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9月5日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』9月5日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「前代未聞だ 空っぽの首相候補をみんなで担ぐ自民党の狂乱」

 「モリ・カケ」に「桜を見る会」と、政治を私物化する安倍を、常に前面で守ってきたのが官房長官の菅だ。加計問題では、「総理のご意向」と記された文科省の内部文書について、真っ先に「怪文書みたいな文書」と切り捨て、後でブツが出てきて、泡を食った。だから、これら「負の遺産」の再調査を求められても、「検察庁が捜査した」「法令にのっとり、検討が進められてきた」と繰り返し、終わった話にしようとする。

 それだけじゃない。カジノを含む統合型リゾート(IR)事業参入をめぐる収賄で秋元司衆院議員が起訴された一件では「IRの旗振り役は菅長官」と噂されたし、選挙買収の罪に問われている河井克行前法相は、菅グループの中心メンバーだった。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。

 「菅氏の総裁選出馬には、疑惑の負の遺産にフタをする目的があるのでしょう。モリカケ隠しであり、桜散らしですよ。党本部から河井夫妻へ渡った1億5000万円をめぐる疑惑もある。他の人が首相になって、これらが調べられでもしたら危ないので、二階幹事長と談合しながら、自ら手を挙げたわけです」

 農家出身で高校卒業後に上京、段ボール工場で働きながら大学に進学した……。苦労人エピソードをしきりにアピールするのは、悪相と悪事を隠す手段。それなのに、メディアがもり立て、手を貸しているのだからどうしようもない。

 5派閥では既に、菅政権でのポスト争いが水面下で始まっている。二階派の幹部は「二階幹事長の続投は当然だ」と主張。3派の幹部は「二階氏を幹事長から外し、副総裁に」と狙っているという。官房長官ポストの奪い合いも激しく、二階に近い森山国対委員長(石原派)、河野防衛相(麻生派)、萩生田文科相(細田派)、西村コロナ担当相(細田派)などの名前が挙がっている。総裁選はまだ告示もされていないのに浅ましい。

 「政策もハッキリしていないのに、勝ち馬に殺到する。これほど腐敗した総裁選は見たことありません。かつて派閥は、総裁選で政策やビジョンの違いを競い合ってきた。派閥が振り子の論理を働かせる装置となり、自民党は疑似政権交代を行ってきたのです。しかし、安倍1強が長く続き、忖度官僚と忖度議員ばかりになった。自民党から政策的な競争がなくなり、緊張感もなくなった。今度の総裁選では、白昼堂々、権力亡者が傍若無人に跋扈している。世紀末の姿を見せられているようです」(五十嵐仁氏=前出)


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