株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッターはこちら
人気ブログランキングに参加しています。

チャンネルAJER更新しました。

「潜在成長率の誤解に殺される(前半)」三橋貴明 AJER2020.10.26

    

 

令和の政策ピボット呼びかけ人に、林千勝先生(近現代史研究家)が加わって下さいました。
また、メルマガ「令和ピボットニュース」が始まりました。皆様、是非とも、メルマガ登録を!

 

 

30兆円の第三次補正予算実現を! 珍しく経済財政諮問会議がまともな提言をした件 [三橋TV第318回] 


https://youtu.be/Z_8lQL1TIo8

 日本は、自然災害大国です。
 自然災害大国である以上、我々はこの日本列島で、
1. 健全なナショナリズム(国民意識)に基づく共同体を維持する
2. 可能な限り分散して暮らす
 の二つが成立していない限り、生き延びられません。何しろ、大災害が発生した際には、
「別の地域に住む、同じ国民」
 に助けてもらうしかないわけです。
 

 災害時に「互いに助け合う」国民意識がない。あるいは、人口が極端に一か所に集中している。
 その場合、我々は「次の災害」時に家族を守れず、自らも命を落とすことになります。


 無論、単純に「経済成長」を追求するならば、人口が一か所に集中していた方が都合が良いのです。何しろ、人口集中はサービス業を興隆させる(市場が大きくなるため)。


 だからこそ、リニア新幹線などの高速交通インフラで「全国各地」を短時間で結び、
「人口の分散と、市場の集中を同時に達成する」
 ための提言を続けてきたわけです。


 とはいえ、現実の日本の政治は逆方向に突っ走り、ナショナリズム、共同体を破壊するグローバリズムを推し進め、さらには東京一極集中を加速する政策を推進。


 大規模小売店舗法による「商店街潰し」や、緊縮財政による地方インフラの放置、地方交付税交付金削減による財政的な締め上げなどなど、日本の地方衰退は「政策」の結果なのです。
 

 安倍政権は「地方創生」を語っていましたが、実際にやったのは、地方自治体に対し、
「グローバリズムに基づく公共インフラの民営化、PFI等の計画を出せ。公共の叩き売りが多ければ、地方交付税を厚くする
 という、頭のおかしい(グローバリズム的には正しい)政策でした。


 さらには、ふるさと納税(導入したのは菅義偉)を拡大し、
「もう政府は地方にカネを使わない。地方自治体どもよ、お前らは精々競争して、限られた税金を奪い合え!
 という、税収獲得のバトルロイヤルを煽る始末。


 そして今、究極の地方経済潰しが始まろうとしています。
 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

特別コンテンツ「歴史に魅せられて、myが聞いてみた~第一回 歴史時事編~」公開中!

http://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/

 

『最低賃金、全国一律化を 自民議連、コロナ後へ提言検討
 自民党は新型コロナウイルス収束後に向けた最低賃金の引き上げに関する議論を年内に始める。菅義偉首相が目指す東京一極集中の是正につなげるため、最低賃金の全国一律化を検討するよう政府に促す。提言の作成を検討する。
 党の「最低賃金一元化推進議員連盟(衛藤征士郎会長)」が提言作成を念頭に論点整理に着手する。意見聴取する有識者として首相に近い小西美術工芸社のデービッド・アトキンソン社長らの名前が挙がる。
 首相は10月の所信表明演説で「地方の所得を増やし、消費を活性化するため最低賃金の全国的な引き上げに取り組む」と明言した。議連は議論を党側から後押しする。(後略)』

 百歩譲って、地方の交通インフラなどが東京圏並に整備され、各地方が「同じ競争条件」であるならば、全国一律の最低賃金は不可能ではないかも知れません。


 とはいえ、現実には中央政府が、
「全体的な予算を緊縮で切り詰め、公共投資は東京圏に「選択と集中」」し、地方は切り捨てる」
 形で、地方経済の衰退を放置してきたわけです。
 

 この状況で、「最低賃金 全国一律」などとやった日には、弱い地方から中小企業の倒産、廃業が相次いでいきます。雇用の場が失われた地方からは、ますます人口が流出し、東京一極集中がさらに進む。

 

 分かりやすく書くと、発展途上国に先進国と「同じ給料を払え。払えなければ潰れろ」と言っているようなものです。


 菅総理が本気で「地方の所得を増やす」ことを望んでいるならば、やるべきことは一つしかありません。緊縮財政の転換です。
 

 全体的な予算を増やし、地方に重点的にインフラ投資をしていく。
 あるいは、地方交付税を引き上げていく。
 

 政府が「需要」を作らない限り、日本の地方経済が復活することはないのです。


 それにも関わらず、やることは、
全国一律の最低賃金。払えない企業は自己責任。企業が潰れて経済が衰退した地方も自己責任
 というわけでございます。

 

 しかも、地方潰しは「地方の所得を引き上げる」という、一見、正しく感じる理由で推進される。

 この欺瞞。吐き気がする。


 あえて名指ししますが、特に全国のJC(日本青年会議所)の皆さん。今度の「網」は皆さんに掛けられていますよ


 JC以外でも、地方の中小企業の経営者の皆さん。自分の会社や従業員を、あるいは「地元」を守りたいならば、動き出さなければだめです。


 そして、都会で暮らす国民の皆さん。地方の衰退は、我々都市住民の「安全保障の危機」なのですよ。
 

 特に、東京都民。近い将来、首都直下型地震が起きたとして、日本の地方が衰退していた場合、我々は地震そのものでは死ななくても、その後の「救援不足」で命を失うことになります。


 ことは、全ての国民の生活、人生、安全保障にかかわっているのです。
 

 緊縮財政の転換を求めると共に、最低賃金の全国一律化に反対の声を上げて下さい。

 

「最低賃金全国一律化に反対する!」にご賛同下さる方は↓このリンクをクリックを!

本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。
◆関連ブログ
日本経済復活の会のホームページはこちらです。
㈱日本富民安全研究所のブログ絶望の先にはこちらです。
◆三橋貴明関連情報
新世紀のビッグブラザーへ ホームページはこちらです。
メルマガ「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」はこちらです。