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令和の政策ピボット呼びかけ人に、高橋あさみ様(私立Z学園高等学校 1年4組 16歳)が加わって下さいました。

また、メルマガ「令和ピボットニュース」が始まりました。皆様、是非とも、メルマガ登録を!
 
三橋TV第217回【堤未果先生登場!パンデミックと恐慌の世界】
 
 不安の1月、狂乱の2月、悪夢の3月が終わり、いよいよ地獄の4月が始まりました。

 疫病と恐慌という「トレードオフ」の関係になる二つのリスクに直面した「店じまい国家」がいかなる状況になるのか。もはや悲劇を通り越して「喜劇」と化しつつあります。
 
『1住所当たり2枚の布マスクを配布の方針 安倍首相 

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200401/k10012362911000.html

 新型コロナウイルスの感染拡大でマスクの品薄状態が続いていることから、安倍総理大臣は政府の対策本部で、全国のすべての世帯を対象に1つの住所当たり2枚ずつ、布マスクを配布する方針を明らかにしました。(後略)』

 
 一体、誰が、
「ピコーンッ! ひらめきました総理!」
 と、耳元で「ささやいている」のか知りませんが、総理はそろそろ「自分が何を言っているのか?」について理解できない状況になっているように思えます。
 改めて、財務省の「勝利条件」。

1.プライマリーバランス黒字化目標を堅持し、経済対策は予備費と貸付等に限る(財務省の完全勝利)
2.国債を発行し、単発、少額、短期の経済対策を認める。具体的には一回限り、使途、配布範囲限定の給付金
3.国債を発行し、大規模な経済対策を認める。具体的には、休業補償、粗利補償、大規模給付金
4.国債を発行し、継続的、大規模、長期の経済対策を認める。具体的には、もちろん消費税廃止。(敗北)
5.PB黒字化を含む財政均衡化路線を完全放棄し、長期計画に対する予算コミットメントを認める(完全敗北)
 
 現在のところ、財務省は2と3の間で何とか収めたいと思っているようですが、結果的に疫病恐慌曲線は移行しません(①が起きない)。
 
【疫病恐慌曲線】
 
 我々は疫病恐慌曲線A上を左上に上り、右下に下がり、感染症か所得急減により殺されることになります。

 財務省は、政治家やメディアを使い、様々な「財政圧縮」のためのプロパガンダを展開しています。

 例えば、
「現金給付ができない理由を次々に並べ立て、政治家に発言させる」
 現金給付について、マスク2枚を全世帯に配布するのはできるにも関わらず、なぜか政府小切手を配布することはできない、と。謎です。

「現金給付は「申請」してきた低所得者層に絞るべき」
 低所得者の閾値をどこに置くのか知りませんが、高所得者に配るのがどうしても嫌だというならば、とりあえず全国民に配り、来年の確定申告の際に年収2千万(確定申告必須)以上に戻させればいい。別に、高所得者層は文句を言わないでしょう。
 対象を限定し、かつ「申請制」にすると、相当に給付総額を絞り込むことが可能というだけの話です。
 
「消費税減税よりも現金給付」
 両方やれば済む話です。相も変らぬ、トレードオフ思考。

 結局のところ、PB黒字化目標に固執する財務省や手下の飼い犬政治家たちが、上記の3、4には進めたくない。たとえ、国民を殺しても、というだけに過ぎません。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※ノンフィクション作家「河添恵子」先生との対談「歴史から学ぶ中国と中国人の本質」が視聴可能となりました。

 

 とはいえ、
「PB赤字を拡大すると~」
 でございますが、そもそもPB赤字を拡大したところで国債金利の上昇も、はいぱ~いんふれ~しょんとやらも起きないことは、我が国の実績が証明しているのですよ。
 
【日本の基礎的財政収支、長期金利、インフレ率の推移】
 
 図の通り、日本はリーマンショック時にPB赤字を対GDP比で7.3%(2009年)にまで拡大しました。結果的に、国債が暴落し、国債金利が急騰したのか。あるいは、インフレ率は。
 長期金利で見た09年の国債金利は1.3%。10年が1.1%。
 インフレ率は、09年が▲1%、10年が▲1.1%。これではインフレ率というより、デフレ率です。

 リーマンショック後の経済対策のために、PB赤字を一気に拡大したにも関わらず、国債金利上昇もインフレ率上昇も起きていない。当たり前です。日本はデフレーションなのです。

 とはいえ、この種の実績は「なかったこと」にしてしまい、財務省や緊縮派の政治家、学者、言論人たちは、
「財政赤字を拡大すると、国債暴落~っ! ハイパーインフレ~っ!」
 と、人々の恐怖心を煽る恐怖プロパガンダを続け、多くの国民が死ぬことになるでしょう。
 
 緊縮財政からの転換、PB黒字化目標の破棄、消費税減税を含む大規模経済対策を、何としても実現しなければなりません。

 緊縮からの転換に、我々の命がかかっているという現実を、これを機に徹底的に理解し、共有しなければならないのです。
 
※何度も書いていますが、わたくしは自分が作成したグラフ等について著作権を主張せず、ソースデータへのリンクも必ずつけています。皆様、是非ともご自由にご活用下さいませ。 

 

「財務省のPB・緊縮の欺瞞を打破せよ!」に、ご賛同下さる方は、
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