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裁判所の公開法廷で証人尋問をするのも仕事のうちである我々弁護士から見ても、立憲民主党副代表の辻元清美さんが安倍首相や菅首相を追い詰めてきた尋問技術はピカイチで、実に相手の嫌がる急所を攻め立てます(笑)。
2021年10月11日、衆院本会議で行なわれた代表質問で、辻元議員はいわゆる「赤木ファイル」を記した財務省近畿財務局の職員・赤木俊夫さんの妻、雅子さんの手紙全文を読み上げて、岸田文雄首相に回答を迫りました。
辻元議員は
「先週、森友公文書改ざん問題で自殺に追い込まれた赤木さんの妻、雅子さんにお会いしました」
と切り出し、雅子さんに
「どんな思いでお手紙を出したのですか」
とお尋ねしたところ、雅子さんから
「岸田総理は人の話を聞くのが得意なので、私の話も聞いてくれるかと」
と答えを得たと話します。
そのうえで、辻元議員は岸田首相に
「(手紙を)読みましたか?御返事はされるのですか?お答え下さい」
というと、雅子さんが岸田総理へ送ったという手紙全文を読み上げたました。
NHKの中継カメラでは、読み上げる辻元議員の横で神妙な表情を浮かべる岸田総理を映し出しました!
その後、岸田首相は
「ご冥福をお祈り申し上げたい」
「ご指摘の手紙は拝読しました。内容はしっかり受け止めさせて頂きたい」
と回答しました。
しかし、続けて、現在は民事裁判において赤木雅子さんと国は
「原告被告の立場にある」
「返事は慎重に対応したい。裁判の過程において、まずは裁判所の訴訟指揮に従いつつ、丁寧に対応するように財務省に指示を行った」
と言い逃れるところを満天下に中継されてしまったのでした。
これは全く非論理的で、裁判になっているからといって被告側が何も言えないなんてことは法律的にも事実上もありません。
例えば交通事故の裁判で被告になっている加害者が、原告の被害者遺族に謝罪するとか、裁判外で説明するなんてことはいくらでもあることで、岸田首相の言っていることはキシダメ首相らしい言い訳に過ぎません。
辻元副代表に先立って質問した枝野立憲代表も岸田首相に、日本学術会議が推薦した会員候補6人を菅前政権が任命しなかったことについて
「任命権者である当時の首相が最終判断したものだ。一連の手続きは終了したものだと承知している」
と言わせ、岸田政権でも任命はしないという旧態依然ぶりを暴露しました。
さらに、辻元議員は岸田首相から、甘利明自民党幹事長の金銭授受問題に関し、
「(甘利氏が独自に作成したとする)調査報告書は見ていない」
という答弁を引き出しました。
岸田首相の所信表明演説に対する代表質問だけでこの成果。そりゃ、岸田首相が予算委員会も開かずに、史上最短で内閣総理大臣になってからの解散総選挙をするわけです。
岸田政権を追い詰める時間が絶対的に足りないまま、総選挙を迎えるのは惜しいことですが、キシダメ内閣が何にも古い自民党政治を変える気がないことは、有権者に知らせていきたいものです。
まさか代表質問で、赤木雅子さんのお手紙を全文朗読するという発想がびっくりです。
さすが大阪を地盤とする辻元さん、雅子さんとの信頼関係もしっかり作っているのですね。
発想力、尋問力もさることながら、自民党の政治家にはない人間味が素晴らしい。
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【速報】代表質問で岸田首相「赤木さんの妻への返信は慎重に対応」
配信 TBS
岸田総理の所信表明に対する代表質問で、立憲民主党の辻元副代表は森友学園をめぐる文書改ざんの問題で自殺した近畿財務局の元職員、赤木俊夫さんの妻・雅子さんが岸田総理に送った手紙を読み上げ「返信の予定はあるのか」「再調査するのか」と迫りました。
これについて岸田総理は、「民事訴訟で今現在、原告と被告の立場にあるので返事には慎重に対応したい」と表明。再調査に慎重な考えを繰り返し述べたうえで、「公文書管理法に基づき文書管理を徹底していく」と強調しました。
赤木雅子さん「岸田総理への手紙」を立憲・辻元清美議員が代表質問で全文読み上げ(文・相澤冬樹)
配信 日刊ゲンダイ
手紙を手にする辻元衆院議員(提供写真)
【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】 辻元清美さん。国会で総理大臣に厳しく迫る“闘う”議員。政治にうとい私でも名前を知っている。(「私」は赤木雅子さん=以下同) 広島県連1.5億円の河井事件に不満爆発! 岸田首相に突き付けられた「アベ切り捨て」の“踏み絵” その辻元さんから人づてに連絡があった。
私の夫、赤木俊夫のことを国会で質問してくれるという。夫は財務省で公文書の改ざんをさせられ、命を絶った。でも財務省の調査報告書にはその事実が書かれていない。私は再調査をお願いしているけど、国は応じてくれない。
それを国会で岸田総理大臣に問いただすからメッセージをいただけませんか、というお話だった。
総理大臣に言葉を伝えてもらえるなんてありがたいお話だ。でも私は怖かった。辻元さんは国会でもネットでもよく攻撃を受けている。メッセージを預けたら私も攻撃されるだろう。折角だけどお断りしてしまった。
でも、これをきっかけに私は自分で岸田総理大臣に直接手紙を出した。想像以上に大きく報道され、話題になった。驚いたのはヤフーニュースの「みんなの意見」。衆院選で重視するテーマは? という質問に「森友問題の再調査」と答えた人が4分の1で断トツの1位だ。
そして辻元さんからまた連絡が。国会の代表質問で手紙を全文読み上げて岸田総理に見解を聞くという。そこまでしてくださるのに逃げる訳にはいかない。9日、大阪・高槻市の地元事務所を訪ねた。
会うなり盛り上がったのは2人とも同じピンクのマスクだったこと。「あ~同じだ!」と笑う姿は闘士のイメージとは程遠い。携帯のカバーも身の回りのどれもがピンク。男ばかりの中で頑張ってるけど、本当は可愛い人なんだと感じた。辻元さんは怖くない。怖いのは辻元さんや私を攻撃してくる人たちなんだ。
■「私の裁判人生に、やっと女性が現れた」
うちとけたところで辻元さんは私の目を見て「一人で暮らしてるの?」。その言葉に、一人で闘う女性同士の心遣いを感じた。辻元さんも攻撃されれば傷つくし怖いこともあるだろう。私も同じだ。政界も裁判も財務省も周りは男性だらけ。男性に囲まれる圧迫感、攻撃される恐ろしさ。女性同士だからこそわかりあえる。私の裁判人生に、やっと女性が現れた……。
辻元さんの代表質問は11日の午後3時前後。私の総理への手紙が読み上げられる。NHKが全国に生中継する。岸田総理もだけど、全国の女性の皆さんが聞いてくださったらうれしい。 (相澤冬樹/ジャーナリスト・元NHK記者)
辻元清美議員、赤木氏妻の手紙全文読み上げる 岸田総理は神妙表情
立憲民主党の辻元清美議員が11日、国会での衆議院代表質問で、いわゆる「赤木ファイル」を記した財務省近畿財務局の職員・赤木俊夫さんの妻、雅子さんの手紙全文を読み上げ、岸田文雄総理へ回答を迫った。
辻本議員は「先週、森友公文書改ざん問題で自殺に追い込まれた赤木さんの妻、雅子さんにお会いしました」と切り出した。雅子さんへ「どんな思いでお手紙を出したのですか」と聞いたといい、雅子さんは「岸田総理は人の話を聞くのが得意なので、私の話も聞いてくれるかと」と答えたという。
辻元議員は「(手紙を)読みましたか?御返事はされるのですか?お答え下さい」というと、雅子さんが岸田総理へ送ったという手紙全文を読み上げた。NHKの中継カメラでは、読み上げる辻元議員の横で神妙な表情を浮かべる岸田総理を映し出していた。
岸田総理は、赤木氏へ「ご冥福をお祈り申し上げたい」とした上で「ご指摘の手紙は拝読しました。内容はしっかり受け止めさせて頂きたい」と回答。さらに現在は民事において「原告被告の立場にある」とし「返事は慎重に対応したい。裁判の過程において、まずは裁判所の訴訟指揮に従いつつ、丁寧に対応するように財務省に指示を行った」などとも答え、最後に「今後、行政において疑惑を招くような事を二度と起こさないよう」などと語った。
改ざん犠牲者の妻から「総理への手紙」 国会で全文読み上げへ
10/10(日) 17:24
財務省の公文書改ざん事件で犠牲になった職員の妻が、岸田総理大臣に出した手書きの手紙。大きな反響を呼ぶその全文が、あす11日、国会の代表質問で読み上げられることになった。立憲民主党の辻元清美副代表が自身の質問の中で読み上げ、岸田総理大臣に見解をただす。
手紙は、公文書改ざん事件で上司に改ざんをさせられ命を絶った、財務省近畿財務局の赤木俊夫さん(当時54歳)の妻、赤木雅子さん(50)が、岸田総理大臣にあてて直筆で送ったもの。手紙で雅子さんは「財務省の調査は行われましたが、夫が改ざんを苦に亡くなったことは書かれていません。なぜ書いてないのですか?」と尋ねている。そして「夫が正しいことをしたこと、それに対して財務省がどのような対応をしたのか調査してください。そして新たな調査報告書には、夫が亡くなったいきさつをきちんと書いてください」と訴えている。
手紙が総理大臣官邸に届いた7日以降、各マスコミで大きく報じられ、Yahoo!ニュースでも一時ランキング上位に入るなど、話題になっている。一方、岸田総理大臣は記者団の質問に対し、手紙を受け取って読んだことを認めたものの、雅子さんが提訴した裁判の中で「丁寧に対応するよう財務省に指示を出した」とだけ述べ、手紙で訴えている報告書への疑問や再調査については答えなかった。
これを受けて立憲民主党の辻元清美副代表は、11日に衆議院本会議で行われる各党の代表質問で、赤木雅子さんの手紙の全文を読み上げることを決めた。手紙は手書きで便せんに1枚少々と短く、辻元副代表は議場で全文を紹介した上で、岸田総理大臣に誠意ある答えを求める考え。
辻元副代表は「この問題で政府はずっと答えをはぐらかしてきた。遺族の手紙もはぐらかすつもりなのか、赤木雅子さんに代わってきちんと問いただしたい」と述べた。
赤木雅子さんは「私の手紙を岸田総理大臣の目の前で読んでいただけるとは、ありがたいことだと思っています。多くの方、中でも女性の皆さんにぜひ聞いていただけたら」と話している。
衆議院の代表質問は、あす11日の午後。立憲民主党の枝野代表と自民党の甘利幹事長に続き、立憲民主党の辻元副代表の質問は午後3時前後からとなる見通し。NHKのテレビ中継も行われる。
衆院選で最重視するテーマのアンケートで「森友事件の再調査」がトップに
Yahoo!ニュースの「みんなの意見」というアンケート調査で「衆院選、あなたが最も重視するテーマは?」という質問を行ったところ、「森友問題の再調査」が回答の25%を占めトップになっている。
(10月10日午前10時現在。回答…6万9399人。アンケートは月末まで継続中)
①森友問題の再調査…1万7639票(25.4%)
②外交・安全保障…1万3959票(20.1%)
③経済・成長戦略…8054票(11.6%)
④コロナ経済・補償対策…6231票(9.0%)
https://news.yahoo.co.jp/polls/domestic/42663/result
財務省の公文書改ざん事件
財務省が森友学園に売却した国有地の巨額値引きが発覚した後、取引に関する決裁文書から、首相の妻(当時)安倍昭恵さんの名前をすべて削るなど、多数の改ざんが行われた。現場の近畿財務局の職員だった赤木俊夫さんは改ざんに反対したが、上司に改ざんをさせられ、その後うつ病に苦しんだ末、約1年後に自宅で命を絶った。
【執筆・相澤冬樹】
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