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「地方自治体も貨幣の発行者になれる」(前半)三橋貴明 AJER2020.9.13
    

 

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岸田文雄・前政調会長 貨幣観を正せば、貴方は「大宰相」になれるよ [三橋TV第444回] 三橋貴明・高家望愛

https://youtu.be/WjzSiyWzrHQ

 

 

 現時点で、自民党総裁選挙の結果はどうなるか分かりませんが、一つだけ評価するべきポイントは、
「プライマリーバランス(基礎的財政収支、以下PB)黒字化目標に関する議論」
 が始まったという点です。 


 改めて、PBとは「国債関連費用を除いた歳出と歳入の収支」になります。
 つまりは、「歳入(=税収+税外収入)」と「政策的経費」のバランスです。PBが赤字化していると、国債残高が増加する。逆に、PB黒字化は、国債残高の減少になります。


 PB黒字化目標が決定的におかしいのは、「国債=貨幣発行」であるという現実を徹底的に無視しているという点です。
 

 本当に日本政府がPBを黒字化すると、我々民間から貨幣が吸収されることになります。


 無論、バブル期など、民間の信用創造(貨幣発行)が激しすぎる際には、PB黒字化に意味があるのかも知れません。とはいえ、現在はデフレです。
 デフレという需要が拡大しない国において、
「民間を赤字にする=民間の貨幣を吸収する」
 目標を掲げているわけで、「頭がおかしい」以外に表現のしようがないのです。


 そもそも、日本のPB目標は、「国債は借金」であるという認識の上に成り立っています。つまりは、「国債は借金だから、いずれ税金で返済しなければならない」というレトリックです。


 現実には、国債は「国家債務」ではなく「国庫債券」です。ちなみに、債券とは借用証書のことです。日銀の現金紙幣をはじめ、貨幣とは全て(紙の形をとっていなくても)債務と債権の記録という借用証書です。

 

 皆さんが愛する現金紙幣は「日本銀行債券」です。略して銀行券。
 

 つまりは、国庫債券は「国家が発行する貨幣」になります。略して、国債。(国券という略の方が、妙な誤解が生じなくて良かったような)
 

 PB黒字化目標は、まさに「貨幣を減らす」という政府目標になるのです。
 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/

※要望多数につき、評論家・中野剛志先生 【通貨論争史:イギリス編】【通貨論争史:日本編】が再掲となりました。

 

4候補、財政健全化目標先送り 自民総裁選
 自民党総裁選に立候補した4候補は18日、インターネット番組で、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2025年度に黒字化する政府の財政健全化目標を先送りする考えを示した。河野太郎規制改革担当相は、「新型コロナウイルスの影響が続く間は先送りせざるを得ない」と指摘。岸田文雄前政調会長も「必要であれば先延ばしも考えなければいけない。目標ありきではなく、やるべき順番を間違えてはならない」と語った。
 野田聖子幹事長代行は、日本経済は有事にあるとして「今お金を使わないと(経済が)底抜けして次がない事態だ。ペンディング(保留)だ」と主張。高市早苗前総務相は、2%の物価安定目標を達成するまで凍結するとの考えを重ねて示した。』

 あの河野太郎でさえ、PB黒字化目標の達成時期の先送りに触れるとは、驚きました。自民党のPB堅持派(稲田朋美ら)は、どのような感想を抱いたのでしょうか。


 岸田前政調会長は、
「必要であれば先延ばしも考えなければいけない。目標ありきではなく、やるべき順番を間違えてはならない」
 と、語っているため、未だに「財政健全化の旗は降ろさない」に固執しているわけですね。
 

 とはいえ、岸田氏の「新自由主義の転換」とは、PB目標の破棄を含みます。理由は、PB目標とはそもそも新自由主義的財政均衡論をベースにしているためです。(そもそもPB黒字化目標などと頭のおかしなことを言い出したのは、竹中平蔵です)


 岸田氏が本気で新自由主義の転換を目指すならば、PB目標は破棄しなければならないのですよ。
 

 いずれにせよ、PBという狂った政策目標がクローズアップされた(しかも「凍結派」が一人いる)のは、確実な前進です。
 今回の総裁選挙、そして総選挙を通じ、PB目標という「毒針」を引き抜くことができれば、我が国の将来に希望が見えてきます。
 

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