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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

大阪イソジンの会が恫喝路線へ。橋下徹氏「優先的にPCR検査を受けたとは言わせない」、吉村大阪府知事「インサイダー取引と言ったら許さない」。市民の皆さん、安心してください。たいしたことないです(笑)。

2020年08月13日 | 野党でもゆ党でもなく第2自民党の悪党維新

必ずやらせないといけない安倍内閣総辞職。維新ともども逃がさないぞ!

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 本来ならばもっと格調の高い記事を書きたかったのですが。

 記念すべき5000万PV達成後、初の記事がこの二人、ってのがどうかと思うんですが、2008年に人権蹂躙の橋下大阪府知事が誕生してからの因縁の相手なんで、まあ仕方ないですね(笑)。

こんな人なんだもん。

 

 

 新型コロナに対する吉村大阪府知事と橋下氏の発信力のおかげで、東京都知事選で全く無名の維新候補が4位に食い込む大躍進。

 また維新に色目を使う国民民主党の玉木代表や前原・山尾氏らが、立憲民主党に合流するのを拒否して維新と協力体制を狙うなど、いい感じになっていました。

 ところが、吉村府知事がイソジン会見で馬脚を現し、大阪保険医協会・歯科保険医協会から抗議を受けるなど散々なことになってきたので、橋下氏吉村氏とも維新本来の強面路線に戻ったのでしょう。

無能な吉村大阪府知事(維新)のせいで、大阪が連日コロナ過去最悪を更新。とうとう221人に!1週間で倍に!吉村府知事の対策は「5人以上の飲み会しないでね」(大笑い)。

 

 

 まず、吉村大阪府知事。

 2020年8月4日に、ポピドンヨード入りのうがい薬を一日4回使った人のPCR検査陽性率が下がった、たった41人だけど、と言って、これは効果があるかもしれないとわざわざ記者会見し、ドラッグストアからイソジンなどが消え、ネットでは高値転売。

 翌5日から慌てて治療薬ではない、予防薬でもない、そしたらなんなんだ?!みたいな言い訳を連投していたのですが、8月9日のTBS「サンデー・ジャポン」でテリー伊藤が、吉村知事の会見当日に「情報ライブ ミヤネ屋」に出演し、

「実はこの話を1時間半くらい前に知った」

と情報が事前に漏れていたとする発言をし、

「これこそインサイダー取引じゃないか」

という批判がさらに広がりました。

 

 

 吉村知事は8月11日からツイッターやテレビで

「インサイダー取引は犯罪です。ネットで根拠なく軽々に発信されない方がいいです。当然、僕にそのような事実はありません」

「ネット上での吉村インサイダー疑惑なるものは、名誉毀損になりますので、ツイートやリツイートは削除されるようお願いします。一線を超えるものは、然るべき対応をとります」

と警告し始めたんですが、吉村氏がインサイダー取引をしたというんじゃなくて、大阪府知事の記者会見の前に、すでに一般人がイソジン情報を聞かされていた、と言うのではインサイダー取引を誘発しても仕方ないといわれているわけで、吉村氏の恫喝は的外れです。

 

 

 そもそも、吉村氏は自分に降りかかる火の粉を気にするなら、大阪のコロナが中高年に広がっていることに対処すべきです。

 大阪府で8月11日に感染が確認されたのは小学生~90代までの102人でしたが、このうち40代以上が63人と約6割を占めていて、10代~30代の若者世代の38人を大きく上回っています。

 重症化リスクの高い70代以上の感染者だけを見ても35人と全体の約3割を占めていて、高齢者への感染の広まりも懸念されています。

 実際、重症になった感染者も第2波となってから最多の一日で8人確認されました。

 吉村府知事は8月1日に

「発生しているエリアが夜の街関連のところや、若者が集団で集まって宴会をするところで広がってきている」

 と語って、ミナミの一部のエリアに営業自粛を求めるのが対策としていたのですが、全くの大外れ。

 若者や夜の町など悪者を作るのに終始しているからこういうことになるのです。

たったこれだけのエリアに2週間休業要請したからって何になる!?

たったこれだけのエリアに2週間休業要請したからって何になる!?

吉村大阪府知事(維新)が感染経路不明者が7割、その濃厚接触者と合わせて感染経路がわからない人が98%なのに「夜の街関連、若者の宴会で感染が広がっている」と大ウソをついて、ミナミの一部に休業要請。

 

 

 かたや、イソジンの会創設者の橋下徹氏は、吉村氏がやってるふりならこっちは安倍政権を批判しているふりで、連日テレビで引っ張りだこ。

 この前はTBSに出禁になってから17年ぶりに出演。

「この番組は安倍首相が嫌いなの!?」

とすぐに恫喝していましたが(笑)、それとは別にツイッターで8月5日から一般市民に向けて恫喝を始めています。

 

 

 橋下氏は5日付投稿で

「警告)僕は特権を使ってPCR検査をしていない。2週間自宅待機の上で正式な手続きを踏んだ。その後の検査で当時、甲状腺炎だったことが判明し現在も治療中」

「しかし、いまだに特権を使ったとか、何もないのに検査を受けたというネット投稿が氾濫している」

「相当な根拠を持たず自分の投稿に自信がないは削除するように。人のツイートを安易にリツイートした人も責任を負う」(原文まま)

「今から削除した人には責任は問わない」

「2週間自宅待機したが、喉の激痛、発熱、倦怠感が収まらず医師に相談」

「まだ特権だとか何もないのにPCR検査を受けたとか言ってる人、そのリツイートを維持する人は、裁判でこれらのカルテ等を全部出すので反論をよろしく。削除するなら不問」

と言い出しました。

そもそも、橋下氏が検査してもらえた大阪の保健所の職員を、一般人が検査してもらいにくいくらいに減らしたのはあなたたち。

「平熱パニックおじさん」橋下徹氏はPCR検査抑制論でモーニングショーにケンカを吹っ掛け、「非常時イソジン兄ちゃん」吉村大阪府知事はネットで化けの皮が剥がれる。

 

 

 この人が何を気にしているかと言うと、自分が平熱パニックおじさん(笑)と呼ばれていることなんですね。

 厚労省が37・5度が4日間続かないとPCR検査をさせないように保健所に事実上の指針を出していた2020年4月に、1度37・3度まで上がっただけなのに、大阪の保健所で即日PCR検査を受けることができたのは事実。

 何しろ毎日のように自分がいま何度か、ツイッターで報告してましたから(笑)。

 なので、それが真実ですから、この事実をもってどうして一般市民はPCR検査を受けられない状況であなただけ受けられたのですかと問い詰めたり、それはアベトモだからではないですか、いや元大阪府知事・大阪市長だった特権からではないかと論評しても、これは表現の自由として保護されます。

うそ~~!?国民には「家で寝とけ」、新型コロナ担当の西村大臣には「検査は拡大するな」と言ってた橋下徹氏が、37・3度の発熱でPCR検査を受けていた(笑)

 

 

 名誉権と表現の自由とはともに基本的人権として憲法上保障されているのですが、ある論評がある人の名誉を棄損=社会的評価を下げることがあります。

 そうした場合でも

1 意見ないし論評が公共の利害に関する事項に係ること(公共性)

2 意見ないし論評の目的が専ら公益を図るものであること(公益性)

3 前提としている事実が真実であると証明されること(真実性)またはその事実が真実であると信ずるに足りる相当の理由があること(相当性)

4 人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものでないこと

の要件がそろえば、表現行為に違法性はないとされ、名誉毀損には当たらないというのが確定判例です。

最新判例にみるインターネット上の名誉毀損の理論と実務 第2版 (勁草法律実務シリーズ)

 

 

 吉村府知事の記者会見がインサイダー取引を誘発しかねないという論評や、橋下氏が優先的にPCR検査を受けられたのではないかと言う論評は、1~3の要件はクリアしていますよね?

 実際、吉村イソジン会見も事実だし、それで関係各社の株価は上がったことは事実だし。

 橋下氏の方も当時、橋下氏の状況では誰もPCR検査を受けられなかったのも事実だし、橋下氏が安倍首相や菅官房長官と何度も会食していることや、大阪府知事・市長だったこともまぎれもない事実ですから。

 その事実の上に、吉村氏や橋下氏の人格攻撃をするのではなく、論評の範囲内で疑惑があると述べることは4の要件もクリアしているので何ら問題はありません。

 もし、吉村氏や橋下氏が弁護士としてこれは名誉毀損になると判断されるのなら、当ブログは真っ向から受けて立ちますのでかかってきなさい。

恫喝団子三兄弟。

 

 

弁護士としての手腕は疑問符が付くとしても(笑)、およそテレビに出まくっている弁護士二人に脅されたら、一般の方は委縮されると思うんですよ。
 
まさか、根拠なく裁判を起こすぞとか、弁護士が言うとは思いませんから。
 
表現の自由が萎縮しやすい繊細な人権だと、あれほど司法試験の勉強で叩きこまれたはずなのに、それを無視。
 
それこそが維新の人権蹂躙体質なんですよね。
 
5000万突破記念にほんとうに提訴してきますかね(笑)。乞うご期待!
 
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吉村知事「インサイダー」投稿削除求め警告 「テリー伊藤さんがTV発言撤回された」

8/12(水) 10:33配信 デイリースポーツ

 大阪府の吉村洋文知事が11日付でツイッターに連続投稿。4日にポビドンヨードを含んだうがい薬が新型コロナウイルス感染防止に効果がある旨の会見を行ったことに関連し、ネット上などで「インサイダー疑惑」を指摘する発信があるとしたうえで、これを否定し、該当するツイートやリツイートなどを削除するよう警告した。「一線を超えるものは、然るべき対応をとります」としている。

 9日のTBS「サンデー・ジャポン」でテリー伊藤が、吉村知事の会見当日に「情報ライブ ミヤネ屋」に出演し、「実はこの話を1時間半くらい前に知った」と情報が事前に漏れていたとする発言をし、憶測や批判が広がっていた。

 吉村知事はツイッターで「テリー伊藤さん自身が、TVでの発言を撤回されています」としている。

 吉村知事は「僕の記者会見の表現に様々なご指摘があり、それは真摯に受け止めます」としたうえで、「インサイダー取引は犯罪です。ネットで根拠なく軽々に発信されない方がいいです。当然、僕にそのような事実はありません」と否定した。「感染拡大防止の武器になりうる今回の研究が潰されないよう努力を続けます」としている。

 その後も投稿が続き、「ネット上での吉村インサイダー疑惑なるものは、名誉毀損になりますので、ツイートやリツイートは削除されるようお願いします。一線を超えるものは、然るべき対応をとります」と警告。「公人ですので批判は受けますが、名誉毀損はダメです」としている。

 

 

コロナ感染『若年層から中高年層に移行』大阪では40代以上が6割 高齢者施設で続出

8/12(水) 17:20配信

MBSニュース

 大阪府で8月11日に新たに確認された新型コロナウイルスの感染者の内訳を見ると、40代以上が6割を占めていて、中高年に感染が広がっていることがわかりました。

 大阪府で8月11日に感染が確認されたのは小学生~90代までの102人。このうち40代以上が63人と約6割を占めていて、10代~30代の若者世代の38人を大きく上回っています。重症化リスクの高い70代以上の感染者だけを見ても35人と全体の約3割を占めていて、高齢者への感染の広まりも懸念されています。実際、重症になった感染者も第2波となってから最多の一日で8人確認されました。

 背景には大阪府内4か所の高齢者施設でクラスターが確認されたことなどがあります。8月11日には大阪府池田市の高齢者施設で14人の感染が確認され、この施設での感染者は合わせて27人に上っています。

 吉村知事は“お盆期間の帰省”については自粛を求めないものの、行動に注意を呼びかけています。

 「どんちゃん騒ぎをしないとか。大騒ぎで唾が飛び交うような環境にならないように、静かに食事をして、静かに親族と過ごして、静かにお墓参りをする。是非そういうことをしていただけたらなと。」(大阪府 吉村洋文知事 8月11日)

 

 

橋下氏、裁判警告…「特権PCR」投稿氾濫に「削除なら不問」安易リツイートも追及

橋下徹氏=2015年12月18日撮影

 橋下徹弁護士がツイッター投稿で、自身が3月に発熱やのどに違和感がありテレビ出演などの仕事をキャンセルした後にPCR検査を受け陰性と判定された件について、ネット上に「特権」を使って検査を受けたとするなどの書き込みが氾濫しているとして「警告」を発している。

 橋下氏は5日付投稿で「警告)僕は特権を使ってPCR検査をしていない。2週間自宅待機の上で正式な手続きを踏んだ。その後の検査で当時、甲状腺炎だったことが判明し現在も治療中」と説明した。

 そのうえで「しかし、いまだに特権を使ったとか、何もないのに検査を受けたというネット投稿が氾濫している」と指摘し、「相当な根拠を持たず自分の投稿に自信がないは削除するように。人のツイートを安易にリツイートした人も責任を負う」(原文まま)と警告し、「今から削除した人には責任は問わない」としている。

 別のツイートでも「2週間自宅待機したが、喉の激痛、発熱、倦怠感が収まらず医師に相談」と説明。「まだ特権だとか何もないのにPCR検査を受けたとか言ってる人、そのリツイートを維持する人は、裁判でこれらのカルテ等を全部出すので反論をよろしく。削除するなら不問」と記した。

 

「世田谷モデル」を無視する吉村大阪府知事・小池東京都知事に共通する、自己演出だけの「やってる感」

府知事会見に臨んだ吉村洋文・大阪府知事

前日の”うがい薬奨励”の記者会見で批判が続出したのを受けて、翌日(8月5日)の府知事会見に臨んだ吉村洋文・大阪府知事

馬脚を露わしてきた吉村大阪府知事

 
 5月の段階で「コロナ対応で最も評価している政治家」(5月6日の『毎日新聞』による世論調査)で第1位になった吉村洋文・大阪府知事だが、実際は第2位の小池百合子知事とともにコロナ第二波の“元凶”なのではないか――。こんな疑問が確信に変わったのは8月5日のことだった。  前日の“うがい薬奨励会見”での批判噴出を受けて吉村知事が臨んだ府知事会見。大量PCR検査のニューヨークを手本にした「世田谷モデル」について私が質問、否定的な回答が返ってきた時のことだった。
――世田谷区の保坂(展人)区長がニューヨークをお手本に、東大の児玉(龍彦名誉)教授の助言を受けながらPCR検査の大量検査、「いつでも無料でどこでも受けられる」という「世田谷モデル」を発表しました。これをどう受け止めるでしょうか。大阪でも似たような取り組みをするのでしょうか。
吉村知事:世田谷の保坂区長については、それぞれ特別区ですから、自前の保健所も持っていると思いますし、区長独自の判断としてされていることだから注視していきたいと思います。  
 
今、大阪府で検査がいちばん多いのは大阪市ですが、その世田谷区の方式をそのままわれわれに当てはめることは、現状ではそう簡単にはできないだろうと思っているし、やる必要もないだろうと思っています。  
大阪では現在導入する予定はありません。必要なPCR検査をオール大阪でしっかりやっていくことに変わりはありません。

小池知事も吉村知事も「世田谷モデル」を参考にする姿勢は皆無

「世田谷モデル」を評価していた地元記者は、吉村府政をこう批判する。
「大阪のPCR検査数は足りていない。医療関係者や介護関係者にうがい薬の奨励をする暇があったら、世田谷モデルを参考にしながら、医療関係者や介護従事者らエッセンシャルワーカーがニューヨークのように無料でPCR検査がどんどん受けられるようにするべきだ。無料大量検査に否定的なのは、大阪都構想や大阪万博やカジノ誘致のために大阪府の“貯金”に当たる財政調整基金を温存しようとしていると見られても仕方がない」  
 
ましてや大阪のPCR検査は唾液採取の1検体しかないのに、「うがい薬」を使ってしまっては正確な数値が取れなくなってしまう。そんなデタラメを発表しているにもかかわらず、である。  
 
無料PCR検査の世田谷モデルに消極的なのは小池知事も同じだ。筆者は、7月31日の都知事会見で、次のような声かけ質問をした。 「知事、ニューヨークに比べて対策が遅れているのではないですか? (ニューヨークではPCR検査を)無料でどこでも受けられますよ。都民も(無料で)受けられるようにしないのですか?」  
8月6日の東京都知事会見でも指名されなかった筆者は、再び同様の声かけ質問をした。
 
――知事の怠慢が第二波の原因ではないですか? 知事選中の甘い対応が全国に感染拡大をさせたのではないですか? ニューヨークは無料で検査を受けられますよ。世田谷に比べて、遅れているのではないですか?  
この時も小池知事は無言のまま立ち去った。  
小池知事も吉村知事も、ニューヨークを手本にした「世田谷モデル」を参考にする姿勢は皆無だった。感染拡大の責任を都民・府民に押しつけている形の“人気知事コンビ”は、「自分(選挙)ファースト・住民二の次」であるのも共通点。
 
小池知事は都知事選中に東京アラートが再点灯しないようにするなどの甘い対応で第二波を招いたが(筆者の新著『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』参照)、同じように維新副代表を兼任する吉村知事も大阪都構想の住民投票の11月1日実施を最優先にしているという。
世田谷モデルに評価する地元記者はこう続けた。
 
「数値目標を撤廃して東京アラートが再点滅しないようにした小池知事ほど露骨ではありませんでしたが、吉村知事も独自基準の『大阪モデル』の数値目標を緩くして『赤色(警戒レベル)』がライトアップされにくいようにして、過去最多の感染者数を記録更新した現在でも『黄色(注意喚起レベル)』のままにしたのです。 『感染拡大防止』から『経済優先』へと舵を切ったのですが、同時に“吉村人気”の高いうちに大阪都構想の住民投票を済ませてしまうという狙いもあります。コロナ禍のうちは延期するべきだという要望書もいくつも出ていますが、そうした民意を無視しているのです」
 

コロナ禍の中で、住民投票を実行する考えには変わりなし

 大阪モデルについて、吉村知事も小池知事と同じように、自分に都合がいい制度変更をしていたのだ。7月29日の吉村知事会見で質問した際に、筆者もこのことを実感していた。

――都構想ですが、過去最高の感染者数を記録しても予定通り、(住民投票を)11月1日に実行される考えは変わらないのでしょうか?

吉村知事:8月末、9月議会で我々が上程したら判断することになります。基本的に現状であっても都構想の住民投票、民主主義の根幹といえるものについては、僕は実行すべきだと思っていますから、予定どおり進めていきます。ただ9月の段階において(大阪モデルで)赤信号がともっているような状況であれば、その時期については考えます。

――コロナ禍において、都構想を急いでやる必要があるのかという疑問も出ていますが。

吉村知事:民主主義の根幹といえる制度機構改革。これは当然マニフェストでも僕自身も公約としてやってきたことでもあるし、大阪にとって必要だとも思います。今回、コロナ禍において大阪府市がバラバラにやっていたら、ほとんど対策はうまく取れなかったと思いますが、バーチャル都構想で府市一体でやれば、やはりかなりスピーディーに物事も進めることができます。コロナ禍であるこの現状において、都構想は改めて必要と再認識をして、進めていきたいと思っています。  

大阪ダブル選挙で吉村・大阪府知事と松井一郎・大阪市長が当選したのは2019年4月7日。次の選挙がある2023年4月まで、「吉村知事(維新副代表)・松井市長(維新代表)」体制は続く。「府市一体のコロナ対応」が住民投票延期の理由にならないことは選挙日程からすれば一目瞭然だ。そこで8月5日の府知事会見・政務で再質問をしたが、吉村知事の回答は同じだった。

――今の松井市長と吉村知事の体制が2年は続くわけですから(都構想住民投票の)1年ぐらいの延期は十分可能ではないでしょうか。「(府市一体の)コロナ対策は理由にならないのではないか」と思いますが、他に延期してまずい理由があるのでしょうか。

吉村知事:選挙にしろ住民投票にしろ、民主主義にとってこの重要なものについては、それができない状況でない限り僕はやるべきだと思っていますし、現在の状況においてこの住民投票を変更するということは考えていません。

 吉村府政の、安倍政権と癒着する姿勢も第二波感染拡大を招く弊害をもたらしてもいる。「Go Toキャンペーン」で東京着発が除外されたのに、大阪着発が除外されない特別扱いの結果、感染した大阪府民が全国の観光地に出かけたり、逆に大阪を訪れた旅行者が感染したりするリスクが増大している。大阪エリアが感染の“震源地”となる事態を招いているのだ。  

そこで7月29日の府知事会見で吉村知事に聞いてみた。

――「Go Toキャンペーン」で(除外になった)東京と同じぐらいの感染状況にある大阪が除外にならないのは、「安倍政権と維新の太いパイプのせいで大阪は除外にならない」との誤解を招きかねないと思いますが、大阪は除外すべきだと考えているのでしょうか。 吉村知事:(Go Toキャンペーン除外の)基準を作った上で判断すべきだと思っています。除外する、あるいは元に戻す基準がないので問題だと思います。(安倍政権と維新が)仲がいいとか悪いとか、そういうところで決まっているものではありません。

――菅官房長官らに基準作りの申し入れなどはしたのでしょうか。(今後、申入れを)する予定はないのでしょうか。 吉村知事:あらゆる媒体で、僕自身はこの基準が必要だということを明確に発信しています。  これは“アリバイ的発信”をする維新と、安倍政権の癒着関係のように見える。吉村知事は基準作りの必要性を発信はするが、官邸への申し入れまでは踏込まない一方で、未だに基準作りをしない安倍政権の「大阪発着除外免除」の恩恵を受けている。その後の感染リスクを無視して見せかけだけの「経済的メリット」がもたらされればいいという自己中心的思考だと批判されても仕方がない。

リニアについては「今のプランのまま進めてもらいたい」

 リニア中央新幹線についても、吉村知事の利益誘導的姿勢は同じだった。7月29日の府知事会見に続いて8月5日にはJR東海の赤字転落をぶつける再質問をしたが、リニア推進論を再び口にするだけだったのだ。

――JR東海は「(4月―6月の四半期決算で)赤字に転落した」という発表をしていますが、だとすれば(JR東海が)V字回復しなければ、黒字でリニアをつくるスキームは破綻すると見ているのでしょうか。黒字が出ない場合は国民負担でつくることになると思いますが、そうしてまでもつくる必要があると考えているのでしょうか。

吉村知事:リニアについては赤字という話でしたが、やはり大動脈になっているこのJR(東海)の東京・大阪間を結ぶようなところですら経営が非常に厳しい、こんなんはなかなか普通ないわけですが、まさにそれがコロナの怖さです。  

この大動脈のこのJR東海でも乗客率も数%(※東海道新幹線の乗車率は前年同期比で84%減)という状況になっているのを見たときに、本当にこのコロナが社会に与える影響は強烈だなと改めて実感をしています。  

コロナに打ち勝つものを我々は見出していかないと、本当に生活が成り立たなくなるのではないか。大阪を、府民を守る知事の立場からして、やっぱりコロナになんとか打ち勝つ策を取ってはいきたいというふうに思っています。  

赤字においてリニアをするかどうかは、もう赤字というのも今コロナの状況がどうなるか、この先どうなるかも分からないところもあります。リニアは50年、100年先を見越したプランだと思っていますので、当然経営条件も踏まえたうえで、今のプランのまま進めてもらいたいと現在は考えています。

――(リニアは)国民が負担してもつくるべきだという考えなのですか。

吉村知事:いや、「国民が負担しても」という別のスキームの話にはなってないのだから、今のスキームで進めていってもらいたいと思います。

 この発言もまた「大阪へのリニア延伸さえ実現すれば、他はどうなってもかまわない」という自己中心的なものでしかない。吉村知事をメディアは「コロナ時代のニューリーダー」であるかのように紹介するが、実態は、コロナ前の時代の発想(スキーム)で思考停止した「守旧派」なのではないか。  

コロナ後の時代においては、新幹線乗客率が下落する可能性は極めて高く、今のスキームではリニア建設は困難で、国民負担を伴う「別のスキーム」が必要となるのは確実だ。だからこそ、コロナ禍が収束するまでリニア関連工事はいったん凍結し、JR東海の経営回復ぶりを見極めたうえで国民負担額(税金投入額)を算出、建設継続か中止かを決める国民的議論が不可欠なのだ。

「やっている感」の演出が得意の小池知事と共通点が少なくない吉村知事に対しては、「うがい薬」会見で浮上した疑惑を含めて、言動の信憑性などについて厳しく検証する必要がある。 <文・写真/横田一>

ジャーナリスト。8月7日に新刊『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)を刊行。他に、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)の編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数

 

 

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5 コメント

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本領発揮ですか (安打製造屋)
2020-08-13 18:24:14
この御仁たちは、自分の地位に於ける発言が社会的責任を含むことを全く理解していないではないかい?(自分たちに都合が良いことはそのままだが)だから、的を得ている批判には、嘗ての昔とった杵柄で、相手を恫喝するのかな?(因みに現大阪市長は其が本職では?) やっとボロが出てきた模様ですから、良識のある大阪府民は一気呵成に攻めていきましょう。
先ずはしっかりと謝罪を (ゴメンテイター)
2020-08-13 18:57:30
橋下徹が大阪府知事、大阪市長時代に行ったことは改革ではなく、役所の破壊です。

そして学校、病院を「統廃合」という名目で取り壊しました。
地震や、水害など、自然災害の多い我が国では、避難所や救助の拠点をしっかりとしたものにしていかなければいけません。その拠点となるべき学校、病院を破壊するとは、なんとも大間抜けな政策です。
橋下徹の場合は、政策というより、思い付きでした。その終着点が「都構想」です。
「都構想」を実施してしまえば、大阪は財政的に弱体化するだけでなく、自然災害に弱い街になってしまうんじゃないですか。

みんなが、PCR検査を受けたくても受けられないときに、なぜ、簡単に受けることができたのか。疑問を尋ねることすらさせないのは、よほど都合が悪いからでしょうね。

インサイダー取引のわかりやすい例になってしまった「イソジン事件」。
「インサイダー取引が行われたのではないかと疑われても仕方がない」と謝罪することもせず、逆切れをすればますます疑われます。
吉村洋文大阪府知事は、逆切れなどせずに、しっかりと謝罪したほうがいいでしょうね。
こんなことをしていたら、テリー伊藤さんを脅迫して発言を撤回させたんじゃないかと、疑いが広がってしまいます。
人殺しを礼賛する橋下徹の逆切れ、脅迫を真似る必要など全くありません。
橋下維新の会が受け入れられる理由が分かります。 (sound_moon810)
2020-08-14 12:33:55
 最近多くの学校で児童生徒の自治は機能していません。クラブ活動でもそうです。それは子供達自身のリーダーシップが育っていないからです。結果的に自治会長とかクラブの部長とかはあえて無能な人間、あまり頑張らない人間が選ばれます。無責任で調子が良かったらそれで十分、もし芸人のようなノリがあれば最高です。その方が周りが楽だからです。それが政治の世界にもしっかり反映されてきました。目立ちたがりで無責任な連中の方が庶民は楽なのです。本当に優秀な人が自分たちの上に立ったら役所も庶民も叱られ続けてうっとおしくて仕方ありません。

 その成れの果てが維新です。いい加減で無責任だから調子がいい。役所をぶっ壊すと言って本当にぶっ壊しました。保健所をリストラしすぎたかもしれんけど平時ならあれは正しかったと橋下氏は正当化しました。いやそんな政治はありません。平時において非常時の時に備えるのが政治なのです。そもそも維新も賛成する憲法改正は非常時に備えるために9条を変えようという話だったはず。矛盾もいいところです。おかげで公務員はどんどん無責任になっています。でも政治家も庶民もその方が楽なのです。案外今が幸せだからです。多数派であればという条件が付きますが…

 で、一度少数派になればいかに社会がまずいか分かります。維新が酷い、自民党極右が酷い、学校が酷い、職場が酷い、そしていかに世間が冷たいかを実感します。でも少数派を敵として扱い蔑むのが維新です。その恐怖は強烈です。人は少数派にならないように保守化するわけです。

 今の日本の野党に欠けているのはサイレントマジョリティへの理解です。アンケート調査では絶対本音を語らず当たり障りのない解答をする大多数の人々です。その真の多数派を掴む感性がありません。今の安倍政権にもありませんが元々自民党は土着の政治集団の合体したものです。放っておいてもサイレントマジョリティの集まりなのです。顔のない集団です。だから政治権力を握り続けてきました。一度政権を交代していますが、その民主党もほとんどが元自民党かそれに近い人々が主導権を握っていました。

 橋下徹氏は簡単にヒステリーを起こしますが簡単に頭を下げて謝ります。その様子は芸人そのもの、笑いを誘います。テレビで身につけたのでしょうか。枝野代表、志位委員長や福島党首にはそんな雰囲気は微塵もありません。芸能界出身の山本太郎氏ですら橋下徹氏に遠く及びません。貧乏くじばかり引かされて失笑を買っています。実は松井市長や吉村知事にもお笑いのノリはないのです。

 維新は大阪のサイレントマジョリティの無責任な支持を橋下徹氏のお笑い芸人のノリで掴みました。よくなるはずはありません。ただ都構想の住民投票は分かりません。大阪市を解体したら庶民にもしんどい思いを強いる可能性があるからです。そこをどうつくかですね。
危機って有事のことじゃあ・・・? (時々拝見)
2020-08-14 17:11:41
 危機管理のできない「維新」。ずっと平時なら、有事の際に必要だと維新が言う、軍事力・安保法・改憲は不要でしょう。それとも、ずーと平時だと思っていた維新がよほど無能なのでしょうか?
 というわけで、維新は平時には有害、有事に平時の有害さを露呈したことを自ら語っているように思えます。
Unknown (バードストライク)
2020-08-23 08:49:07

トップ画像の橋下、おもしれ〜なw

今後ずーっとこういう顔で生きていきますように、アーメン!

【吉村知事とシンクロか、橋下徹も馬脚! コロナ対策過剰論を主張するため「熱中症ではそんな対策してない」と子ども騙しの詭弁に…】
2020.08.22
https://lite-ra.com/i/2020/08/post-5593-entry.html

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