていた政策、


『●中間層の拡大に向け、分配機能を強化し、所得を引き上げる、「令和版所得倍増」を目指す。
●看護師、介護士、幼稚園教諭、保育士など、賃金が公的に決まるにも関わらず、仕事内容に比して報酬が十分でない皆様の収入を思い切って増やすため、「公的価格評価検討委員会(仮称)」を設置し、公的価格を抜本的に見直し。
●企業に長期的視点を求めることと同様、政府も、科学技術の振興や経済安保などの国家課題に計画的に取り組む。
●国産農畜産物の需給・価格の安定など、農業者の所得向上に向けた「政策総動員」。特に、米はコロナによる価格の大幅下落が懸念されるため、市場隔離を含めた十分な支援を検討
●年間15兆円規模の「防災・減災・国土強靱化投資」を拡充し、災害に強い地域づくりを促進。
●国際競争を勝ち抜く空港・港湾・新幹線・高速道路等の交通・物流インフラの拡充。豊かな田園都市国家を支える魅力あるまちづくりや道路ネットワークの整備。』
 

 などは、PB黒字化目標を維持(達成目標年度の延期、でもダメです)する限り、絶対に達成できないのです。
 

 つまりは、絵に描いた餅。
 

 岸田総理が、「実は、PB目標は新自由主義の根幹だった」ことを理解しなかった場合、どうなるでしょうか。


 我々が、敵に回るのです。
 

 というわけで、岸田総理は近々、(いわゆる)左派系マスコミ、新自由主義者、そして「令和の政策ピボット」に共感する人々、全てを敵に回すことになる可能性があるのです。


 わたくしは、
【岸田総理大臣、貨幣観を正し、大宰相となれ! [三橋TV第449回] 三橋貴明・高家望愛】
 において、「岸田総理が貨幣観を正せば、令和の大宰相になれる」と持ち上げましたが、総理がPB黒字化目標に象徴される財政再建路線を捨てられず、日本国民を救う政策は実現できないと判断した瞬間に、「熱烈な敵」に回ります。
 

 予め、断言しておきたいと思います。
 

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