株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッターはこちら
人気ブログランキングに参加しています。

チャンネルAJER更新しました。

「反グローバリズムの日本国民よ連結せよ!」(前半)三橋貴明 AJER2022.7.26
  

令和の政策ピボット呼びかけ人に「作家・アルファブロガー 鈴木傾城」様が加わって下さいました。

また、メルマガ「令和ピボットニュース」が始まりました。皆様、是非とも、メルマガ登録を!

 

 

第二次政治改革が起きる!? 90年代中盤の日本と現代の類似性[三橋TV第582回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/ZM7KGTiVjUQ

 

 

 吃驚するくらいに順調に、吃驚するくらいに淡々と、日本の食料危機、エネルギー危機が深刻化していっています。本日はエネルギー。


 2011年の原発停止、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)導入、発送電分離、電力小売り自由化と、日本の電力サービスは「改悪」を繰り返し、ついに、
「電気代がひたすら上昇する」
「そもそもの電力供給が不足し、政府が節電要請という惨めな対応をする」
 という状況にまで落ちぶれてしまいました。


 ガソリン価格は、政府の(卸売りへの)補助金により、「1リットル=200円」という事態は避けられています(補助金が無ければ、とっくに1リットル200円を超えていました)。


 それに対し、電気代の方は政府は「カネ」を出そうとしない。


 LNG価格が上昇し、原発も再稼働しないため、電力会社は次々に「赤字」となり、今後、電気代が上昇していくことになります。

電力7社が最終赤字 4~6月、燃料高転嫁しきれず
 大手電力10社の2022年4~6月期決算が2日出そろった。火力発電に使う燃料費の高騰が収まらず、東京電力ホールディングスや関西電力など7社が最終赤字となった。想定外の燃料高により、燃料費の上昇分を料金に転嫁できる制度の上限を超えたのも響く。東電などは一部の契約で値上げの検討に入った。燃料費の影響を小さくして値上げ圧力を和らげるには原子力発電所の再稼働がカギになる。
 電力需給が逼迫するなか、電力各社の収益基盤が細れば発電所への投資が滞りかねない。一方、燃料高を料金に転嫁する制度の上限を撤廃する動きが広がれば、家計負担はさらに増す。長引く燃料高は既存の電気料金制度に綻びを生んでいる。
 10社合計の最終損益は1542億円の赤字だった。794億円の黒字だった前年同期から赤字に転じた。4~6月期に半数以上が赤字となるのは、13年以来9年ぶりだ。(後略)』
 
 東京電力は、9月末までに法人向け新料金を公表。つまりは、値上げ。
 関西電力は、来年4月までに新料金検討。もちろん、値上げ。
 中部電力は、12月から家庭向けの一部で転嫁上限を撤廃。要するに、値上げ。
 九州電力も、10月から家庭向けの一部で上限撤廃。当然、値上げ。
 東北電力は、11月以降、法人向けを約16~18%値上げ。


 値上げ、値上げ、値上げ。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【経世史論】三橋貴明と「歴史に魅せられて my」がお送りする、経世史論。

http://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/

第四十一回「皇統論 平将門の乱-新皇ー」「歴史時事 神がそれを望んでおられる」がリリースになりました。
ぜひ、ご入会下さい。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 国民や企業は、所得が上昇しない最中、電気代の値上げに直面する。すなわち、可処分所得の減少。デフレ化。
 

 そもそも、今回のエネルギー危機の発端は、LNG価格の上昇です。

【液化天然ガス価格の通関統計(千円/MT)】


http://mtdata.jp/data_80.html#LNG

 LNGの通関価格(MT当たり)は、2022年5月についに史上初めて、100千円/MTを超えました


 もっとも、改めてグラフを見ると、08年の資源バブル期、および2015年頃に100千円/MTに接近していたことが分かります。


 15年後半以降は、50千円/MTで低迷していた。この時期に、安倍政権下で発送電分離、電力小売り自由化が決まった。


 結果、
「安いLNG価格に依存し、安値戦略で既存の電力会社の顧客を奪う」
 という、発電所を持たない新電力レント・シーキングモデルが成立してしまった


 そして、LNG価格低迷は、原発再稼働を遅らせ、発電所への投資も(FITのメガソーラ除き)進まなかった。


 その状況で、LNG価格が急騰した結果、一気にエネルギー危機が進んだ


 08年や15年は、LNG価格が高騰していたにも関わらず、今ほどにはエネルギー危機にはならなかった。なぜ?


 それはもちろん、電力「改悪」前だったからです。当時は(特に08年には)電力会社はLNG高騰に対応する術があったのです。それを、電力「改悪」で奪い取った。


 結果的に、今回のLNG価格急騰で、一気に電力危機に陥った。


 まさに、自業自得でございます。今回の電力会社の電気代引き上げを受け、
「なぜ、こうなってしまったのか?」
 について、国民や政治家が真剣に考え、過去の「改悪」を真摯に反省し、方向転換をしない限り、エネルギー危機は終わらないでしょう。
 

「電力改悪を転換しよう!」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!

本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。

◆関連ブログ
日本経済復活の会のホームページはこちらです。

㈱日本富民安全研究所のブログ絶望の先にはこちらです。
◆三橋貴明関連情報
新世紀のビッグブラザーへ ホームページはこちらです。
メルマガ「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」はこちらです。