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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

アメリカのペロシ下院議長が米中激突の危険を冒して台湾に強行訪問。アルカイダ最高指導者を裁判なしに問答無用で暗殺。アメリカの横暴が世界を危険にし続けている。

2022年08月03日 | 海外の話題

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 アメリカ合衆国は、現地時間の2022年7月31日午前6時18分、首都カブール中心部にある潜伏先のバルコニーにいたアルカイダの最高指導者であるアイマン・ザワヒリ容疑者に向けて、ドローンから2発のミサイルを発射して暗殺したという事です。

 サワヒリ容疑者は2001年のアメリカ同時多発テロの首謀者とされたウサマ・ビン・ラディン容疑者がオバマ政権で暗殺されてからアルカイダの指導者だったという事ですが、そうやって報復の連鎖をしていても、全くテロが収まっていないってことですよね。

 だいたい、容疑者っていうけど、ビン・ラディンやザワヒリという人たちを容疑者と言っているのはアメリカ政府だけですからね。

 裁判もしていないのに、容疑だけでいきなり死刑なんて、許されませんよ。

ビンラディン | 一般社団法人滋賀県読売会(滋賀県読売新聞販売店の会)

9・11同時多発テロから10年 アメリカ市民は犠牲者だが、アメリカは加害者だ

 

 

 

 今のバイデン大統領が副大統領だった時のオバマ大統領も、9・11テロから15年、ビン・ラディン容疑者殺害から1年以上となる2016年9月11日、テロとの戦いの成果を強調しながらも

「テロの脅威は高まっている」

との認識を示しています。

9・11テロから15年。オバマ大統領がテロの脅威がさらに高まっていることを認める。先に攻撃したのはアメリカだから。

 



  オバマ大統領はビデオ演説で、同時多発テロの首謀者とされる国際テロ組織「アルカイダ」のウサマ・ビンラディン容疑者の殺害など、テロとの戦いは、この15年で大きく変化したとその成果を強調した一方で、IS(「イスラム国」)など、過激な思想に感化されたとみられるテロ事件などを挙げ

「ボストンマラソンの爆弾テロ、オーランドの銃乱射などテロの脅威は高まっている。

 我々はアルカイダや『イスラム国』を壊滅させる」

と言いました。

 でも、壊滅なんてしていないから、当時の副大統領だったバイデン大統領時代になってもまだ対テロ戦争をやっているわけです。

米ホワイトハウスのシチュエーションルーム(緊急対応室)で、ビン・ラディン暗殺の軍事作戦を見守るバラク・オバマ米大統領(左から2人目)、ジョー・バイデン副大統領(左)、ロバート・ゲーツ国防長官(右)、ヒラリー・クリントン国務長官(右から2人目)ら(2011年5月1日撮影)

9・11テロから20年。900兆円のお金を無駄にして30万人以上の無辜の市民を殺し、数百万人の難民を生み出した「対テロ戦争20年」の教訓。「戦争で得られるものは何もない」という真実。

 

 

 とにかく無差別に市民を巻き込んで殺してしまうテロは決して許されませんが、それはアメリカがアフガニスタンをはじめ世界中でやってきた戦争も同じこと。

 そして、裁判もせずに自分たちの勝手な理屈だけで容疑者なるものを殺してしまうのは、テロとまったく変わりません。

 アメリカの横暴なやり方こそがテロの根絶を阻んでいるのです。

 今回のザワヒリ容疑者殺害もどんな報復を産むかわかりません。

 そして、バイデン大統領と同じ民主党のペロシ下院議長の台湾訪問強行。

 ペロシ氏の主張する中国によるウイグルや香港などでの人権侵害はたしかに許されません。

 しかし、だからといって、ペロシ議長らが台湾に行くことに反対して、あれだけ中国が武力行使も辞さない勢いで警告しているのに、戦争の危険を冒してまで、ペロシ議長が台湾に行く意味は全くありません。

ペロシ米下院議長、台湾蔡総統と会談 「民主主義守る」: 日本経済新聞

ペロシ議長が来てしまえば会わないわけにいかないだろうが、蔡総統が実際に会ったのには驚いた。

非常に危険な賭けで賛成できない。

 

 

 そして、ペロシ議長の軽はずみな強硬姿勢は、米中双方の空母が中台海峡に集結するという大変な事態を招き、米中戦争を招きかねない一触即発の危機を生んでしまいました。

 それでなくても、ロシアがウクライナを侵略中で、ウクライナやロシアの市民だけでなく、食料が届かないアフリカや中東、ガソリンなどが軒並み上がってインフレに見舞われている世界が、ウクライナ戦争から有形無形の被害を被って苦しんでいます。

 そんな中、行われたアメリカによる「テロリスト」暗殺と下院議長による台湾訪問強行は、アメリカがその横暴で世界を戦争に巻き込むことも厭わない、ロシアや中国と同じ危険な超大国であることを如実に示しました。

 台湾から日本にやってくるペロシ議長とヘラヘラと無批判に会うことが、日本と中国の間の緊張も高めることを岸田政権は自覚すべきです。

 

ペロシ議長の台湾訪問は、中国が猛反発することがわかっているのに意地になったように強行されたものです。

下院議長は副大統領に次ぐ第二位の大統領継承者です。

こんなことをアメリカの中枢にいる人がやってしまったら、中台戦争や米中戦争の危険性さえあるのですから、舌打ちしたくなるくらい馬鹿げた軽はずみな行動です。

しかし、これがペロシ議長の単なる軽挙妄動ではないとしたら、アメリカは中国との衝突をむしろ歓迎しているとさえ見えます。

ロシアにさえ批判されているのですから、救いようがありません。

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台湾当局によりますと、アメリカのペロシ下院議長が2日夜、台湾に到着しました。

台湾のメディアは、ペロシ議長が3日、蔡英文総統と会うと伝えています。

ペロシ議長は大統領権限を継承する順位が副大統領に次ぐ2位の要職で、アメリカの現職の下院議長が台湾を訪問するのは1997年のギングリッチ氏以来25年ぶりです。

「台湾は中国の一部だ」と主張する中国政府は、ペロシ議長の台湾訪問計画がイギリスの新聞フィナンシャル・タイムズで7月中旬に報じられた直後から、「断固反対する。訪問すれば強力な措置をとる」などと繰り返し表明していました。

中国政府が今後、軍事的な対抗措置をとるようなことがあれば、地域の緊張がいっそう高まることが懸念されます。

ペロシ議長の台湾での発言や動きなどについて随時更新でお伝えします。

ロシア「アメリカの明確な挑発行為」

アメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問したことを受けて、ロシア外務省は2日、声明を発表し「中国に対するアメリカの明確な挑発行為とみなす」として、アメリカの動きを非難しました。

そのうえで「アメリカ政府に対し、地域の安定と国際的な安全保障を損なうような行動を慎み、アメリカの覇権が存在しない新しい地政学の現実を認めるよう求める」としています。

また「中国側には、自国の主権と領土の一体性を守るために必要なあらゆる措置を講じる権利がある」として中国側を支持する姿勢を示しました。

“台北101”の壁面に「民主主義の友に感謝」

 
アメリカのペロシ下院議長が台湾に到着したのにあわせて台湾で最も高いビル「台北101」の壁面には中国語で「民主主義の友に感謝」や「アメリカと台湾の友好は永遠」などのメッセージが表示されました。

また英語でも「ありがとう、ペロシ下院議長、台湾へようこそ」などと台湾訪問を歓迎するメッセージが点灯されました。

専門家 “中国は反発も衝突までには発展しない”

中国政治に詳しい早稲田大学の天児慧名誉教授は民主党のペロシ下院議長が台湾を訪問した背景について「アメリカがことし秋に中間選挙を控え、民主党が不利な状況に置かれているとも言われる中で中国に対する強硬な姿勢を国内向けに見せる。その材料として、台湾を訪問することによってアメリカが世界のリーダーシップを握っているということをアピールした」と指摘しています。

中国の受け止めについては「習近平国家主席としてはペロシ下院議長の台湾訪問を何も抵抗しないで見過ごすと、口だけの腰抜け外交などと国内から強い反発が出るため、強気の態度を示さないとならない。一方でアメリカとの対立に拍車をかける状態にすれば、コロナ禍で経済的な問題を抱えているなかで新たな火種を作り出すことになるので、非常に頭が痛いと思う」と話しています。

そのうえで中国の対応について「目立つけれど実害が出ないのは軍事的な威嚇を何回か続けるということだろう。しかしそれは威嚇であって攻撃をするわけではない」と述べ、演習などで反発の意思は示すものの、軍事的な衝突までには発展しないとみられるという認識を示しています。

中国「重大な政治的挑発、決して受け入れられない」

アメリカのペロシ下院議長が台湾に訪問したことを受けて、中国外務省は声明を発表し「ペロシ議長は中国の強烈な反対と厳正な申し入れにもかかわらず台湾を訪問し『1つの中国』の原則に著しく違反し、両国関係の政治的な基礎に深刻なダメージを与えた。中国は断固反対するとともに厳重に非難する」と激しく反発しました。

そのうえで「いかなる形や理由であれ、台湾を訪れることは重大な政治的挑発であり、中国は決して受け入れられず中国国民も認めない」としています。

そして「中国は必ずや必要なあらゆる措置をとる。これによって生じる一切の結果は、アメリカと『台湾独立』勢力が責任を負わなければならない」として、対抗措置をとる考えを示しました。

中国は、このほか台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室などが「断固反対する」などとした声明を相次いで発表しました。

台湾防空識別圏に中国軍機 のべ21機が進入

台湾本島の南西沖に設定している防空識別圏に2日、中国軍機のべ21機が進入したと、台湾国防部が3日未明に発表しました。内訳は殲16戦闘機のべ10機、殲11戦闘機のべ8機などとなっています。

アメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問に反応した可能性があります。

訪問めぐりアメリカでは大きな議論に

ペロシ下院議長の台湾訪問をめぐっては、中国側が「訪問を強行すれば、中国は断固とした強力な措置をとる」などと強くけん制したことからアメリカでは、訪問前から大きな議論を呼んできました。

バイデン大統領は先月20日、「軍はいま行くのはよい考えだとは思っていない」と述べたほか、有力紙、ワシントン・ポストは、先月23日、バイデン政権は台湾海峡の緊張が一気に高まることを懸念し、ペロシ議長に対し、訪問のリスクを説明したと伝えました。

一方、トランプ前政権で国防長官を務めたマーク・エスパー氏は先月26日、シンクタンクのイベントで「自己抑止をすべきでない。脅しには立ち向かわなければならない」と述べたほか、共和党の議員や一部の民主党の議員からも訪問を後押しする声が上がっていました。

バイデン大統領と習近平国家主席は日本時間の先月28日、電話による首脳会談を行い、両首脳は対話を継続し、今後、対面での首脳会談の時期を模索していくことで一致しました。

バイデン政権の高官はペロシ議長の台湾訪問をめぐるやり取りが首脳会談の中で行われたか明らかにしませんでしたが、ペロシ議長が中国の反対を押し切る形で台湾を訪問したことで米中関係の悪化は避けられず、台湾海峡の緊張が高まることも懸念されます。

ペロシ下院議長「アメリカの揺るぎない関与を示すもの」

ペロシ下院議長は台湾に到着した直後に同行している議員らと声明を発表し、「アメリカ議会の代表団の台湾訪問は、台湾の活力ある民主主義を支援するというアメリカの揺るぎない関与を示すものだ」とその意義を説明しています。

そして「世界が専制主義か民主主義かの選択を迫られる中で、2300万人の台湾の人々とアメリカの連帯はこれまでになく重要だ」としています。

そのうえで今回の訪問について「長年にわたるアメリカの政策と矛盾するものではない。アメリカは一方的に現状を変更しようとする試みに反対し続ける」として、アメリカの台湾政策に変更はないと強調しています。

“台湾総統府のサイトに台湾域外からサイバー攻撃”

台湾総統府の報道官は2日、総統府のサイトが、大量のデータを送りつけてシステムをダウンさせようとする「DDoS(ディードス)攻撃」と呼ばれるサイバー攻撃を受けたと発表しました。

攻撃は台湾域外から行われ、攻撃のデータ量は通常の200倍にのぼり、サイトの表示が一時できなくなりましたが、およそ20分後に復旧したということです。

中国軍 台湾周辺で軍事演習の開始を発表

アメリカのペロシ下院議長が2日夜、台湾に到着した直後、中国軍で東シナ海を所管する東部戦区は2日夜から台湾周辺で軍事演習を開始すると発表しました。それによりますと、台湾の北部や南西部、それに南東部の空と海上で軍事演習を行うほか、台湾海峡でも長距離の実弾射撃などを行うとしています。

また、中国国営の新華社通信は中国軍が4日から7日まで台湾周辺で重要な軍事演習を行うと伝えました。演習は台湾を囲むようにしたあわせて6か所の海域や空域で実施し実弾での射撃なども行うとしています。

演習に伴って、4日の現地時間の正午、日本時間の午後1時以降、該当する地域に船舶や航空機が入らないよう求めています。

さらに中国国防省の報道官も、2日夜遅く、「アメリカの行為は『台湾独立』勢力に誤ったシグナルを送り台湾海峡の緊張をエスカレートさせるものだ。中国軍は軍事行動を展開し対抗していく」とする談話を発表しました。

米下院議長の台湾訪問は1997年以来

アメリカ連邦議会の現職の下院議長が前回、台湾を訪れたのは、25年前の1997年です。

当時の共和党のニュート・ギングリッチ議長は、アメリカが1979年に台湾と断交して以来、アメリカ連邦議会の下院議長として初めて台湾を訪れ、李登輝総統などと会談しました。

会談後の記者会見でギングリッチ氏は「中国が武力によって台湾を統一しようとすれば、アメリカはあらゆる手段で台湾を防衛する」などと述べ、中国側は「内政干渉だ」として強く反発しました。

アメリカから要人が相次ぎ台湾訪問

近年、アメリカからは要人の台湾訪問が続いています。

おととし8月、当時のトランプ政権のアザー厚生長官による訪問はアメリカと台湾が1979年に断交して以来、大統領権限を継承する順位が最も高い閣僚の訪問となりました。

バイデン政権に代わってからも、大統領の意向を受けた非公式の代表団として、元高官らが去年4月とことし3月の2回、台湾に派遣されています。

議員団の訪問も相次いでいて、去年6月には超党派の上院議員3人が訪問し、台湾で当時不足していた新型コロナウイルスワクチンがアメリカ政府から提供されると表明しました。このとき、議員らは、韓国のソウル近郊にあるオサン空軍基地からアメリカ軍の輸送機に乗って台北を訪れていて、台湾有事の際に在韓アメリカ軍が出動することを示唆したという見方があります。

ヨーロッパからもおととし、チェコで大統領に次ぐ地位のビストルチル上院議長が、先月にはヨーロッパ議会のベーア副議長が訪れています。

ペロシ下院議長が台湾到着(日本時間2日24時前)

 
アメリカのペロシ下院議長は2日夜、専用機で台北の空港に降り立ち、呉※ショウ燮 外交部長らの出迎えを受けました。
※ショウは「かねへん」に「りっとう」

台北にあるアメリカの代表機関「アメリカ在台協会」によりますと、ペロシ議長は3日まで滞在し、台湾の指導者らと米台関係や平和・安全保障問題などについて意見を交わすということです。

ナンシー・ペロシ氏は、1940年生まれの82歳。

アメリカ西部カリフォルニア州選出で、1987年から18期連続で民主党の下院議員を務めています。

2003年に議会下院の党トップ、院内総務の職に就いたのに続き、2007年には女性として初めての下院議長となりました。

民主党きっての対中強硬派として知られ、かねてから中国の人権状況を厳しく批判してきました。

ことし開かれた北京オリンピックとパラリンピックに向けては中国の新疆ウイグル自治区で民族などの集団に破壊する意図をもって危害を加える「ジェノサイド」が続いているなどとして「外交的ボイコット」をすべきだと訴えました。

また、香港で大規模な抗議デモが相次いだ2019年には、民主活動家の黄之鋒氏らと首都ワシントンで面会し香港での人権の尊重と民主主義の確立を支援する考えを示しました。

さらに中国の弾圧からインドに逃れたチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世とも会談を重ねています。
 
 
 
 
2022年8月2日
アジア アフガニスタン アメリカ

アメリカがアルカイダ指導者ザワヒリ容疑者殺害を発表なぜ?

アメリカのバイデン大統領は、国際テロ組織アルカイダの現在の指導者、アイマン・ザワヒリ容疑者をアフガニスタンで殺害したと発表。
2001年のアメリカ同時多発テロ事件の計画に深く関わったとされる、ザワヒリ容疑者。
そもそもどんな人物?
今回の作戦に至る経緯は?
わかりやすく解説します。

ザワヒリ容疑者とは?

国際テロ組織アルカイダ指導者 ザワヒリ容疑者(右)と ビンラディン容疑者

アイマン・ザワヒリ容疑者は、国際テロ組織アルカイダの指導者で71歳でした。エジプト出身の元医師で、地元のイスラム過激派組織を率いて、1990年代後半にオサマ・ビンラディン容疑者を指導者とする国際テロ組織アルカイダに加わりました。

資金を管理したり活動の基本理念を構築したりして、ビンラディン容疑者が最も信頼する側近の1人となり、アルカイダのナンバー2としての地位を固めます。

2001年のアメリカ同時多発テロ事件の後、アメリカ軍などによるアフガニスタンへの攻撃が始まると、ザワヒリ容疑者は隣国パキスタンとの国境地帯に逃れたとみられます。

2011年5月にビンラディン容疑者が、潜伏先のパキスタンでアメリカの軍事作戦によって殺害された後、後継者としてアルカイダの最高指導者になります。ザワヒリ容疑者は、指導者になった後もアメリカなどへの攻撃を呼びかける声明を繰り返し出す一方、その動向が伝えられることはなく、たびたび死亡説も流れました。

そもそもアルカイダとは?

ビンラディン容疑者が率いていた国際テロ組織です。

1988年に結成され、96年に当時タリバンが勢力を拡大していたアフガニスタンに本格的に拠点を移し、メンバーへの軍事訓練を積み重ねました。

アルカイダは各地でテロを行っていて、1998年には、ケニアとタンザニアでアメリカ大使館を同時に爆破するテロを起こし、合わせて200人以上が死亡しました。また、2000年には中東イエメンの港に停泊するアメリカ軍の駆逐艦「コール」に爆発物を積んだボートが突っ込む自爆テロを行い17人が死亡しました。

そして、2001年9月11日、ハイジャックした4機の旅客機をニューヨークの世界貿易センタービルなどに激突させる同時多発テロ事件を起こし、日本人24人を含む、約3000人が犠牲となりました。

なぜアメリカはザワヒリ容疑者を追っていたの?

アメリカ同時多発テロ事件(2001年)

アメリカ同時多発テロ事件の計画に深く関わっていたとされ、事件の首謀者ビンラディン容疑者が殺害された後、アルカイダの指導者になっていたためです。

ザワヒリ容疑者は、2022年5月にアメリカを非難する内容の動画を公開していて、アメリカ政府は、拘束に直接つながる情報提供者に、最大で2500万ドルの懸賞金を出すとして、行方を追っていました。

作戦はどうやって実行されたの?

ザワヒリ容疑者を殺害したと発表する アメリカ バイデン大統領(2022年8月1日)

バイデン政権の高官によりますと、アメリカ政府は2022年に入ってから、ザワヒリ容疑者がアフガニスタンの首都カブールに潜伏しているとの情報を得たということです。

そして、2022年4月にホワイトハウスの高官の間で情報が共有された後、サリバン大統領補佐官からバイデン大統領に報告が行われました。潜伏先の住宅が判明してから、ザワヒリ容疑者が外出することは一度もなかったということですが、バルコニーにいる姿が何回も確認されたということです。

その後、攻撃によって住宅が壊れてザワヒリ容疑者以外の犠牲者が出ないよう、住宅の構造などについても調査したとしています。

7月1日、バイデン大統領はホワイトハウスでCIA=中央情報局のバーンズ長官などから作戦の説明を受けて、潜伏先の住宅の模型も示され、25日には、バイデン大統領に最終的な報告が行われたということです。この中で大統領は、会議の参加者に意見を聞き、全員が賛同したのちに作戦の実行を許可したということです。

そして、アフガニスタンの現地時間の31日午前6時20分ごろ、住宅のバルコニーにいたザワヒリ容疑者を、無人機からミサイルを発射して殺害したということです。現場にはアメリカ人の関係者はいなかったということですが、複数の筋から得た情報によって、死亡したのはザワヒリ容疑者だったとしています。

また、住宅にいた家族にけがはなかったほか、市民への被害も確認されていないということです。

ザワヒリ容疑者とタリバンの関係は?

タリバンは、ザワヒリ容疑者が率いるアルカイダと密接なつながりを維持してきたとみられていて、武器の提供や軍事訓練などで日常的に連携してきたと指摘されています。今回の件について一部の報道では、アフガニスタンで統治を進めるイスラム主義勢力タリバンの幹部の家で、ザワヒリ容疑者が殺害されたという話も出ています。

日本エネルギー経済研究所 保坂修司理事

この点について過激派組織の動向に詳しい日本エネルギー経済研究所の保坂修司理事に聞いたところ、次のような見方を示しました。

「そうであれば、タリバンがザワヒリ容疑者をかくまっていた可能性が高くなります」

一方タリバンは、8月2日に声明を発表し、7月末に首都カブールの住宅に対して空爆があり、調査の結果、アメリカの無人機による攻撃だったことが判明したと明らかにしました。

タリバンは、この攻撃とザワヒリ容疑者の殺害の関連については明らかにしていませんが「国際原則に反し、アメリカやアフガニスタン、地域の利益に反するものだ」として、攻撃を強く非難しています。

今回の作戦の意義は?

先ほどの保坂理事は、ザワヒリ容疑者の殺害について、次のように話しました。

日本エネルギー経済研究所 保坂修司 理事
「アメリカにとってザワヒリ容疑者は、ビンラディン容疑者と並ぶ最も重要なテロリストで、その殺害は、対テロ戦争において1つの大きな区切りになるのではないでしょうか。一方で、アルカイダの組織内でのザワヒリ容疑者の影響力はもともと限られていて、殺害は大きな打撃にならないとみられます。リーダーが殺害されたことは新たなテロを行う理由付けになり、報復として各地でテロが頻発する可能性に注意する必要があります」

 
 
 

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