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『少子化対策はデフレ対策である(前半)』三橋貴明 AJER2020.1.28

 

令和の政策ピボット呼びかけ人に、高橋あさみ様(私立Z学園高等学校 1年4組 16歳)が加わって下さいました。

また、メルマガ「令和ピボットニュース」が始まりました。皆様、是非とも、メルマガ登録を!
 
三橋TV第191回【「国民の皆さん○○して消費拡大して」って嘘でしょ?】
 
 はい、というわけで、三橋経済塾第九期のゲスト講師がようやく確定しました(今年は地方講義が多いので、スケジュール調整に苦労したのでございます)。
https://members9.mitsuhashi-keizaijuku.jp/
第一回(1月) 東京 竹村公太郎先生
第二回(2月) 京都 藤井聡先生
第三回(3月) 東京 浜崎洋介先生
第四回(4月) 仙台  室伏謙一先生
第五回(5月) 東京 中野剛志先生
第六回(6月) 札幌 小野寺まさる先生
第七回(7月) 那覇 長浜浩明先生
第八回(8月) 東京 大原浩先生
第九回(9月) 名古屋 河添恵子先生
第十回(10月) 大阪 佐藤健志先生
第十一回(11月) 福岡 施光恒先生
※第十二回はゲスト講師はいらっしゃりません。
 
 今回は、地方講演は一般の方(非塾生)の方でもご参加可能としたいと思います。(WEBへのアクセスはもちろんできませんが)

 第二回の京都(ゲスト講師、藤井聡先生)の回のお申込み受付を開始いたしました。
 
【令和2年2月15日(土) 三橋経済塾第九期 第2回講義】
https://ws.formzu.net/fgen/S16674399/
 
 非塾生の方もお申込み可能となっております。

 今期は、会場やゲスト講師の先生の都合で、開始が後ろにずれるケースがあるのでご注意下さい。今月の京都の受付開始は14時からです(いつもは13時)。

 また、5月の中野先生の回も、受付開始が14時半となります。
 
 中野剛志先生と言えば、以下で「令和恐慌」について警鐘を鳴らしていらっしゃいます。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※「歴史に魅せられて、myと辿る邪馬台国への道(前編)」が視聴可能となりました。

 

『評論家 中野剛志:悲劇は繰り返す!忍び寄る「令和恐慌」
◆景気後退にもかかわらず、消費増税を断行。自分で自分の首をしめるがごとく、ことさらに不景気を造っている。
(中略)井上は、浜口内閣の蔵相に任命され、金解禁を政策課題として与えられた際、かつて誰も為し得なかった金解禁を実現して、歴史に名を刻みたいという野心にとり憑かれたのだ。そして、その政治的野心が、冷静な情勢判断を妨げたのである。金解禁後、その失敗が明らかとなったが、失敗を認めることは政治的敗北を認めることに等しい。批判の声が高まれば高まるほど、井上はますます己の立場に固執せざるを得なくなるというディレンマに追い込まれた(中村隆英『昭和恐慌と経済政策』)。
 しかし、井上が自らの政治生命を守ることに執着したせいで、国民、特に中小企業と農民層が絶望的な困窮に追い込まれた。既存の支配層に絶望した彼らは、過激な右翼思想へと引き込まれていった。井上の緊縮財政がもたらした危機がファシズムを生み、日本を軍国主義へと駆り立てたのだ(長幸男『昭和恐慌:日本ファシズム前夜』)。
 これと同じことが、この令和の時代にも繰り返されようとしている。
 なぜ、景気後退にもかかわらず、消費増税は断行され、財政健全化路線が続くのか。おそらく、2012年の消費税増税法案の成立を推進・支持したエリートたちは、金解禁に邁進した井上のように、「先人が成し得なかった悲願の消費増税を自らの手で実現する」という政治的野心に駆り立てられたに違いない。それなのに、今さら景気後退を理由に、消費増税の凍結や積極財政に転じるなどということは、あり得ない。それは、彼らの政治的な敗北を意味する。その結果、国民がどうなろうと知ったことではない。不況の理由など、他に探せばいくらでも見つかる。こんな調子で、内外の景気後退期に消費増税を行うという愚行が粛々と行われたということではないか。
 さらに残念なことに、平成・令和の時代には、高橋是清や三土忠造のような政治家も、松下幸之助のような企業人も、全くと言っていいほど現れなかった。それどころか、経団連や経済同友会は、さらなる消費増税を求めている始末である。松下が言った通り「自分で自分の首をしめるがごとくことさらに不景気を造っている」のだ。現代の財界人は、かつて松下がもっていたような実践感覚をすっかり失ってしまったようだ。日本が長期停滞から抜け出せず、没落の一途をたどっているのも当然である。 その結果、苦境に陥った中低所得者層や若年層は、エリート層に対して強い不信を抱くようになるだろう。そして、彼らの怨恨を吸い上げるポピュリスト勢力が必ず台頭する。こうして、日本の政治も経済も混迷に陥って収拾がつかなくなるだろう。その兆候は、すでに表れているのではないか。
 現代人は、戦前の支配層の弱さや愚かさを反省したり、嘲笑したりするのを好むが、自分たちもいつか来た道を歩んでいることをもっと自覚した方がよい。』
 
 歴史を振り返ると、現代は大げさでも何でもなく、1930年代の日本に似ています。
 
 明らかに、国民経済に害を与える政策(消費税増税、金解禁など)が「政治家の政治生命」といったくだらない理由で推進される。

 あるいは、
「先人が成し得なかった悲願の消費増税を自らの手で実現する」
 といった、政策ではなく「政治」の論理で、苛政が進められる。

 挙句の果てに、政策の結果が「最悪」だったとしても、それを誤魔化すレトリックや統計操作、「嘘」が蔓延する。
 
 歴史に if は許されないといいますが、あえて書いてみましょう。
 
 浜口雄幸が総理大臣にならず、井上準之助が大蔵大臣にならなかったら?
 
 あるいは、高橋是清が二・二六事件で暗殺されなかったら?
 
 まあ、浜口と井上による緊縮財政がなければ、高橋是清の再登板もなかったのでしょうが、現代は「高橋是清の再来!」と思った財務大臣(麻生太郎)が、井上準之助と化すという1930年代よりも悪い状況です。

 しかも、「現実」があまりにも厳しいため、早くも大東亜戦争末期のごとく、政府が「嘘」ばかりを発信し、失政を誤魔化そうとする。

「だから、もう駄目だ」
「日本オワタ\(^o^)/」
 ではありません。

 足掻かなければなりません。抗わなければなりません。
「自分のような一個人が足掻いたところで、何も変わらないんじゃ・・・・」
 恐らく、そうでしょう。それでも、抗わなければならないのです。民主制の国の「国民」ならば。

 そもそも、民主制(戦前の日本も民主制)とは、この程度の制度なのです。国民が「主権者」として「正しい政策」を求めたところで、それが実現するケースはほとんどありません。

 それでも、腐った制度であっても、中華人民共和国や朝鮮民主主義自民共和国のような「政党」「個人」が主権を独占している国よりはマシでしょ。という話に過ぎないのですよ。

 この世にユートピアはないのです。

 我々が戦前同様に「いつか来た道」を歩んでいるのは、これは歴史的には普通にあることで、珍しいことでも何でもありません。

 かつての失政を繰り返す(しかも何度も)政府が、継続する。歴史的には「普通」です。むしろ、そうではない時代が見当たらないほどです。
 
 それでも、足掻くのですよ。自分や、家族や、知人や、子供や孫や、その先の世代の子供たちが大事だと思うなら。
 
 ちなみに、過去に「失政」「苛政」が繰り返されたのは、情報の独占性の問題です。何しろ、情報のコントロールは人々の「思考」の制御を可能とします。間違った情報しか知らない人は、間違った判断を下すのです、確実に。

 インターネットが普及した結果、現在は一個人であっても世界中の人々に情報を届けることが可能な時代となりました。だからといって、状況がいきなり好転するわけではありません。結果的に、自分で考えない愚者たちの声も大きくなった気がしますが、少なくとも「チャンス」はあるのです。

 そこに賭けているのですよ、わたくしは。
 井上準之助的ではなく、高橋是清的な「国民」が増えれば、確実に事態は好転します。
 
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