京都の高校生「五輪反対」訴え 一人立ち続ける

那須開登さん。=18日、京都河原町 撮影:田中龍作=

 無観客が決まるまでは児童・生徒が動員されるはずだった東京オリンピック。京都では高校1年生が敢然と「五輪反対」を訴えて立ち上がっていた。

 那須開登(かいと)さん・15歳。京都を代表する繁華街である四条河原町に「CANCEL the Tokyo Olympics」のプラカードを掲げて一人立つ。5月末、抗議のスタンディングを始めた。きょう18日で5回目となる。

 五輪に反対する理由を聞くと、間髪を入れず、明確な答えが返って来たー

 「国民の健康を危険にさらしてはいけない。ゴールはコロナを封じ込めること。国民の80%が反対(再延期も含めて)しているのにそれを押し通すのは非民主的だ」。「復興五輪というけれど何も復興できてないではないか」。

開登さんは人の話をよく聞き、自分の考えも遠慮せずにぶつける。この日は大学でメディア論を教える女性とアメリカ政治について議論した。=18日、京都河原町 撮影:田中龍作=

 開登さんが社会問題に興味を持つようになったのは、バーニー・サンダースの登場だった。

 「サンダースは大きく社会を変えてくれると思った。社会保障や税制のドラスティックな変更によって」。早熟の15歳は熱っぽく語った。

 貧困問題に関心があるという。田中が「オリンピックは貧困問題の象徴なんだよ」と言うと、「そうなんですよ」と我が意を得たりとばかりに頷いた。

 15歳は首尾一貫していた。社会の雰囲気に乗って「五輪反対」を訴えているのではないことが手に取るように分かった。

京都名物、油照りのなか「オリンピックは民主主義に逆行する」と訴えた。=18日、京都河原町 撮影:田中龍作=

 東京ではきょう18日、組織委が主催して迎賓館でバッハIOC会長の歓迎会を開く。国賓並みの扱いである。このうえない税金の無駄遣いである。

 開登さんはどう受け止めているのだろうか。

 「(非常事態宣言下の)東京では会食はするなと言われているのに、40人もが集まって食事をするなんて人々の納得が得られない」。何を聞いても明確な答えが返ってくるのだった。

 きょう18日を入れてあと6日で強(凶)行開催に突入しそうだ。どうするのか。
 
 「開会式を止める京都の大規模デモに参加する」。15歳は外連味(けれんみ)なく答えた。

  ~終わり~

      ◇
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