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「物流24年問題の実態と解決策(前半)」三橋貴明 AJER2024.3.5

  

令和の政策ピボット呼びかけ人に「独身研究家 荒川和久先生」が加わって頂けました。

 

なぜ経団連は消費増税に賛成するのか?〜増税を利用してボロ儲けする影の支配者とは?[三橋TV第840回] 三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/DxaXRiauX7Q

 

 
 22年十月、、TSMCの創業者であるモリス・チャンが、
グローバリズムはほぼ死んだ。自由貿易もほぼ死んだ。多くの人がまた復活すると願っているが、私はそうなるとは思わない」
 と、語りました。


 さらに昨年の十月、
「自由貿易はすでに死んだ。安全保障が国家の最重要事項になり、TSMCは皆が必要とする会社になった」
 と。


 ちなみに、モリス・チャンについて「中国の手先」といったレッテル貼りをする人がいますが、もちろん彼は中国本土の出身ですが、実質的にはアメリカ人です。モリス・チャンはTIに長年勤め、1985年に台湾政府に招かれ、世界初のファウンドリーであるTSMCを創業しました。


 無論、TSMCは中国とのビジネスもやってはいますが(※TSMCの最大顧客はアップル)、アメリカのアリゾナ州にファウンドリー(しかも3nm!)の建設が決まった時点で、「日米及び同志国・地域(日米半導体協力基本原則より)」側に組する決断をしたのだと思います。
 

 つまりは、安全保障が自由貿易に優先する時代が訪れた、と。ビジネスというか「カネ」目的で企業経営を好き勝手にすることが可能な時代は終わった。
 

 半導体の露光装置という重要分野で、圧倒的なシェアを誇る企業は、オランダにあります。ASMLです。
 

 ASMLの半導体製造に際した露光装置におけるシェアは、何と95%! 残りは、キヤノンとニコンという日本メーカーになります。


 現時点で、ASMLの競争力は圧倒的で、特に最先端のEUV(極端紫外線)露光装置は、ASML独占状態にあります。ここに切り込める可能性があるのが、キヤノンのナノインプリント・リソグラフィといった新技術になりますが、とりあえずはASML。
 

 ASMLなしでは、たとえアメリカであっても、最先端の半導体を製造できないのです。
 

 今年の一月、ASMLは、バイデン米政権からの要請を受け、一部装置の中国向け出荷を取りやめました。要は、オランダ政府が、ASMLに対し、一度は出していた中国への半導体露光装置の輸出許可を取り消したのです。


 もっとも、ASMLはあくまで「民間企業」です。その民間企業の対中輸出を、本当にパーフェクトに規制できるのか?


 もちろん、オランダ国内からの輸出規制はできますが、ASMLという「民間企業」が他の国に製造拠点を設け、そこから輸出する場合は?

 

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ASMLの国外移転阻止目指す 半導体強化に4000億円―オランダ
 オランダ政府は28日、半導体産業の強化を目的に、新たに約25億ユーロ(約4000億円)を投資する計画を発表した。半導体製造装置大手ASMLが拠点を置く同国南部アイントホーフェン周辺地域での人材育成や住環境の整備などに活用し、同社の国外移転を防ぐ。
 オランダでは昨年の下院選挙で、反移民や反欧州連合(EU)を掲げた極右の自由党が勝利。AFP通信によれば、ASMLのウェニンク最高経営責任者(CEO)は1月、政治情勢の変化を受けて国内で移民や留学生といった優秀な人材の確保が困難になった場合、「他の場所で確保する」と懸念を表明していた。』

「他の場所で確保する」
 の、他の場所が「中華人民共和国」であっても、「自由貿易」的な考え方に基づけば、
「で? 何が問題なの?」
 という話ではあるのですよ。


 とはいえ、モリス・チャンの言葉通り、自由貿易は死んだのです。安全保障が優先される時代が訪れた。


 i今のところ、オランダ政府が「ASMLはオランダ以外に製造拠点を設けてはならない」といった規制までは、さすがに(まだ)無理。となれば、オランダ政府はアメリカとの関係を慮り、
「カネを出すから、他の国に拠点を移すのはやめてくれ」
 と、やらざるを得ないというわけですね。


 ま、だ。


 それにしても、EUというお花畑グローバリズムに染まったオランダの政府が、特定企業の海外移転を防ぐために予算を使うとは、時代は変わったものです。


 要するに、自由貿易は死んだのです。

 

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