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「安倍政権のレガシー(後編):前半)」三橋貴明 AJER2020.9.14

    

 

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真・国家論 なぜ我々は財政破綻論を払拭することができないのか? [三橋TV第291回]

https://youtu.be/7aMRQUpGKm0

 

 突然ではございますが、わたくしの「人生」を大きく変えてしまった「ツール」についてご紹介いたしましょう。
 その名は、バランスシート(貸借対照表)といいます。


 いや、冗談でも何でもなく、診断士の試験に財務分析があり、そこで「バランスシート」の概念(というか、単なる事実)を知ったことで、わたくしの人生は大きく変わってしまったのです。バランスシートというツール一つで、ここまで人生が変わってしまった。


 バランスシートとは、一経済主体の「資産」「負債」「純資産」「純負債」について、二つの箱の左右に明記するというだけのツールですが、これが決定的だったのです。


 わたくしは、「国民経済の五原則」として、
1.国民経済において、最も重要なのは「需要を満たす供給能力」である。
2.国民経済において、お金は使っても消えない。誰かの支出は、誰かの所得である。
3.国民経済において、誰かの金融資産は必ず誰かの金融負債である。
4.国民経済において、誰かの黒字は必ず誰かの赤字である。
5.現代世界において、国家が発行する貨幣の裏づけは「供給能力」である。
 と、繰り返していますが、うち2、3、4が、バランスシートの理解から「解明」された「事実」です。


 誰かの資産は、誰かの負債。つまりは、誰かの負債は、誰かの資産。
「国の借金で破綻する~っ!」
 ということは、政府の負債が大きいということですが、それって「誰」の資産なの?


 あるいは、黒字とは「誰かの純資産が増える」ということですが、そのとき、必ず「誰かの純負債」が増えている。つまりは、誰かの黒字は、誰かの赤字では?


 さらに、誰かの黒字になっているということは、誰かが支出している。そのとき、誰かの「所得」が生まれてない?

 しかも、おカネは誰かの借方から、別の誰かの借方に移っているだけで、別に消滅はしていないよね?

 

 あれ? おカネって、どうやったら消せるんだ。逆に、どうやったら、生まれるんだ?


 と、思考を進めることで、2~3が「誰にも否定できない事実である」ことを理解したのです。1と5は、マクロ的な話ですが、2~3は個人でも成立します。


 わたくしがデビューした際、「ケインズのパクリ」「リチャード・クーのパクリ」などと色々言われましたが、実は初期のわたくしはケインズもリチャード・クーの書籍等を読んだことがありませんでした(あとで、同じことを言っているということを指摘され、改めて読んだ)。以前も書きましたが、わたくしの「経済」分野の師はいません。


 なぜ、今更この話を書いているかと言えば、三橋TVの第291回で高家さんが言っているように、
国の借金で破綻すると言われると、あたかも自分の借金が増えているような錯覚を覚えた
 人が少なくないでしょうし、先日、ある講演会で個別に、
日本政府が米国債を買ったということは、借金を日本政府が背負わされたということですか?
 という質問を受けたためです。


 いや、日本政府が米国債を買ったところで、「債権者(貸し手)が誰かから日本政府に変わるだけで、別に政府の借金は増えんだろ」という話なのですが、バランスシートを理解していないと、騙される。あるいは、混乱する。


 この手の「貸し手」「借り手」を整理する考え方(というか、現実を見ろ、という話ですが)に対する無理解が、まさに財政破綻論が蔓延した主因の一つだと思うのです。

 

 特に、一個人、一家計にとって「借金が増える」ということは、嫌なことです。その、人々にとって「借金が嫌」という事実を理解し、財政破綻論は組み立てられています。

 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

※特別コンテンツ、近現代史研究家・林千勝先生【大東亜戦争の真実~奪われた勝利への道~】が視聴可能となりました。

 

 後に(2019年に)MMT(現代貨幣理論)という、貨幣の真実について経済学的に解明した考え方が来日し、
「実は、貨幣とは誰かの負債であり、現金紙幣は日銀の負債、銀行預金は銀行の負債である」
 という、貨幣論へと繋がります。(元々、我々は同じことを言っていましたが、経済学的な解説が登場した影響は大きかった)


 無論、三橋TV第291回で解説している通り、我々日本国民が「国家とは何か?」を理解しなくなった影響も大きいです。国家が何か分からないため、「自分」と「国家」を経済主体的に切り分けができない。


 だからこそ、月刊三橋から「真・国家論」ををリリースする必要に迫られたわけですが、我々「人間」と「国家」は別の主体です。というか、国家は我々が豊かに、安全に暮らすための政策を推進するためのNPO(非営利団体)なのです。そこの、切り分けをする必要がある。


 切り分けができれば、国家の負債増は、我々の資産増であることが分かるはずですが、「国家観」がないと混乱する。常日頃、「国家とは何か?」について考えていないため、マスコミからの嘘情報の垂れ流しを受け、「国家の負債=自分の負債」という錯覚に陥り、バランスシートや経済主体を無視した考え方に煽られ、
「国の借金で破綻する~っ!」
 などとパニックに陥る。


 もう、やめましょう。


 バランスシートが教えてくれるというか、我々に突き付ける現実は、以下の通り。


・誰かの資産は、誰かの負債。誰かの負債は、誰かの資産
・誰かの資産が増えれば、誰かの負債が増える。誰かの負債が増えれば、誰かの資産が増える
・誰かの純資産が増えれば、誰かの純負債が増える。誰かの純負債が増えれば、誰かの純資産が増える
 

 政府の国債発行は、まさに「政府の純負債を増やす」行為です。そのとき、誰かの「純資産」が増えていませんか?


 第一次補正予算で、政府が国債を発行し、国民一人当たり10万円を給付した結果、みなさんの純資産(=預金残高)は増えませんでしたか?


 恐らく、ここが突破口です。何の話かと言えば、皆さんが「貨幣」「財政」「経済」の真実を、周りの人々の語る際の。


 多くの「周りの人々」は、資産と負債は必ずイコールになるというバランスシート(というか、単なる真実)を理解していません。結果、プロパガンダにやられてしまう。


 というわけで、正しい貨幣観、正しい財政観を周囲に広めたいならば、まずは、
「誰かの負債は、誰かの資産だよね」
 という、ごく当たり前のことを問い、相手に「あれ?」と思わせて下さい。繰り返しますが、そこが突破口です。


 最初の壁を突破できれば、その後は意外に楽です。もちろん、相手は、
「いや、そうかもしれないけど、俺ってそんなに根本から間違っていたの・・・・」
 と、認知的不協和に陥ること確実ですが、「自分の頭」で考え始めさえすれば、最後には誰でも真実にたどり着けます。


 というわけで、別に専門的になる必要はないですが、最低でも「バランスシート」の考え方だけは「武器」として身に着けて下さいませ。それほど難しくはないのですよ。

 日本の財政破綻論払拭には、まずはバランスシートが示している「極々当たり前のこと」を「考えてもらう」必要があるのです。
 

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