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6月27日(土)  『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』6月27日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「専門家vs安倍政権 責任なすりあいで“空中分解”の今後」

 大体、安倍政権は検証に不可欠な記録を後世に残すつもりさえない。コロナ対応を公文書管理の指針に基づく歴史的緊急事態に指定したのに、専門家会議を「政策を決定・了解する会議」と認めず、発言を箇条書きにした議事概要にとどめたままである。

 「加えて首相や閣僚が対策を議論する『連絡会議』の議事概要には、首相の発言は一切、記載されていなかった。モタモタ対応を見かねて、前面に出た専門家会議の背後に政権が隠れ、ピント外れのコロナ対策の責任を押しつけたとみられても仕方がない。だから、専門家会議も責任の矢面に立つのはごめんとばかりに、見解の文言削除や修正など政権側の横やりを暴露。“最後っ屁”でケツをまくったように感じます」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 感染増加の真っただ中に迷走コロナ対策の責任のなすり合いで、政府と専門家会議が空中分解……。国民には嘆息しかないのではないか。

 その上、安倍は民主党政権時代に成立した「新型インフルエンザ特措法」の適用に難色を示し、法改正の手続きを経たため、緊急事態宣言も遅れた。対象を絞った30万円給付のあまりの評判の悪さに、閣議決定済みの補正予算を急きょ組み替え、一律10万円給付に変わったものの、こちらも支給は遅れている。前出の五十嵐仁氏が言う。

 「安倍首相は専門家を使いこなせず、彼らの助言よりも側近官僚の思い付きを重視。『全国民の不安はパッと消えますよ』との進言に食いつき、布製アベノマスク2枚を配布する大失態を演じました。犬を抱いた動画配信も同様で、国民の信頼は地に落ちています。首相が痛感すれど、取ろうとしないため、責任の所在も曖昧模糊とし、覚悟にも欠け、十分な政治決断も下せない。コロナ禍が可視化したのは、『ないない尽くし』のガバナンスの欠如です」

 安倍も小池も今なお五輪優先の失態を認めようとしない。なぜPCR検査の件数は少ないのか。海外の全自動検査システムなどは日本の技術が支えているではないか。当然の疑問に医師会も答えず、権威主義で非を認めようとしない。


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