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「全ての歴史がイギリスから動く(前半)」三橋貴明 AJER2020.8.10
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日本の「硬貨」の謎 実は五百円玉は原価43円の金属円盤? [三橋TV第278回]
日本の消費税が「格差拡大型」の逆累進課税であることは、今さら言うまでもありません。
あ、消費税の政策目的は「消費抑制しかない」と解説してきましたが、もう一つありましたね。格差拡大。
平成の時代、日本は様々な「構造改革」を繰り返し、自ら衰退してきましたが、税関係も相当ひどい状況になっています。簡単に書くと、格差拡大型の「構造」が様々な分野で造られた。
法人税減税や所得税の累進課税の緩和は言うまでもありませんが、先日、大石久和先生から伺い、
「あっ!」
と、なった話。
以前は、国土交通省は「ガソリン税(正式には「揮発油税」と「地方揮発油税」)」という税金で、道路を整備していました。いわゆる「受益者負担」の考え方ですね。
ガソリン税は、「ガソリン1リットル当たり53.8円」と、結構、高額です。下手をすると、ガソリン代の半分が税金になってしまいます。
このガソリン税が、2008年の道路国会で、特別会計から「一般会計」、つまりは財務省管轄下に移されてしまいました。結果、日本は道路が造られなくなっていきます。
厳密には「道路建設用の税金をガソリン税として取られていながら、道路が造られない」状況になったわけですが、さらに一つ、重大な問題があります。
日本において、「車を複数台所有し、ガソリンをたくさん使う」のは地方の住民ということです。東京圏などの大都会の住民は、車に乗るどころか、車を持ちません。
地方の家計は、複数の車で消費するガソリン全てに「ガソリン税」がかかっています。「交通」あるいは「移動」に対する罰金(税金)が、圧倒的に地方の住民の方が重くなってしまっているのです。
しかも、ガソリン税を負担し、その分、地方の交通インフラの整備が進むのかといえば、それはやらない。その上、公共交通機関が廃止されていっている。東京一極集中が続いて、当然でしょう。
日本は「交通インフラの整備」に加え、「交通に対する税」までもが、格差拡大型・東京一極集中促進型、になっているのです。
そして、東京一極集中は、少子化、人口減を促進し、将来的には「日本人消滅」をもたらす。
【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※特別コンテンツ、近現代史研究家・林千勝先生【大東亜戦争の真実~奪われた勝利への道~】が視聴可能となりました。
『児童手当「第3子以降は月6万円に」 衛藤担当相、財源に企業内部留保など
https://mainichi.jp/articles/20200821/k00/00m/010/300000c
衛藤晟一少子化担当相は21日の日本記者クラブでの講演で、中学生以下の子ども1人当たり月1万~1万5000円が支給されている児童手当に関し、第2子は3万円、第3子以降は6万円に引き上げるべきだとの考えを示した。新型コロナウイルスの流行でさらなる少子化が懸念されるとの認識を示した上での表明。「私がやりたいことを集計すると3・5兆円ぐらいかかる」と述べ、財源は固定資産税や相続税の増税、企業の内部留保を例示した。(後略)』
ゾゾゾゾゾ~ッッッと、怖気震ってしまった記事。
日本の少子化は、「婚姻率の低下」によりもたらされています。そして、婚姻率の低下をもたらしたのは、実質賃金下落と東京一極集中です。これは、少子化社会対策白書のデータからも明らかです。(安藤裕先生が頻繁に引用される、あれです)
衛藤大臣は、今の日本では、そもそも、
「結婚が贅沢品」
と化している現実を認識していない。「三人の子供」を持てる世帯など「富裕層」でございますよ。
相対的富裕層に対して、手当てを厚くし、「結婚や出産を夢見る若者」の貧困は「自己責任」。いやあ、見事なまでの格差拡大策でございますね。
くたばれっ! と、言いたくなりません?(注:三橋は児童手当の拡充そのものに反対しているわけではありません。念のため)
あれですかね?
「日本の貧困層に支援をするな。そうすれば、貧困層は子供を作れず、そのうちに消滅するから、貧困問題は解決する」
といった発想なのでしょうか。
しかも、財源が「内部留保」って・・・・、共産主義かっ! 私有財産に手を付けるんじゃない! 日本国憲法第二十九条違反だろが、どう考えても。
見事なまでの、貨幣のプール論。
(ついでに書いておきますが、わたくしは固定資産税は「資産課税」故に廃止するべきで、相続税や(家族間の)贈与税は「家族という共同体」を破壊する方向であるため、問題と考えています)
日本の政治のレベルはここまで落ちたのかと絶望したくなりましたが、ここ(注:衛藤大臣)までレベルが低いと、逆に吹っ切れる気がします。
別に、衛藤大臣に限りませんが、
「駄目だこいつ・・・早く何とかしないと・・・」
ですよ、ほんと。
何とかしましょ。
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