SSブログ

5月3日(日) コロナ禍に乗じた惨事便乗型アベ改憲策動を許してはならない [憲法]

 今日は憲法記念日です。例年であれば、護憲派・改憲派は共に大きな集会を開きますが、今年は新型コロナウイルスに感染する恐れがあるために、インターネットによるオンラインでの集会などに変わっています。

 コロナ禍は憲法をめぐる論議にも微妙な影響を与えています。感染を恐れた人々は私権の制限を含めた強力な対策を求め、安倍首相は緊急事態宣言に踏み切り、さらに1カ月ほど延長しようとしています。
 自民党は、緊急事態への対処をテーマの一つとして、憲法審査会での論議を始めるように野党に求めました。安倍首相は緊急事態条項の導入について「重く大切な課題」だと述べ、論議を促す姿勢を示しています。
 コロナ禍に対する危機感と国民の不安に乗じ、緊急事態条項を餌にして改憲という「魚」を釣り上げようというわけです。まさに、コロナ禍という惨事に便乗し、どさくさに紛れて改憲議論を進めようという惨事便乗型改憲策動にほかなりません。 

 緊急事態条項は大規模な災害のような重大事態が生じた時に政府の権限を強める規定です。自民党の改憲案には、法律と同等の効力を持つ政令をだす権限を内閣に与える条項が含まれています。
 国会での審議を経ることなく法律を制定できるようにするわけですから、独裁権を与えることになります。三権分立や立憲主義を破壊する「劇薬」だと言わなければなりません。
 憲法と法律とは根本的に異なっており、もし緊急事態宣言に不十分さがあれば、法律を変えれば良いことです。憲法審査会での論議は「不要不急」であり、無用な「三密」を生み出すような愚行は避けるべきでしょう。

 今は新型コロナウイルス対策に全力を尽くすべきです。NHKの調査では、改憲以外のテーマを優先すべきだという意見が78%に及び、改憲議論を進めるべきだという意見は13%にすぎません。
 朝日新聞の調査でも、改憲議論を急ぐべきではないという意見は72%になっています。改憲議論は高まっていないという意見も76%で、8割近くに上っています。
 政治が全力を挙げて取り組むべきは、いかにしてコロナ禍を抑え込み終息させるかということです。改憲どころではなく、政治の優先順位を間違えてはなりません。

 コロナ対策のために外出自粛などが求められている今は、むしろ憲法が掲げる基本的人権を守ることこそが急務なのではないでしょうか。人々の健康と命を守り健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を定めた25条、雇用を維持し働く人の権利を定めた28条、財産権を定めた29条などは、今こそ実現を政府に求めていかなければなりません。
 営業と雇用、労働を守り、休業や自粛によって生じた損失を補償することは憲法上の要請であり、国民の権利なのです。まして、緊急事態宣言が1ヵ月ほど延長されることになれば国民生活は更なる苦境に立たされます。
 この苦境を脱するために手を差し伸べることこそ、政府の責任ではありませんか。その責任を果たせないというのであれば、憲法を変えるのではなく政府を変えなければなりません。

nice!(0) 

nice! 0